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    イズ@sura

    @sura_yume

    引っ越し作業中(2022.4)

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    イズ@sura

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    葬炎で触手ちゃん。
    おしりたたき進捗あげ。
    ざっくり最後まで書いてあって、肉付け作業を始めたところです……
    書き終わるころには触手フェスティバルが終わってしまう~(泣)

    この後、触手ちゃんが炎くんにいたずらしに来ます
    二人の間に割り込む触手ちゃん!果たして触手ちゃんは炎くんの心をゲットできるのか!?

    #葬炎
    buryingitis
    ##かきかけ

    R-18葬炎(予定)




    「人を襲う力を持った動くツルだって?」

     作戦が終了し、指揮車両の中で座席を倒して横になったドクターは、ホットアイマスクをしてくつろぎながらイグゼキュターの報告を聞いていた。だが、ある部分を聞きとがめると、ホットアイマスクを指でずり下げながら、怪訝そうな顔でイグゼキュターを見上げる。
     作戦の顛末を報告していたイグゼキュターは静かに首肯する。彼もつい先ほど作戦を終えたばかりのはずだが、その立ち姿に疲れは見えない。
     ホットアイマスクを外して座席に座り直したドクターに話の続きを促され、イグゼキュターは先ほどまでの任務を思い返しながら口を開いた。

    「はい。逃亡を図ろうとした残党を町はずれの廃屋まで追い詰めたのですが、そこに逃げ込もうとしたターゲットが捕食されました」
    「ほ、捕食……? え、相手は植物だよね?」
    「おそらくは。その廃屋はツルに囲まれていたのですが、残党が近づいた瞬間、その身体にツルが絡みついて、廃屋の内部へ引きずり込まれていきました」
    「ひぇ……なにそのホラー展開」
    「救助しようとして外壁のツルを排除したのですが、廃屋の内壁もうごめくツルで囲まれており、外から見えていたのは全体の一部分のようです。このまま突入してもこちらが捕まるリスクが高いため、見張りを置いてドクターに指示を仰ごうとした矢先、残党の一人がなぜか吐き出されるように外に出てきまして、即確保したのですが……………」

     すらすらと話していたイグゼキュターがぴたりと口を閉ざし、じっとドクターを見る。
     その様子を炎客が見れば「黙りこくって何を悩んでいるんだ?」と呆れながら声をかけるところだが、ドクターには分からない。温度のないアイスブルーの瞳にじっと見つめられて、車内が暑いわけでもないのに、たらり、とドクターの額に汗が一筋流れた。

    「え、待って、その沈黙なに? こわいんだけど? 実はツルが食人植物で、モグモグされた残党がゾンビみたいに徘徊してた……とかじゃない、よ、ね……?」

     ここだけの話、ドクターはホラー映画が苦手である。
     戦場に身を置き、ホラー映画以上に凄惨な場面も見てきたドクターだが、それとこれとは話は別だと訴える。また、急に現れたり消えたりするオペレーターに驚きもしないのに、幽霊も駄目らしい。

    「申し訳ありません。あの惨状をどうお伝えすればいいか悩んでいました。分かりやすくドクターのお言葉を引用させていただくのであれば、残党はモグモグされて快楽堕ちした後に苗床にされていました」
    「うわぁ……」
    「医療部が回収して治療を試みたところ、膨れた腹部から種子も見つかっています。苗床にされる過程で心身ともに壊れてしまっていて、もはや正気に戻ることはないだろうと話していました」
    「……ひぃ」

    顔を引きつらせるドクターとは対照的に、冷静沈着な表情を崩さないまま淡々と報告するイグゼキュターは、足元に置いていた鞄から一通の手紙を取り出してドクターの眼前に差し出した。

    「廃屋へ近づかないよう町へ伝えた所、住人が犠牲となる前に駆除してほしいとロドスへの依頼書を預かっております。本来ならロドス号へ帰還して事務方に渡してからドクターのお手元に届くものではありますが、緊急性が高いと判断し、直接お持ちしました。どうぞご確認を」

     決まり事を順守することに定評のあるイグゼキュターが、緊急性が高いからときまりを破って差し出した手紙を受け取り、ドクターはちらりとその顔を伺う。
     無表情なので感情を読みずらいが、どこかいつもと違う雰囲気を感じて、ドクターは手紙の封を破りながら戯れのつもりで声をかけた。

