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    キョンシーコス一星を見て思いついたものその2。その1とは繋がりがありそうな無さそうな。アレオリ時空的にあの世界でイナズマジャパンのグッズ販売してそうという思いつきその2。画像をズームして見ただけなので実際のものと書いたの違ってるだろうなぁ……

    コスプレキョンシー、ほんものキョンシー 街明かりへと向かう仮装行列が夜の公園を通りがかっても、今夜に限っては誰ひとりとしてそれに奇異の目を向けることはない。洋風に偏ったモンスターの装いに、日本の侘び寂びを体現した秋の虫の声はどうにも似つかわしくないようではあるが。
    「その格好、寒くない?」
     王帝月ノ宮サッカー部による仮装行列を先導していた野坂から不意にそんな言葉が出る。
    「……ちょっと肌寒いです」
     答えたのは、そのすぐ後ろをついて行っていた一星である。古い時代の中国の官僚が被っていそうな帽子には、呪言に見せかけて自分の名を書いた札があり。詰まった首元、手を隠して垂れ下がる袖。それだけを見れば暖かそうなものだが、下半身へと視線を下っていけば膨らんだシルエットのズボンの裾は膝よりも上にある。靴も地面を踏む足をすっぽり隠すだけであり、脚の半分以上が秋の夜風に晒されている状態だ。
     ズボンとは正反対に長い袖で冷えた膝小僧をさすり、一星はため息を吐く。ひらり、と札が舞い上がった。
     市販品に比べると布地の質が良い、この仮装は元はと言えば撮影用に作られたものであったのだ。撮影を終え記念にと貰ってきたこれをハロウィン当日に着て皆で集まろう、と話が決まったのは僅かばかり暑さの残る九月の初め頃。更には空調設備が整った屋内での撮影であったために、同じ格好でも違和感なく過ごせていたのだろう。
     それからまるっと一ヶ月以上を過ぎて、埃をかぶらないようにしまっていたキョンシー衣装セットは部分的に季節外れの服装になっていたのである。
     慌ててインナーを仕入れようとするも時既に遅し。無地で暖かく、膝関節にあわせて狭められた裾のズボンの下にも履けそうな薄めインナーはほとんど売り切れて、厚手で柄の入ったスポーツ用品が残るばかり。それならばと自前の靴下を履いてみると、素足を想定して作られたと思われる靴に足が入らなくなった。
    「もうちょっと早く気付けばよかったな」
     自分たちの行列を追い抜いていくミニスカのポリスやナースやゾンビたちの脚は事前に用意していたのだろうタイツで守られている。恨めしさを覚えながら一星が彼女らを見やると、その奥に、黄色や紅や枯れた色に移ろいゆく雑木林広がる公園がある。
     ぽつぽつと街灯の明かりが並ぶそこに、ひとつだけ人影を見た気がした。
     丸く照らされた場所から暗がりへと飛び出したようである。歩みは止めないまま、一星は暗がりを注視する。暗がりから次の街灯の下に、両手を前に付き出した人の姿が跳び出てきた。
     それは、正しく跳び出てきた。
     両手を前に両足をきっちりと揃え、膝をまったく曲げず飛び跳ねる姿。それどころか裾の広い袖を垂らした服装だってキョンシーそのもの。
     一星と寸分違わぬ衣服を纏ったキョンシーは額の札と青い毛髪をふわり、ふわり、と揺らしながら、最後の街灯を越えて雑木林の中へ入っていく。
    「一星くん、どうかした?」
     野坂に呼びかけられて前方に顔を戻すと、王帝月ノ宮仮装行列の背中が見えた。足を止めていたらしいと気が付き、急ごうとするも、一星はたった今見たものが気がかりでならなかった。
    「……脚が冷えるので、ちょっと走って体を温めてきます。先に行っててください」
