買い出しでも 買い出しは基本的にいつも一人でいくのだが、荷物が多い日やシンジの食いたいものがあるという日等は二人で行く事もある。今日は原稿に詰まったから気分転換に一緒に行きたいと言うので連れて行くことにした。本当は買い出しの時間すら惜しいのに、すがるような目で見つめられるとつい行くことを承諾してしまうのは、自分がシンジに甘いという証拠なのだろうか。
二人して徒歩十分もかからない近場のスーパーに向かう。
「ねえ、今日の晩御飯のご予定は?」
「今日は……湯豆腐にほうれん草ともやしのナムル、それからアジの塩焼きだ」
「美味しそう、楽しみだな」
「別に特別な料理でもないぞ」
何の変哲もない献立だというのにシンジはうきうきといった様子だった。
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