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    於花🐽

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    前についったに載せたのの再掲

    新生mcd時代の🐴←1️⃣風味
    🐴に彼女の影がある。

    https://twitter.com/0HanaBon/status/1279663154859892737?s=19

    ##サマイチ

    左馬刻の綺麗な顔が腫れている。一大事である。国宝指定されていないのが不思議な顔が殴られるなどただ事ではない。
     いや、顔の造形の良さで計る一郎の心持ちは横に置いても左馬刻が顔を殴られるなど珍事である。
     ラップバトルは勿論、素手の喧嘩でも滅法強いこの男が顔に傷を作るとはどういう事なのか。
     頬骨の上が赤く腫れていて、まともに拳を喰らったのがわかる。
    「……どうしたんすか」
     相手は誰なのか。左馬刻にこんなストレートに一撃を入れられる相手に立ち向かって一郎自身も無傷でいられるはずはないだろうが、それでも黙ってはいられない。
    「……なんでもねぇよ」
     左馬刻は怒っている様子もなく、一郎に答えた。この人が素直に事情を言うはずはなかった。
    「女か」
     呆れたように口を挟んだのは簓だ。
     一郎の心中に渦巻くものを察して左馬刻の内情をばらす。
     正解だったらしく左馬刻は気まずそうに二人から視線をずらす。
    「女の人が?」
     女性が叩いてここまでの怪我になるだろうか。
    「どうせまた前の男が出てきて左馬刻にからんできたんやろ?」
     これまでの付き合いから事情を見透かしている簓に左馬刻は黙っているのは無意味だと思ったらしく口を開いた。
    「俺が一発殴られればあいつの前にはもう顔現さないっつうからよ。安いもんだろ」
    「ははっ」
     簓はおかしそうに笑う。
    「よう言うわ。先に手ぇ出させて反撃の口実作っただけやろ」
     左馬刻はにやりと笑った。
    「たま蹴り潰しといた」
    「えげつなっ」
     二人の会話を聞きながら一郎は胸を抉られていた。

     左馬刻に彼女がいる。

     別に居ても不思議ではない。
     けれどその事実を目の前に示されるとどうしようもなく胸が痛んだ。


     まだ一郎は恋を自覚出来なかった。
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