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    suika_disuki

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    suika_disuki

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    ハィ谷兄弟×🎍のはなし

    プロット?

    どっかの飼い猫 今日も年下店長にこっ酷く怒られクタクタだった。路駐の高級車に引っかき傷をうまくつけ憂さ晴らし。
     だれが見えも金無、冴えない男。コンビニで飯でも買って帰るか、スーパーの半額惣菜か……そう考えながら歩いているとフラリと出てきた細長い影が2つ。
     暗い夜道には些か明るい配色の服装が目に付き、目を向けると三編みの少女とオダンゴに結んだ少年。それだけならばスルーしたが、返り血と顔を腫らしている姿にギョッとする。
     こういう立地。少女や少年でも裏にヤクザが関わっていることが多い。余計なことはするな、止めておけ、関わってどうする。そんな言葉が頭に浮かぶ。
    「ねぇ、君たち怪我してるけど大丈夫?!」
     辞めろと警告があるのに、止められなかった。
     こちらを見た2人の眼は実に加虐的。
    「こんな弱そうなのアイツら寄越したんだ?」
    「アイツらのパシリにしちゃしょぼくね?」
     オダンゴの少年は敵意をむき出しに、三編みの少女改め少年は値踏みするような視線でこちらを見た。
    「うっ……ごっごめんなさい……! 怪我してるようだったので……、失礼します!!」
     その鋭い眼光は、東京の夜に相応しい色をしている。
     幾つかわからないが、線の細さから10代だろう。そんな年下なのに恥ずかしげも無く頭を下げる。さ、ダッシュで逃げるか! と覚悟を決め、二人の間に体当りする勢いで走り出す瞬間。腕を左右から掴まれた。
    「お前、わかってんじゃん」
    「身の振り方わかってるやつは嫌いじゃねーよな、竜胆」
     その声色は昔に何度も聞いた強者のそれ。横目で見た顔は、新しい玩具を見つけた猫のような無邪気な残酷さすら浮かんでいる。
    「かっ……勘弁してくだい……!! 金なら、金なら少ししかないですがあります……!! これで許してください……!!」
     慌ててカバンから財布を取り出し、有り金の数万を三編みに押し付ける。オダンゴと目配せして、ニヤリと笑った。
    「うっせーよ。お前ん家に連れてけ。声かけて連れてくつもりだったんだろ? 変態ロリコン親父」
    「ついてってやるんだからうれしーだろ?」
    「っ……あのっ……そのっ……!!」
     モダモダしてると握られた両腕がギリギリ絞まる。暴力を過去に経験しいる俺はその後、どうなるかは想像に容易く体が震えた。
     選択肢なんて、1つしかない。
    「こっ……こっちです……」
    「お前、わかってんね。俺らお前みたいな奴嫌いじゃねぇ。な? 兄貴」
    「そーそー、わかってんね。腹減ってるし、なんか買って来いよ。俺らこんな姿じゃ店は入れねーから困ってたんだよ」
    「う、ウッス!!」
     コンビニで適当におにぎりやカップ麺を買い、家に連れて帰る。
    「うっわ! きたねー!」
    「せっま!!!」
    「す……すみません……」
     そうして、連れ帰った二匹の仔猫と言うにはあまりにも凶悪な蘭くんと竜胆くんとの出会いだった。



