きんいろのともだち ふわふわ、ふわふわ
修行の合間、水汲み帰りに歩いていると、金色のスライムがパタパタと羽を羽ばたかせていた。きょろきょろとあたりを飛び回って、何かを、誰かを探している。さっきまでチウと楽しそうに(見えるだけで、本人たちはもちろん真剣に)訓練していたが、終わったんだろうか? ふわふわ飛んでるゴメに声をかける。
「ゴメ、何やってんだ?」
「ピィー、ピィ」
「もしかして、ダイを探してんの?」
「ピィ!」
「そっか、じゃあ、ついてきな」
ゴメを引き連れて修行場所に戻ると、ダイは木陰ですうすうと寝息を立てていた。
「ありゃ、寝てらぁ」
「ピィー」
いつもダイと一緒のちいさな友人は、ダイの頭にちょこんと乗っかって、ピィと鳴いた。ダイの頭の上、ゴメだけのふかふかの特等席に収まって、上機嫌だ。
「寝ててもいいのかよ……」
るんるんと楽しそうに揺れている。ちっちぇゴメの微笑ましさに、ころりと呟きが漏れた。
「おまえほんっと、ダイが好きね」
「ピィ!」
起こさないように潜めた声に、当たり前、というように、同じように潜めた鳴き声で返したゴメは、ぷるりと体を振るわせ笑っていた。
夕陽にきらきらと散っていく金色の光を見ながら、そんなことを思い出して。ああ、せめて、ダイの元に帰してやりたかったな、と、思った。