     一星はそれだけ言うと、野坂の返事も待たずに公園へと、雑木林へと駆け出した。さっきまでいた場所にキョンシーはいなかったが、木々の並ぶ夜闇の奥の方で、青白く輝く人魂を連れ立って飛び跳ねているのを見つけた。
     追いかけていくにつれ、仮装行列のざわめきは聴こえなくなる。枯れて落ちた葉を踏む音は一星の足下からしか聴こえず、あとは葉を振り落とす風が鳴るばかり。心細さから歩調を速めると、キョンシーの背中に追いついた。
    「ねぇ、顔を見せて」
     声をかけると飛び跳ねていたキョンシーは立ち止まるが、いくら待ってもそれが一星に振り向くことも両腕が下りることもない。
    「俺は首も回せないんだ 正面に来てくれ」
     少し経って、抑揚のない声で告げられる。一星は小走りでキョンシーを追い越し、ほんのわずかな揺れすらなく姿勢を崩さないそれと真正面に向かい合った。街灯の一本もない場所であったが、ゆらめく人魂が、赤で書かれた字の滲んだ札をぼんやりと照らし出していた。
    「やっぱりそうだ」
     一歩、一歩、吸い寄せられていく。ぎこちない歩調は滑らかに変わり。眼前にまで近付いたそれを、一星は大きく腕を広げて抱きしめた。
     体の前面から体温が奪われる。
    「光は温かいな」
    「兄ちゃんは冷たいね」
     一星は突き出されたままの両腕を肩に乗せ、ごく至近距離にある顔を見つめる。
     筋肉の全てが失われたかのように表情は変わらない。縮瞳すらせず、眼孔に嵌まって微動だにしない目には一星の顔だけが映る。まるで生きているような感じがしないが、一星にとっては馴染み深い顔であった。
    「俺も光を抱きしめたい でも腕が動かせない 代わりに動かしてくれないか」
    「うん。ちょっと待ってね」
     一星は向き合って密着したままキョンシーの腕を動かそうとするが、本当に硬直しているらしい関節を後ろ手に弄るのは難しく、ずり落ちる両腕を持ち上げては再度試してみるもうまくいかない。
    「無理そうか」
    「向き合った状態だと……そうだ、これなら」
     一星は思い立ったように背中を向けた。
     首元あたりで曲げたキョンシーの左腕に自らの右肩を掴ませ、同様に曲げた右腕に左の上腕を握らせる。仕上げにキョンシーの顎を掴まれていない肩に乗せれば、背後から首元に腕を回して抱きしめる形が出来上がった。
    「顔は見えなくなっちゃったけど、どう?」
    「ああ これでいい」
     固まった腕に力がこもらければ声に抑揚がつくこともないが、背後のキョンシーはどうやら満足したようである。「温かい」と呟いたきり喋るのを止め、抱きしめる形のまま固まった。
     数分経ち、いくら体温を吸っても温まることのない腕を一星が抱くと、首筋に冷たい空気が吹いた。
    「知ってるか 血を吸うモンスターはドラキュラだけじゃない キョンシーだってぴょんぴょん飛び跳ねてるだけじゃないんだ やられた人間もキョンシーになるらしいぞ」
     平坦な語調で告げる口は、ちょうど一星の首筋に食らいつける場所にある。
    「そうなんだ。それは怖いね」
    「逃げないのか」
    「だって、今俺を抱きしめてるのはキョンシーである以前に兄ちゃんだから」
    「兄が弟を傷付けるわけがない そう言いたいならやってみようか」
     ときどき脚を撫でていた風がピタリと止み、虫の声も消える。動かないはずの手が強く握られ肩に爪が食い込む。ぶ厚めに作られたキョンシー衣装を着ていなければ引っ掻き傷がついていたであろうほどに。
    「違うよ。俺たちは二人でひとつのチームだって言ったでしょ。……忘れたの?」
     圧迫される鈍痛を背に、一星は迷いなく言葉を発した。ひらり、と額の札が揺れた。
    「同じ地に並び立っていなくても俺たちは二人でひとつのチーム 俺は絶対に忘れない 光がそう思い続ける限り俺は生きてるみたいにお前に付き従う でももし光が忘れたら」