     仕事が終わり裏口から表に出るとしゃがんでタバコを吸っている蘭くんが今日もいる。未成年だし止めた方が良いと言ったが聞かない。
    「おっせぇよ、タケミチ。蘭ちゃん待ちくたびれたぁ」
    「ごめんね蘭くん……。でも、迎えに来なくていいよ……?」
    「はぁ? 蘭ちゃんにお迎え来てもらって、文句言うのかよ?」
    「ちっ、ちがっ……! 待たせたら悪いし……変な人に声掛けられて……危ないから……」 
     声をかけた人が、という言葉を飲み込み、顔を顰めた蘭に言い訳をする。
    「蘭ちゃんの心配してくれるの? タケミチやっさしぃ〜!! 蘭ちゃんは強いから大丈夫だよ♡ 今夜はハンバーグ食べたい」
    「竜胆くんは? あのお店混んでるかなぁ?」
     ハンバーグならあのお店だな、と思いつく。でも週末の今日は混んでるはずだ。蘭は待たされるのが嫌いだ。竜胆が来るのを待ったとしても、それ以上の時間がかかる。
    「違う。タケミチが作ったやつ。竜胆は家に置いてきた」
     腕に抱きつく姿は正直カワイイ。少年と青年の中間、中性的な蘭も竜胆もこの数週間で大分と甘えてくるようになった。
    「えぇっ、今から作るの? 作ったことないし、時間かかるよ……」
    「お前が作ったやつしか食べたくねぇ!!」
    「はぁ……、竜胆くんも待ってるから、早く買い物して帰ろうか」
     ニコニコ笑顔の蘭に手を握られスーパーへ向かった。
     最近二人分の食費がかさみ、家計が苦しい。やんわりと家に帰らないのか聞けば帰らないと言われ、何がどう気に入ったのか家にずっと居座っている。
     連れ帰ったその日、ボコられるのかと思ったが不味いと言いながら買い与えた食事を腹に入れ、与えた服をダサいと散々悪く言ったが着て、布団の寝心地が悪いと文句を言われ寝床まで占領された。
     見るからに高級感のある服を洗い、翌日には出ていってもらう、もしくは寝ている間に家の金目の物すべて持ち出さられるのかな? そんなことを考えながら、冷たい床で眠った。
     突然体を揺すられ目を覚ます。
    「飯」
    「腹減った」
     寝ぼけ、硬い床で疲れ取れてない体を起こす。
    「……、めだまやきと、ご飯……今から炊くんで1時間以上かかりますが、いいっすか……?」
     そうか、昨日何処かのお猫様を連れ帰ったのか、と思い出し眠い目を擦りお伺いをたてる。
    「半熟!」
    「両面焼き!」
    「はい……。えっと、服、まだ乾いてないと思うんで、後で届けるから住所教えて欲しいです」
     早く帰って欲しい、そんな雰囲気を出すが全くの無視である。
    「風呂行ってくる〜」
    「兄貴おっせぇから俺が先!」
    「俺が先に決めたから竜胆は後!!」
     目元と輪郭から兄弟と予測した2人は仲良く兄弟喧嘩している。
    「……タオル……出しますね……」
     結局、蘭が先に風呂に向かい、竜胆はブツブツ怒っている。
    「ここの部屋風呂狭! あと汚ぇ」
    「ごめんなさい……」
     辛辣だ。汚い、狭い、不味い、ダサいしか言われてない気がする。
    「えー、なんか入りたくねぇ」
    「シャンプーも、ギシギシするしトリートメントとかねぇ。ドライヤー、髪乾かして」
     服も見た目も高級と思っていたが、本当におぼっちゃま育ちなのだろう。
    「ドライヤー?! えっと……探すから待ってね」
     荷物を漁るとしばらく使ってないドライヤーが出てきて言われた通り素直に乾かす。
    「熱い。引っ張んな痛てぇ、お前、下手くそー」
    「……ごめん……やったことないから……」
     怒られ軽く手を叩かれる。長い髪なんて生まれて初めて乾かしたのだから許して欲しい。こんなガキに、という気持ちはあるが、暴力から逃げた身。彼らの暴力性を何となく感じて、昔と同じ奴隷根性が顔を出している。
    「兄貴マジで狭かったし。俺も乾かして」
     髪を下ろした弟もとても顔がいい。当たり前のように待機している彼も乾かしてやると同じように下手くそ、熱いと怒られたが最後にありがとうを言えたのでチョットだけ可愛いやつと思った。
     その後ご飯を食べさせ、もう仕事の時間。
    「あの……、俺仕事なので勝手に帰ってもらっていいですか……? 鍵はスペアで閉めてポストに入れててください……」
     盗まれる物は……ある。あるが通帳は暗証番号は分からないし、実印はこっそりカバンに入れた。
     電化製品を持ち出されると痛いが背に腹はかえられない。遅刻したら年下店長に何を言われるやら。
     そうして、出かけてやっと全て終わったと家に帰って鍵を回すと手応えが無い。
     あんのクソガキィー! 鍵ぐらい閉めて出ろやぁー!! そんな怒りに任せドアを開けて驚愕する。
