メイドパロ「君たちの目的は?」
少年が問いかける。
美しい銀糸の髪が散らばり、小綺麗な服は薄く汚れてしまっている。
両手を後ろで縛られて転がされているというのに、それを気にしていない様子を見せた少年に男達は戸惑った。戸惑う、というよりは気味悪がったと言った方が正しいのだろう。
「お前、この状況を分かっているのか?」
「君たちに捕らえられている、というのは理解しているつもりだが目的が理解出来ないゆえ……」
転がったまま首を傾げる少年に男の顔が引きつる。
少年の表情に怯えも恐怖も無く、純粋な問いかけは少し異常だ。年端もいかない少年にしては酷く落ち着いている。例え慣れていたとしても、こんなにも死に怯えない事があるだろうか。男の手には拳銃が握られているし、狭い部屋の入り口に立つ男の腰にはナイフが携えられている。いつ殺されるかも分からない状況の筈なのに、この子供は一体全体どうしてこんなに平然で居られる?
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