    「忘れたら、どうするの?」
    「そのときは血を吸う」
    「……そうしたら、また一緒になれるね」
     首筋を冷たい空気が柔らかく撫でる。肩の鈍痛はいつの間にか消えていた。
    「今夜は俺たちと光の世界が近くなる あんまり遅くまで出歩くんじゃないぞ」
     動かないはずの右手がおもむろに持ち上がり、一星の額に触る。前髪と札を一度だけ撫で下ろすとそれ以降動くことは無く、重力に従ってずり落ちた手のひらが一星の視界を塞いだ。
     瞼に被せられた冷気が消え失せ、目を開くと首元に回されていた腕もなくなっていた。振り返ってもキョンシーは影すら残さず消えていた。
     体感としてはずいぶんと遠くまで歩いてきたはずだったが、誰彼かのはしゃぐ声はそう遠くはないところから聴こえてくる。
     冷やされ、だんだんと体温が戻っていく背中にむず痒さを感じながら来た道を引き返すと、一分と経たずに公園に出た。雑木林に入ってすぐの場所に立っていたらしい。
     公園には仮装集団、もとい王帝月ノ宮サッカー部が屯している。ベンチに座っていたり、童心に帰って滑り台やブランコで遊んでいたりして一星を待っていたようだった。
    「お待たせしてしまってすみません」
     一星は野坂に駆け寄った。
     野坂は自販機で買ったと思しいジュースのプルタブにかけた指を浮かせ、公園の時計を見やる。
    「あぁ、気にしてないよ。五分も経っていないからね」
     未開封の缶ジュースを西蔭に押しつけると、それじゃあ行こうかと声を発する。夜の静かな空気によく響いた野坂の言葉でブランコの軋みが鳴り止み、ちょうど滑り台の頂上まで登った竹見は背中を引っ張られて惜しみながらも梯子階段を降りた。
    「……おや? 字が変わって……いや、気のせいかな。それより一星くん、生ゴミの収集場にでも突っ込んだかい?」
    「いえ、そんなことはしてませんけど……」
     どうしてそのようなことを聞くのか。それを訊ねようとした時、西蔭がえずいて激しく噎せこんだ。
    「……野坂さん、どんなジュースを買ったんですか?」
     寸前で変えた質問に答えることなく、野坂はただ微笑みだけを返した。

    🎃おまけ。どっかの掲示板とかでイキってそうなモブ🎃

     秋も深まる神無月最後の日。
     様々な宗教由来の行事の数々。そこに込められた本当の意味など知りもせず、やれハロウィンやれクリスマスと日の本に住む者共は主要都市に屯しては綺羅びやかに騒ぎ立てる。
     普段から人通りの多いここは、今や和洋折衷の化け物たちに支配されて満足に身動きが取れやしない。交通整理も半ば意味を成していないような有様だ。
     夜は冷えるかとインナーを着込んできたが、これだけの人混みに混じると汗ばむくらいの熱気を感じる。人の塊に押され圧されながらも、揺れ動く視界は鋭く目当てのものを探している。
    「ちょー盛れてるぢゃーん」
    「おい加工外すなし、殺すぞ」
     そのような音がした方へと首を回す。勢い余って筋を痛めたが、思い描いていた通りの集団がそこにいた。
     大胆にも露出させた谷間。下着が見えるくらいに、というかそれそのものが下着なんじゃないかってくらい短いスカートだったりズボンだったり。秩序を乱しそうな婦警や、交通規制のテープを巻いたセクシーゾンビや、血塗れのブラ見せ看護婦や。肌の露出の多さと貞操観念の低さは比例するという公式がまるで当てはまる、そんな集団だ。
     今回のためだけに買った某配管工の帽子を被り直し、貞操観念ゆるキャラギャルの元へと向かう。
     目が合った瞬間に彼女らは逃げ去った。
    「あっ……あっ……」