    「お、帰ってきた。腹減った」
    「昼からなんも食ってねぇ。飯! 俺らいるのになんで作りに帰って来ねぇの? 飢え死にさせる気かよ」
    「えぇぇ!? なんで帰ってないのぉー?!」
    「「帰るなんて言ってねぇ」」
     そうして、謎の同居が始まった。
     作ったご飯は基本不味いとしか言われない。これは自炊しなかったから仕方ない。カップ麺やスーパー、コンビニ弁当も続くと飽きた、もう食べない! と怒りだす。
     食費のやりくりも正直苦しい。高級取りではないので育ち盛りの食事費を簡単には賄えない。それでも、2人して無理に聞き出してきた職場前に出待ちされたり、買い物に着いて来られたり、髪を乾かしてと甘える姿は子供って可愛いと感じさせ、簡単に絆された。
     野良猫が懐く感覚はこれだろう。
     リクエストのハンバーグの材料を買って帰ると完全に拗ねた竜胆が部屋に座っている。「お留守番ありがとうね」と頭を撫でると腰に抱きつきムッとしている。
     ひっつき虫をくっつけ、ネット検索したレシピを必死に作った。できたハンバーグは固くてパサパサ。レシピ通りだけど難しい。2人からは案の定肉が臭くて不味いと言われた。それでも米をお代わりし食べきってくれるのでカワイイ。
    「はぁ……」
    「何タケミチ。デカイため息。もしかして恋?」
    「俺らのこと好きになっちゃったんだ♡」
     頭をグリグリ顔に押し付ける2人の髪をポンポン撫で、通帳を眺める。少ない貯金の残高がどんどん減っていく。
    「……違うよ。食費の事考えてるんだよ……。2人ともいつまでいるつもり……?」
     あと、光熱水費。
     3人暮しは今までの倍以上かかる。何より、この兄弟朝晩は必ずシャワーを浴び、一日中部屋にいて電気を食っている。やめて欲しいが寒い、暑いという思いはして欲しくない。お猫様のドレイという言葉があるが、それになってしまっている自覚がある。
    「違うとか言うなバカミチ。なに、出てって欲しいの……?」
     竜胆がまたムーっと頬を膨らませた。
    「2人の事は好きだけど、お金を湯水の如く使うのは好きじゃない……。俺の給料じゃきついんだよ! 一体……何を切り詰めたらいいんだろ……?!」
     2人に働けなんて言えない。
    「俺らの事好きなんだ! 俺と竜胆どっちが好き?」
    「タケミチは意地悪な兄貴より俺の方が好きだよな?」
    「はぁ? カマトト竜胆やんのか」
    「うっせぇ蘭、ぶっ殺す!」
    「はい! ストップ! 2人とも比べられないくらい好きっすよ」
     慌てて止めに入る。この2人、仲がいいが喧嘩は激しい。1度家に帰ったらお互い鼻血を流し、顔を腫らし、服は伸び伸びのビリビリ、壁に風穴が2箇所空いていた。賃貸なのに! ボロアパートだけどこういうのの修繕費! 保証!! そんな言葉で頭がいっぱいになる。「2人とも! この部屋で暴力禁止!! 次したら……もうご飯作らないから!!!」ここに来て初めて2人をきつく叱った。効力があるかないかは未だ不明。でも風穴はそれ以降空いてない。
     喧嘩の理由はどっちが先にするかで揉めたらしい。何を先にするかは知らないが、そんな些細なことで流血になってしまうのだから恐ろしい兄弟だ。
    「タケミチずりぃ~。蘭ちゃんの方が好き♡って言って」
    「俺の方が家事も手伝ってるからリンくんの方がいい子で大好きって言って!」
    「あーはいはい、好き好き、2人とも可愛い可愛いですね~!」
     2人まとめて抱きしめ頭をぐしゃぐしゃにしてやる。
    「やめろ! ガキ扱いすんな!」
    「適当にいうな!!」
     そう言いながらも腕から逃れないのだから可愛い。弟がいたらこういう感じだろうか。この2人の腹を満たすため、唯一の楽しみ酒を断つ決心をする。
     風呂から上がった2人の髪を乾かすのも慣れたものだ。就寝の準備を終え、布団に入る。初めは11時に寝るのは早い! と文句を言っていたが、なんだかんだ一緒に眠る2人だ。
     夜中どのかに行けばいいのに、とこぼすとダサい服で遊びに行くなら死ぬ方がマシ! と言われる。そんなにダサくないはずなのに……。
    「明日は何食べたい?」
    「ラーメン!」
    「パスタ!!」
     蘭は洋食が好きで、竜胆はガッツリ系が好きだった。蘭は辛い料理を食べるが竜胆は苦手。逆に蘭ら甘いものが苦手で竜胆は好き。2人の好みをここ1ヶ月で覚えた。
    「えー。麺だけどパスタとラーメンって……。今日は蘭くんの好きなの作ったから、明日はリンくんのラーメン。仕事帰りに食べに行くからいつもの時間に店の前で待っててくれる?」
    「やった!」
     3人1つの布団に入り、子供体温に挟まれすぐに眠ってしまいそうになる。寒くなる前に布団買わないと……。冬服もかってあげて……。目の前が暗くなる。


