Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    5296mithu5296

    @5296mithu5296

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 57

    5296mithu5296

    ☆quiet follow

    若安達晴信×若政子5

    晴信は20前半、政子は19とかそこら。
    ノマカプでえっちなシーン書きたいなと思って書き始めたもの、完結。
    散々激しく愛し合った翌朝の様子です。

    続き





     もはや目を閉じてじっとしている状況でも、昨夜…というより明け方までやりすぎてしまったことはわかっている。まるで自慰を覚えたての少年のように酷い有様だった。途中から政子は殆ど意識を失っていたように思う。あぁ、これはもう起きがけで一発二発と怒られる。否、怒られるべきだ。
     いや、まぁ、戦の後である。華々しい戦勝の後だ。褒美として不特定多数の美女を求めたのではなくただ一人の妻を愛でたいと思ったこの漢の本能をいっそ褒めてほしい…いやいやそれは虫が良すぎる。政子の知ったことではない。
     あぁ、叱られるのだろう。政子は夫に拳を振り下ろすようなおなごではないが…出会った初日に顎に一撃を食らったがそれは夫婦になる前であり野盗と勘違いされたからである…頰をぺちんと叩かれるくらいはあるかもしれない。まぁそこに物理的な痛みはないが。政子の張り手は普通のおなごよりは大層痛いだろうが、政子のことが大好きな晴信からすれば殆どご褒美でしかないのだった。
     しかし、政子はもしかしたら許してくれるかもしれない。目を開いたら寄り添うように気絶…いや眠っている政子を掻き抱いて、甘い言葉を幾つかぽつぽつ囁いて腰を摩って謝って…愛故なのだと言えば政子も許して…許して……くれるように祈るしかない。
    「ま、政子…」
     晴信は薄目を開き、そこにある政子の体を抱きしー…めようとしたが、腕は空振りした。
    「??」
     ぱっと目を見開く。
    「え?政子?政子??」
     いない。寄り添って気絶…眠っている筈の政子がいない!明け方に力尽きて体中色々な液体にまみれたまま寝落ちてしまった筈だが、政子がいない!
    「政子!?」
     がばっと上半身を跳ね上げる。枕元に水桶と使用済みの濡れた手拭がしぼられた形で置かれていた。そういえば体がすぅすぅとして心地よい。晴信の体は綺麗に拭われていた。状況からして政子の仕業だろう。脱力して気絶…眠っていた筈の政子が?
    「政子?政子…」
     晴信は寝巻きを引っ掴んで肩にかけて、腰帯を緩く結びながら隣の部屋に顔を覗かせた。既に昼前なのだろう、天頂近くにある太陽からは寧ろ陽光が届きにくく、部屋の中は薄暗い。見れば机の上に晴信の為に拵えられたのだろう握り飯が三つある。
    「政子?」
     特別大きなそれを一つとってむしゃむしゃと食いながら、晴信は廓を覗いた。下働きの男が掃除をしているだけで、政子はいない。男が晴信に気付き、竃を掃除していた手を止めてこちらを振り仰いだ。
    「晴信様、お目覚めで…」
    「政子は」
     晴信は指の米粒を前歯で取りながら尋ねた。
    「はい。大奥様とお庭へ」
    「母上?」
     晴信がそのまま廓から外に出ると、庭の真ん中で政子と母が向かい合っていた。恐らくはかなり長い時間、政子はそこで立たされて叱責を受けていたのであろうことが、その雰囲気からしてわかった。
    「…なのですよ。全く商家の娘は時も義母の言いつけも守れませぬか。朝は必ず薪を運んでおくようにと申しつけたと言うのに。寝坊だなどと。わたくしが安達家に嫁いだ頃にそのようなことをしてしもうたなら折檻でした。いいえ、今でもそうでしょうとも。お分かりですか政子殿。本当に商家の娘というのは武家と嫁としてのー…」
    「母上!」
     居てもたってもいられずに、晴信は庭を大股で横切った。政子と母が同時に晴信を見た。明らかに寝不足なのだろう…そして何より無理な夜を過ごさせてしまったせいだろう…政子の顔色は青白く、目の下にくっきり隈が浮いていた。なんとそのように疲れた体で、気絶から目覚めて直ぐに水を汲み自らと晴信の重い体を清め、母の言いつけ通り朝の支度をしようとし、思うように動けず、こうして長時間立って叱責を受けているのだ。
     母はというと未だ寝巻きの晴信に対して眉を吊り上げた。だが晴信は母が苦言を呈す前に政子を庇った。
    「十二分にお叱りでしょう!それに薪運びなど下人にさせれば良い…!政子、こっちへおいで」
     政子を思ってのことだが、腕を取ったにもかかわらず政子は首を左右に振り、腕を掴む晴信の手を押し留めた。
    「いえ。寝坊をした私が悪いのです、殿。義母上のお叱りはごもっともでございます」
    「むっ…!」
     晴信が下唇を噛み締めた。寝坊も何も、政子は殆ど寝ていない。これ以上母のねちっこい説教が続けば倒れてしまうやもしれない。晴信は夢中で政子の腕を引き、胸に抱き込んだ。政子の頭に顎を乗せて、母を見る。その頃にはもう、騒ぎを聞きつけた家人達が野次馬根性を発揮して、庭の隅やら屋形の影で晴信らのやりとりを覗き見ていた。
     晴信は大音声で言ってのけた。
    「明け方まで休む間もなく子作りをしておったのです!!」
    「んなっ…!!」
     顎の下で政子が短い悲鳴を上げた。晴信が見据える母は口をぽかんと開いて言葉を紡げないようだ。今が好機とばかり、晴信はたたみかけた。
    「政子は我が嫁です!武家の嫁は子を孕まねばなりませぬぞ母上!その点では政子は明け方まで嫁にとって最も大事な働きをしておったというわけです、母上。そのようなわけなのです母上!よろしいですな、母上!政子は疲れておるのです、母上!!」
     母の顔が見る見る赤紫色に染まっていく。そして耳に忍び入る、家人達のこそこそ声。
    「明け方まで…」
    「なんともはや、流石晴信様…」
    「いやしかし明け方までとは…お仲が宜しいようで…」
    「お盛んなことだわ…」
     それらを断ち切るように、晴信はもう一声鋭く叫んだ。
    「では!政子は休ませますので!良き子を孕まねばなりませぬので!!」
     晴信は政子の手をぐいぐいと引いて、その場を退いた。怒りなのか恥じているのかは知るところではないが、紅蓮の顔をした母は言葉で以ってさえ追ってこなかった。ただ、屋形を折れて厩の方に向かうまで家人達の好奇な視線は付き纏っていたが。それらが途絶えた頃、政子にぶんと手を払い落とされた。振り返ると、政子は目を真っ赤に染めて、今にも泣き出しそうな顔をしていた。とはいえ晴信としては、昨夜の情事が思い出される羞恥の表情に、不覚にも体が熱くなる。まだまだ若い。
    「あ、あのような大勢の前で…!!なんということを申されるのですか!!殿ッ!」
     殆ど悲鳴である。だが晴信は首を捻った。
    「明け方まで勤しんだは、誠のことではないか。それに儂は孕んで欲しいと言うた筈だが」
    「ッッッーーーーっ!」
     政子は野薔薇の実よりもまだ赤く頰を染めて、口をパクパクさせた。何はともあれ青白かった顔に色味が戻ってきて、晴信は安堵した。
    「政子、無理をさせてすまぬ。疲れさせてしまった。すまぬ…」
     馬がプルプル首を振るその横で、晴信は政子に頭を垂れた。ちらと上目遣いに見ると、政子は耳に落ちた髪をそっとかけて、視線を泳がせていた。そして異常な程に馬に興味を持ったように馬面を穴が開くほど見つめたまま、ぽつっと呟いた。
    「……………あ、愛されているのだと体の全てで感じられて…幸せでしたので、構いませぬ…」
     鼓膜が甘美に震え、それがそのまま関節の全てに響き、晴信は膝から崩れ落ちそうになった。なんとか踵で踏ん張り、無様を晒さぬように力を尽くす。晴信はぼうっと顔面を喜色で真っ赤に染めながら、再び政子の手を引いた。
    「じゃ、邪魔の入らぬところでゆっくり休むのがよい!ほら、儂と河原にでも行こう!昼寝ができる…」
     今度の政子は、もう、晴信の手を振るい落とさなかった。
    「……はい、殿…」