     などとカオナシのように呻きながらなまっちろい手を伸ばしてきた不審者を警戒する程度の頭は残っていたのだろう。しかし、移動した先にいた、同じく配管工の服を着た高身長イケメンに黄色い声を出すと、アリのごとくそれに集ってホイホイとついて行った。やはり仮説は正しかったようだ。
     スタートダッシュで躓いたが、気に留めることはない。そもそもの話、ネットに蔓延る有象無象どもを幾度となく論破してきた俺は、貞操観念ユルガバメスマンなどに収まる器ではないのだ。取り直す必要もなく気は確かなまま、次の獲物を探すとする。
     しかし、分かりやすく下着を見せびらかす群れではなく、露出高めかつ大人しそうなお一人様を探すとなると骨が折れる。いくら貞操なんて言葉が頭からすっぽ抜けたような格好をしていても、肌を出して一人でほっつき歩くことは危ないという最低限の危機管理能力は備わっているらしい。服の何処かしらに煽情的な穴が空いていたら、たいてい誰かしら連れがいるとみて間違いなさそうだった。
     配管工オーバーオールに手を突っ込み、項垂れる。細長い肌色が見えてすぐさま顔を上げた。
     漢数字の壱、☆、そしてあれは……充、だろうか。いかにも呪いの札っぽく作られているが、一番上のうねうねに騙されることなくよくよく見れば呪言でも何でもないことが分かる。キョンシーの仮装とあって極端な萌え袖に加え、腰を高い位置に見せるためと思われるリボン結びは非常にあざとく、上半身の防御の高さとは正反対に脚部はタイツすら履かずに見せびらかしている。
     中学生くらいだろう。賢そうな顔をしておきながら、貞操観念が緩そうな香りが漂う。
     中学生くらいなら、成人して十と何年か経った今でも純潔を守っている俺でも簡単に言いなりにできるはずだ。
     人混みを掻き分け、キョロキョロとあたりを見回して背を向けたキョンシーに接近する。迷子になったらその場から動かないようにと教育されてきたのだろう、不安げなキョンシーに手を伸ばせば届く距離まで近付いた。
     あとは肩なり腕なりを掴んで裏路地にでも連れ込めば、童貞という名誉ある不名誉を捨てられる……はずだ。アダルトビデオやエロ同人で培ってきた知識を今こそアウトプットすべく、キョンシーの肩に手をかけた。
     腐臭が漂う。夏場に三角コーナーで放置した生ゴミなんて生易しいものではない、もっと大きな肉の塊が腐ったら出るんじゃないかという臭いが鼻どころか喉までもを刺す。これだけ酷いのだから周囲も反応しそうなものだが、俺以外の誰も、鼻をつまんでいないし咳込んでもいない。
    「キョンシーと仲良くなりたいか それならお前もキョンシーになるといい」
     裏路地に連れ込む予定だったキョンシーは振り向いていない。抑揚のない声をかけてきたのは、中学生キョンシーの肩に顎を乗せてこちらを見つめる別のキョンシー。
     血で書かれたような札の字が滲んでいるという相違点はあれど、帽子は、こちらに伸びてきた袖は、さっき見たのと全く同じもの。微動だにしない光のない目で見据えられた途端、全身の関節が固まったように動けなくなる。
     広い裾から、指のいくつかが反対方向に折れ曲がっている手が出てきた。痛ましさに顔を背けたくなるが、腕を掴んできたそのあまりの冷たさに凍ってしまったみたいに首を回すことすらできない。
     冷気すら放つ青白い肌には生気など感じられないが、深い青の髪だけはいやに鮮やかだ。
     札の向こうにある眼とずっと目が合っている気がしてならない。
    「死にながら生きる屍になったとしても俺の――と仲良くなれると思うなよ」
     合成音声ソフトに細かい指示を与えず読み上げさせたみたいに良く言えば聴き取りやすくもある平坦な声だが、一部分、複数人が一斉に喋ったようにノイズが重なって聴き取れなかった。
