没シーン「……ってせっかく僕が買ってきたご飯、一つも減ってないじゃないですか。駄目ですよ~、君たちは生命活動に食事は欠かせないんですから、用意した分くらい消費してくれないと。」
机の上にはコンビニかどこかで買ったなりのままのおにぎりや飲み物が置かれていた。なんだかずっと前から置かれていたような気がする。
できるだけ彼の姿を認知したくなくて、机から背を向けていた。
そんな姿には目もくれず、怪異はがさがさとレジ袋をいじっている。
やがて何かの包装を破く音がして、むんずと肩をつかまれ無理やり仰向けにされた。
「ほらこれ、食べてくださいよ。おにぎりの包装を解くのも結構上手になったでしょう?」
妖しく笑う怪異をぼーっと眺めていた。
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