     胸に政子を抱くようにして相乗りをして、對馬の美しい山野を歩く。かぽり、かぽりと、ゆったりと。頭上に浮かぶ鳥を指さしたり、あれはなんの花だろうかと馬足を止めたり。政子の反応は小さい。うつらうつらしているのだろう。だがそれで構わない。気が強く常に周囲に向けて感覚を研ぎ澄ます政子がこうも隙を晒してくれるのは、それだけ自分が信頼されているという証だ。愛しさばかりが込み上げてくる。
    「政子…」
     丘の上、川が海へと流れ出てゆく光景を見下ろす。海から對馬へ、そしてまた海へと吹き抜けてゆく風が、心地よい。政子の髪をさらさらと揺らしている。
    「政子…小さく船が見える。漁師舟だろうかな…。政子?」
     トンッと、胸に政子の後頭部が寄せられる。見下ろすと、政子は瞼を閉じていた。すぅ、すぅ…と、昨日散々揉み尽くした乳房が、着物の下で上下していた。
    「……次からは自制せねばならぬな…」
     幾ら政子が愛しいとはいえ、である。
    「…おやすみ、政子」
     優しい手つきで頭を撫でて、その髪に唇を落とす。政子は少し身じろぎをしたが暖かい夢の中から目覚めることはなかった。








    end






    また支部にも上げます〜
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭💒💒💖💖💒💒💒💒💒🙏👏😍👏👏☺☺☺☺☺☺👏👏👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works