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    イズ@sura

    @sura_yume

    引っ越し作業中(2022.4)

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    イズ@sura

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    葬炎「クリスマスの後で」

    クリスマスの翌日12月26日の朝、寝ていた炎客はイグゼキュターに起こされる。
    彼は炎客に渡したいものがあるようだが……


    クリスマスなので仲のいい二人が見たかった……🤦

    #葬炎
    buryingitis
    #小説
    novel
    #アークナイツ
    arkKnights
    ##葬炎

    葬炎「クリスマスの後で」
      



    「炎客、起きてください」

     なかなか目を覚まさない炎客の体を、イグゼキュターは優しく揺すった。

    「……ん?」

     イグゼキュターが再び体を揺らすと、炎客はゆっくりと目を開けた。
     そして、彼の顔を覗き込むイグゼキュターの整った綺麗な顔を眠そうな目で見上げる。

     晴れた日の空。
     水色よりもさらに薄い澄んだ色の瞳が、炎客の顔を映し出していた。

     炎客は声を出そうとして顔をしかめる。
     彼の声は嗄れていて、いつものように話すことができなかった。
     昨日の行為で声を出しすぎたせいだろうと、ため息をつく。
     いつものように話すのをあきらめた炎客は、小声でささやくようにイグゼキュターへ声をかけた。

    「……どうした?」
    「サンタクロースが来ました」
    「は?」
    「サンタクロースが来ました」
    「違う。聞こえなかったわけじゃない。そのサンタクロースっていうのは……」

     炎客が気だるい体を起こしてイグゼキュターを見ると、彼は白いファーやボンボンがあしらわれた赤い上下の衣装……いわゆるサンタクロースの格好をしていた。
     サンクタなのでさすがに帽子は被ってはいなかったが。

     生真面目な男が仮装している姿に驚き、炎客は思わずじっと凝視せずにはいられなかった。

     そして、イグゼキュターがベッドの脇にあるサイドテーブルをチラチラと見ていることに気づき、 炎客は眉をひそめてサイドテーブルの上を見た。

     そこには、履くには大きすぎる赤い靴下が一足。
     しかも、中に何かが入っているかのように、その靴下は膨らんでいた。

    「……それはなんだ……?」
    「サンタクロースが来ました」
    「…………」

     壊れたラジオのように同じセリフを繰り返すイグゼキュター。

     炎客は寝起きなのと、昨夜の疲れが残って回転の鈍い頭を抱え、イグゼキュターの意図を汲み取ろうと必死に思考する。

    「つまり……この靴下の中を見ればいいのか?」

     炎客の答えが正解だったようで、イグゼキュターの目が輝く。
     口で言えばいいものを、と思いながら赤い靴下を手に取った炎客は、中身を取り出した。

     靴下の中には包装された1枚の白いセーター。
     それは見覚えのあるものだった。

     先日、イグゼキュターと出掛けた時に寄った店で、炎客が最も心惹かれた1枚だ。

    「このセーターを見ている時だけ、貴方はとても真剣な顔をしていました。ですから、私は貴方にとってこのセーターが好ましいものであると判断したのですが……間違っていましたか?」

    「いや、確かに一番肌触りが好みで気にはなっていた」

     炎客は、自分で着ようとはせず、白いセーターをイグゼキュターの体に当てる。

    「お前に似合いそうだなと思ってな」
    「私に?」
    「ああ、それに……」
    「それに?」
    「その肌触りのいいセーターを来たお前に抱きついたら、気持ち良さそうだと思っ」

     イグゼキュターは無言で炎客の手を掴むと、片膝をベッドについて、彼の体を抱き寄せた。
     いきなり体を引かれた炎は言葉を詰まらせて、抵抗する間もなくイグゼキュターの胸に顔を押しつけられる。