     大きく、口の端が裂けるほどに開かれる。ぶちりぶちりと実際には鳴っていないはずの音が聴こえてくる気がしてくるが、そこから血の一滴も溢れてはこなかった。
     目を覆いたくなる口元へと手を引かれる。ゾンビ映画なんかに出てくるバケモノみたいにやたらめったらでたらめに牙が伸びて……は、いなかった。皮膚を突き破れそうな犬歯を除けば実にヒトらしい歯並びであり、キョンシーの存在に妙な説得力を持たせた。手の甲にかかる吐息は、内臓が腐っているのか酷い臭いがし、そしてなにより冷たく――
    「一星くん! あぁ、見つかってよかった。探したよ」
     声のした方へと首を回すと珊瑚色頭の吸血鬼と思しき仮装をした少年がいた。
     一星くんと呼ばれたコスプレキョンシーもそちらに顔を向ける。一言二言、言葉を交わすと二人は人混みの中に紛れていく。
     キョンシーに掴まれたかに思われた手首には、氷を直接押し付けられたような冷たさばかりが残された。
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    DOODLEキョンシーコス一星を見て思いついたものその2。その1とは繋がりがありそうな無さそうな。アレオリ時空的にあの世界でイナズマジャパンのグッズ販売してそうという思いつきその2。画像をズームして見ただけなので実際のものと書いたの違ってるだろうなぁ……
    コスプレキョンシー、ほんものキョンシー 街明かりへと向かう仮装行列が夜の公園を通りがかっても、今夜に限っては誰ひとりとしてそれに奇異の目を向けることはない。洋風に偏ったモンスターの装いに、日本の侘び寂びを体現した秋の虫の声はどうにも似つかわしくないようではあるが。
    「その格好、寒くない?」
     王帝月ノ宮サッカー部による仮装行列を先導していた野坂から不意にそんな言葉が出る。
    「……ちょっと肌寒いです」
     答えたのは、そのすぐ後ろをついて行っていた一星である。古い時代の中国の官僚が被っていそうな帽子には、呪言に見せかけて自分の名を書いた札があり。詰まった首元、手を隠して垂れ下がる袖。それだけを見れば暖かそうなものだが、下半身へと視線を下っていけば膨らんだシルエットのズボンの裾は膝よりも上にある。靴も地面を踏む足をすっぽり隠すだけであり、脚の半分以上が秋の夜風に晒されている状態だ。
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    DOODLEキョンシーコス一星を見て思いついたものその1。アレオリ時空的にスポンサー契約やらなんやらで広告塔的な役割ある=グッズとか販売してそうという安易な思いつきその1
    ハロウィンフェスとキョンシー ハロウィンフェスとは名ばかりに、制服として支給されたと思しいパーティーグッズをつけた店員と僕たちを除けば、ショッピングモールの中で仮装している人というのはほとんどいない。

    「まあ、そうですよね……まだ昼に近い夕方だし、それにハロウィンは何日も先なんですから」

     一星くんは指先まで覆い尽くす袖をだらんと垂らす。膝上丈のズボンから露出した脚を少しでも隠そうとしているかのようにも見える。秋に向けて肌を隠す服装へと移ろいゆく季節的に、待ちきれずに浮かれきっているようにしか思えない服装に、目を引くのも仕方ないことだろう。
     それもそのはず、少し気が早いと一笑するには、ハロウィンに合わせて売り出されるグッズの撮影用衣装は手が込みすぎていた。僕は吸血鬼、一星くんはキョンシー。良くできていたものだから撮影が終われば用済みというのはもったいない気がして、撮影終わりそのままの格好で外に出てきたが、衣装を貰ってハロウィン当日に着るべきだったかと少しばかり悔やまれる。
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