    「規則を守ることを大事にする君が珍しいね。何か理由でも?」
    「いえ、特には……」

     そのまま口を結んでしまったイグゼキュターを横目で見ながら、顔でにこにこ、心でにやにやしながら、ドクターは続ける。

    「殲滅するなら植物特攻のあるオペレーターを招集して一気に叩くことになるだろうね。中でも火が使えるオペレーターは最優先で呼び寄せることになる」

    ブン! とイグゼキュターの背後で尻尾が勢い良く降られる幻影を、ドクターは見た。
     オペレーターがどの作戦に参加しているのか把握しているドクターは知っている。現在、イグゼキュターがご執心の炎客は別の作戦メンバーに入っており、ここにはいない。
    ドクターの秘書をしているイグゼキュターは、自動的にドクターの指揮する作戦に参加することになっているが、炎客は違う。お互いが違う作戦に参加しているため、片方が帰ってきた頃、片方が出発するといったすれ違い生活となってもうすぐ一週間だ。
    ここに炎客を呼び寄せられれば久しぶりにゆっくり顔を合わせられる上に一緒に仕事ができて、イグゼキュターにとって一石二鳥だろうなと思いを巡らせながら依頼書を読み終えると、ドクターは子犬を見守る母親のような微笑みを浮かべ、コンソールパネルを操作してロドス号への通信を開いた。

    『もしもし、ロドス? 私だよ、私わたし』


    ※※※


     数日後。
    ツルに覆われた建物へ、それぞれバディを組んだロドスのオペレーターたちが突入していく。
     火、氷などの対植物特攻を持ったオペレーターたちを集めた特殊チームだ。
     
    侵入者に気づいたツルが、緑色の身体をうねらせてオペレーターへ迫るが、危うげなくあっさりと切断し、アーツで燃やし、凍らせ……と各自その脅威を排除していった。

    その中の一組、サンクタの男とバディを組んだサルカズの男は、廊下のツルを掃除しながら割り当てられた部屋の前に到着すると、少し遅れて合流した相方へアイコンタクトをとる。そして、一気にドアを蹴破って侵入した。

    すぐさま、部屋の内部からに伸びてきたツルを一刀両断して叩き落す。
    裂かれたツルからピシャリと緑色の液体が飛び散り、鉱石の表出する頬を濡らした。
    植物にしては甘いにおいと粘度を持ってヌルつく液体に、顔をしかめる。

    剣に炎をまとわせると、ジュッと音を立てて剣に付着していた緑色の液体が燃やされ蒸発して消えていく。
    そのまま部屋の中央で苔玉のように丸くなりながらうごめく、ツルの集合体らしい物体へ一息に距離をつめると、迷うことなく剣を突き立てた。同時にアーツを開放し、生まれた炎が苔玉を包みこむ。

    炎が部屋の空気を動かして風を生み、舞い上がる風にあおられて、男の黒髪が揺れた。
    火花を散らしながら燃え盛る炎が、周囲を油断なく警戒する琥珀色の瞳をオレンジ色に染める。

    汗一つかくことなく、駆除をこなしたサルカズの男はツルを切り払いながら部屋を見回り、燃え落ちたツルを踏みつけて必要のなくなった火を靴で踏みつけて消しながら、苔玉が炭になり動かなくなるまで確認したところで背後を振り返った。

    「終わった」
    「お疲れさまでした、炎客」

    ドアの前には、両手に水の入ったバケツを持ったサンクタの男・イグゼキュターがすでに準備万端整えて立っていた。部屋内の駆除が終わっていそいそと入室するイグゼキュターに、炎客は何とも言えない顔をする。
    普段は銃を持つ手にバケツを持たされているというのに嫌な顔ひとつせず、さらにその背中には水を貯蔵する持ち運び用のタンクがくくりつけられていた。

    「どうして背中にホース付きの水タンクを背負っているのに、バケツを持たされているんだ、お前は?」
    「? 消火活動ではこれが基本だとドクターから渡されたのですが、違うのですか?」
    「イグゼキュター……ドクターの秘書を続けるなら、いちいちあいつの言葉を真に受けるな。からかわれていることに気づけ」
    「からかわ……なるほど。いざという時には投げられる便利な道具だと思っていました。教えて下さってありがとうございます、炎客」
    「はぁ……貸せ」

    あきれ顔でため息をついた炎客は、大股でイグゼキュターに近づくと、片方のバケツを奪ってその隣に並び、いまだくすぶる苔玉へ水をかける。
    イグゼキュターはお礼を言って炎客からバケツを受け取ると、背中のホースからバケツへ新たに水を満たし始める。水が満ちたバケツを持とうとする炎客の手をつかみ、やんわりと止める。