    「炎客……私は、色々な感情を教えてくれる貴方にお返しがしたいのに……なぜあなたはいつも私が渡そうとする以上のものを、与えてくださるのですか?」

     イグゼキュターは炎客の頭を大事そうに抱え、その頭頂部に顔を伏せると声を震わせた。

    「私は貴方のことを思うと、とても胸が苦しくなってたまらない気持ちになります……」

     炎客は目を細めて笑むと、なにも言わずにただイグゼキュターの背中をポンポンと優しく叩いた。

    ※※※

    「そういえば、どうして赤い靴下なんだ?」
    「クリスマスではこうすることがしきたりだと、セーターを買った店の店員が言っていました」
    「……その赤い服も?」
    「この赤い装束を来てプレゼントを赤い靴下に入れて枕元に置いておくものだと教えられました」
    「……その赤い服やら靴下はどこで買ったんだ?」
    「? セーターを買った店です」
    「…………イグゼキュター」
    「はい、なんでしょうか」
    「今度から買い物する時は俺も連れていけ」

     イグゼキュターを一人で店に行かせるのは、鴨がネギを背負ってくるのと同じだなと炎客は思った。
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    イズ@sura

    MOURNING博炎|モーニングコール

    基本クールで淡々とした接し方をしてくる炎が、不意にデレて優しくしてくれたりするので博はとても嬉しいと思っている。


    ※きょうの炎くん(炎くんの日常を眺めるだけの短文小話)
     炎客の朝は早い。
     ロドス外での勤務日以外、ロドス内食堂の営業開始時間(朝食提供開始時間)の2時間前には起床し、水を飲んでトレーニング室へ。しっかり最低一時間は身体を動かした後、自室に戻ってシャワーを浴びる。もちろんトレーニング室にもシャワー室はあるが、炎客がトレーニングを終える頃に混雑し始めるため、部屋で入る派だ。そして、食堂で朝食をとって出勤する。それが朝の日課だ。
     
    「おい、起きろ」
     本日も日課をこなして身支度を整え、あとは食堂へ行くだけとなった炎客は、己の寝台の前で仁王立ちしていた。
     そこには、人ひとり分の大きな布団の膨らみがひとつ。枕元にはタブレット端末。床にはナイロン製の白衣とロドスジャンパー、ズボンが脱ぎ捨てられている。
     昨夜、部屋に乗り込んできた不届き者へ冷たい目を向けながら、炎客は眉間にしわを寄せた。
     寝台を占拠している布団の膨らみは、炎客が起床してから現在に至るまで微動だにしていない。この膨らみが素直に起きてくることは稀なので、予想の範囲内だ。だが、護衛兼秘書という役回り上、起床を促す役が回ってくることも多い炎客は、この作戦行動のない日の朝のぐだぐだ具合 1450

    イズ@sura

    MAIKING葬炎で触手ちゃん。
    おしりたたき進捗あげ。
    ざっくり最後まで書いてあって、肉付け作業を始めたところです……
    書き終わるころには触手フェスティバルが終わってしまう~(泣)

    この後、触手ちゃんが炎くんにいたずらしに来ます
    二人の間に割り込む触手ちゃん!果たして触手ちゃんは炎くんの心をゲットできるのか!?
    R-18葬炎(予定)




    「人を襲う力を持った動くツルだって?」

     作戦が終了し、指揮車両の中で座席を倒して横になったドクターは、ホットアイマスクをしてくつろぎながらイグゼキュターの報告を聞いていた。だが、ある部分を聞きとがめると、ホットアイマスクを指でずり下げながら、怪訝そうな顔でイグゼキュターを見上げる。
     作戦の顛末を報告していたイグゼキュターは静かに首肯する。彼もつい先ほど作戦を終えたばかりのはずだが、その立ち姿に疲れは見えない。
     ホットアイマスクを外して座席に座り直したドクターに話の続きを促され、イグゼキュターは先ほどまでの任務を思い返しながら口を開いた。

    「はい。逃亡を図ろうとした残党を町はずれの廃屋まで追い詰めたのですが、そこに逃げ込もうとしたターゲットが捕食されました」
    「ほ、捕食……? え、相手は植物だよね?」
    「おそらくは。その廃屋はツルに囲まれていたのですが、残党が近づいた瞬間、その身体にツルが絡みついて、廃屋の内部へ引きずり込まれていきました」
    「ひぇ……なにそのホラー展開」
    「救助しようとして外壁のツルを排除したのですが、廃屋の内壁もうごめくツルで囲 3891

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