    「おーい、タケミチ。寝た? 相変わらずこいつ寝落ち早いな」
    「今日は俺が先だからな! 兄貴はタケミチが1回イクまで手出すの禁止!!」
    「あーはいはい」
     眠ったタケミチのスウェットを首元まで捲し上げ、ボトムも太ももまで下着ごと下げる。
    「タケミチいつ起きるのか?」
    「指入れても起きないし、ちんこ入れても起きねーんじゃね?」
    「かもな」
     当初よりもずっとふっくら膨らんだ乳首に今日も吸い付き、その刺激につられ反応する歳の割に綺麗な色味のペニスを弄るのだった。




    「花垣武道くーん。お話があります~」
    「はい……なんでしょう……」
     ある日のこと、店長に昼休憩で呼び出された。今日はまだ何もしないはず……。何を言われるのか、体が強ばる。
    「いつも外で帰り待ってる子、知り合いですよねー?」
    「え? 2人ですか……。は、はい。一応……」
    「未成年ですのね? そんな未成年で金髪が店の前で座ってタバコ吸って、店員と一緒に帰ってるって、世間からどう見られるかわかりますよねー? クレームが来たんですよ」
    「……すみません……。もうしないよう言っておきます……」
     そうあの2人、年齢を聞いないが未成年。
     過去に不良に憧れ、痛い目を見た。周りは普通にタバコを吸ってたから、そこまで強い違和感を感じていなかったが、世間からすると大問題だろう。
    「あの2人親戚の子ですか? 突然あらわれましたけど」
    「えっと。夜怪我してたの助けてから一緒に住んます……。もうしないように言い聞かせますから……!」
     長谷川さんの目が嫌な、汚い物でも見るような目になった。
    「あの。花垣武道くん。言っときますが変な事してないよですよねー? 親戚でもない子と暮らすって……」
    「そんなことしてません……!! あっ、あのこ達男の子なんで!!」
    「……まぁ、いいんですけど。店に仕事できない以上の迷惑かけないようにしてください」
     その目に未成年の知らない男の子と暮らす変態、というレッテルを貼られた気がする……。
     今までなぜ不思議に思わなかったのか。
     世間から見て、異常だ。保護者の許可もなく知らない子を食べさせてて面倒見るなんて。気になり、携帯で調べると未成年者略取誘拐罪という言葉に行き着いた。
     顔が青を通り越し、白くなったのは間違いない。
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