    「休んでいてください、炎客。今回の役割は貴方が駆除、私はフォローですから。一応銃器類は持っていますし、徒手でツル駆除はできますので、疲れたら言ってください」

     無表情のまま手早く鎮火活動をしているイグゼキュターを眺めていた炎客だったが、ひとつ息を吐くと邪魔にならないよう彼の背後に移動した。周囲を油断なく警戒しながら、なぜだか嬉しそうな雰囲気を醸し出しているイグゼキュターの背中に尋ねる。

    「……どうしてこんな面白みもない草刈りにわざわざついて来たんだ? バケツを持たされた上に仕事は水まき役、お前はそれでいいのか?」
    「屋内で火を扱う以上、後始末は大事な仕事ですから特に不満はありません。それに、」

    イグゼキュターは立ち上がると、炎客へ身体を向けた。小首をかしげるようにして炎客の顔をのぞきこみながら、己の袖で炎客の頬に付着していた緑色の液体を優しい手つきでぬぐう。

    「こんなことを言っては怒られるでしょうが……、私は貴方とバディを組んで共に仕事ができる今回の任務がずっと続けばいいのにと思っています」
    「っ、……物好きなことだ」

    炎客を見つめるスカイブルーの瞳が優しく細められたのを見て、炎客はふいっと視線をそらした。
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    イズ@sura

    MOURNING博炎|モーニングコール

    基本クールで淡々とした接し方をしてくる炎が、不意にデレて優しくしてくれたりするので博はとても嬉しいと思っている。


    ※きょうの炎くん(炎くんの日常を眺めるだけの短文小話)
     炎客の朝は早い。
     ロドス外での勤務日以外、ロドス内食堂の営業開始時間(朝食提供開始時間)の2時間前には起床し、水を飲んでトレーニング室へ。しっかり最低一時間は身体を動かした後、自室に戻ってシャワーを浴びる。もちろんトレーニング室にもシャワー室はあるが、炎客がトレーニングを終える頃に混雑し始めるため、部屋で入る派だ。そして、食堂で朝食をとって出勤する。それが朝の日課だ。
     
    「おい、起きろ」
     本日も日課をこなして身支度を整え、あとは食堂へ行くだけとなった炎客は、己の寝台の前で仁王立ちしていた。
     そこには、人ひとり分の大きな布団の膨らみがひとつ。枕元にはタブレット端末。床にはナイロン製の白衣とロドスジャンパー、ズボンが脱ぎ捨てられている。
     昨夜、部屋に乗り込んできた不届き者へ冷たい目を向けながら、炎客は眉間にしわを寄せた。
     寝台を占拠している布団の膨らみは、炎客が起床してから現在に至るまで微動だにしていない。この膨らみが素直に起きてくることは稀なので、予想の範囲内だ。だが、護衛兼秘書という役回り上、起床を促す役が回ってくることも多い炎客は、この作戦行動のない日の朝のぐだぐだ具合 1450

    イズ@sura

    MAIKING葬炎で触手ちゃん。
    おしりたたき進捗あげ。
    ざっくり最後まで書いてあって、肉付け作業を始めたところです……
    書き終わるころには触手フェスティバルが終わってしまう~(泣)

    この後、触手ちゃんが炎くんにいたずらしに来ます
    二人の間に割り込む触手ちゃん!果たして触手ちゃんは炎くんの心をゲットできるのか!?
    R-18葬炎(予定)




    「人を襲う力を持った動くツルだって?」

     作戦が終了し、指揮車両の中で座席を倒して横になったドクターは、ホットアイマスクをしてくつろぎながらイグゼキュターの報告を聞いていた。だが、ある部分を聞きとがめると、ホットアイマスクを指でずり下げながら、怪訝そうな顔でイグゼキュターを見上げる。
     作戦の顛末を報告していたイグゼキュターは静かに首肯する。彼もつい先ほど作戦を終えたばかりのはずだが、その立ち姿に疲れは見えない。
     ホットアイマスクを外して座席に座り直したドクターに話の続きを促され、イグゼキュターは先ほどまでの任務を思い返しながら口を開いた。

    「はい。逃亡を図ろうとした残党を町はずれの廃屋まで追い詰めたのですが、そこに逃げ込もうとしたターゲットが捕食されました」
    「ほ、捕食……? え、相手は植物だよね?」
    「おそらくは。その廃屋はツルに囲まれていたのですが、残党が近づいた瞬間、その身体にツルが絡みついて、廃屋の内部へ引きずり込まれていきました」
    「ひぇ……なにそのホラー展開」
    「救助しようとして外壁のツルを排除したのですが、廃屋の内壁もうごめくツルで囲 3891

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