そもそも胸元のあの十字って何よ・旧神と魔術師について
ケルト神話における冥府の神・豊穣・生命力を司り動物たちを従える鹿の角を持つ神であるケルヌンノスは、時代が降るにつれキリストその人や騎士物語における異形の存在(かつてこれらの物語を後世に残していた修道士たちには旧い信仰を集めていたものを「神」として表すことは出来なかった)として表された。
→しかしそれ以外の形でもこの角持つ神は形を変えて伝えられて来た。その化身の1人がみんなご存知魔術師マーリン、アーサー王伝説でお馴染み!ウワッ!(ホちゃんの二つ名を思い出し慄いている)
聖杯探索の物語において撃ち倒されるべき騎士の敵は得てして森や荒地に住まう野獣や野人や魔女で、それは捻じ曲がったかつての土着神だったりする。
ンピをある種の聖杯探索の物語として読み解こうとすると、やはり輝く金髪の「魔術師」の男は撃ち倒されなければならなかったんだなと。
だからこそ神の敵として怪物となり討ち斃され立ち塞がる旧い神を感じさせる男が、もし騎士王の剣の技を使う男に生かされたならすごく嬉しい!
篤い信仰をあらわす為の舞台装置としてしか振る舞えなかった怪物が救われるような気がする。
騎士が怪物を倒してHappily ever after で終わるおとぎ話じゃなくて、被せられた怪物の役を降りた魔術師が騎士の手を取って新しい物語を生み出してくのを見たいってワケ。
見たいので1%を掴んでくれ 頼むから
・ケルト神話の世界,ヤン・ブレキリアン著,田中仁彦・山邑久仁子訳,中央公論社出版(1998)
「それにまた、鹿は単にキリストの象徴であるだけではない。……キリストが鹿の姿を取って現れた時、その角のあいだには十字架の印が出現したとされている。」
「……この時、創造主でありこの世の救い主でもある神の御子は、真実‘‘神なる鹿‘‘だったと言えるだろう。」p126
割とキリストと鹿を結びつける逸話はそこそこあるっぽい?角持つ豊穣と死を司る旧神であるケルヌンノスが、時代が降るにつれキリスト教文化の中でキリストそのものの逸話として吸収されていったと言えるのかもしれない。
てかホちゃんは身体のど真ん中に十字入ってるけどそういうことなんですか???
・涙と目の文化史:中世ヨーロッパの標章と恋愛思想, 徳井紀子, 東信堂出版,(2012)
「磔刑のイエスの背景にはテーブル・カット・ダイヤモンドが敷き詰められ、その裏側には釘やハンマーなどの受難の道具や聖ヴェロニカのヴェールが描かれている。……裏側には髑髏と交差した大腿骨が描かれており、いわゆるメメント・モリ(死を思え)の典型的な作品である」p11
ホキンスのジョリーロジャー全然海賊っぽくね〜〜ってずっと思ってたけど標章/紋章学的にいえばメメント・モリとキリストの受難を表す釘がモチーフになってんだね。本人に十字のタトゥーが入ってるのもあってなかなか厄ネタっぽい!
眉毛の形とか刺青とかもそう考えると聖痕みたいに見えてきてしまう!マズイ!ホちゃんとキリストそのものを結びつける要素がガンガン集まっていく!!助けてーーーーーッ!!!
余談ですけどタロットの並べ方にケルト十字という並べ方があるそうな、ちなみにケルト十字=太陽十字なんすよね コレマジ?都合が良すぎる……
・作中での十字の扱いについて
徹底的に世界政府側が悪魔信仰じみた描き方をされてる分逆に作中で十字架を掲げてる奴らは一体全体何者なんだ?という疑問
→ミホーク、ホキンスとかくまもそうだよね?ニカ関連のキャラ?
本誌で神の騎士団を強制召喚できる五芒星の刺青とかいうものを出して来たせいでこの与太がなんとも嫌な真実味が増して来て本当に最悪で最高だぜ!
地獄(マリージョア)に呼び出されるのが五芒星(アビス)なら天国に呼び出されるのが聖痕(クロス)なのかしらと思ったり?
・ホキンスとイギリスの結びつきについて
ド…ピザさんの動画をコロナで半死半生の時流してて思ったけど世界政府がフランスモチーフで反体制側はイギリスモチーフなんだよねという話があり、ほなそどの隊長が騎士王の技を使ってるのも、隊長の隣で斃れるのを選んだ魔術師がいるのも全部…計算されてたってコト!?
そう思うと歴史上の人物の名前だけ引っ張ってくるんじゃなくて技名にイギリス要素ある(エクスカリバーとかモロだし)🦖とかうわ〜モロイギリスぽいキャラなんだな〜となる。🔮は🦖と組んだせいでよりマーリンぽさがマシマシになりイギリス周りに縁深い男になる。
ちなみにホキンスの名前の元ネタであろうジョン・ホーキンスは確か従兄弟?のフランシス・ドレークと同じ海戦に参戦してスペインに負けて その後の航海でジョンの方が赤痢に罹ってフランシスを送り出し迎えを待つ間に亡くなったとかなんだよな 確か(要出典)
そこもなぞらえてシナリオ作ってるワケ ねえよな
・ホキンスの実家・出自について
太陽信仰(ニカ関連)を拗らせたミッドサマーじみたカルト出身だったらいいな〜と思ってる!
なんでそう思ってるかというと、どう考えても体に十字を刻んでいる男と太陽信仰が結びつかない筈がない(ガンギマリ)と思っているのと、あの世界一回海面上昇が起きてる関係で旧い信仰や文化は標高が高い集落とかに残ってる可能性が高そうだなと思ったから。グラドル号に植ってるあの針葉樹も出身地の御神木か何かを植え替えた奴だと良いな~。
山岳地帯出身だから海への憧れがあったりしたらきっと海賊になる動機にもなるよね♪と思っているよ♪
てか船乗りなのに馬(鹿)乗れるのは大分イレギュラーじゃない?作中で馬乗ってんのキャベンとドクQぐらいしか思いつかねえや、やっぱ馬とか乗れる環境にいたよねホちゃん。
LRLLの騎馬民族おじいちゃんも居たし、キャベンも馬乗ってたし確か馬車とかもあった?からンピ世界で騎馬文化のある民族自体がいないわけではない?
まあ海面上昇で陸地がヤバい!海に出ろ!って時代になりつつある中で、広い牧草地が必要な馬は確かに希少で価値あるものになってくのかな?だからこそ余計にワ国で恐竜でもなく狛犬でもなく狛「鹿」に乗ってたホキンスは異様に思えるよね。
あとホキンスの刀は藁備手刀っていうんだけど、元ネタの蕨手刀は元々騎馬戦で使われることを想定されて作られた太刀で後々権威を示すために豪族に下賜されたり副葬品や儀礼に使われた?とかそういうもんらしい。だからホキンスのイメージ動物は馬なんですか??おだっちそこまで考えて作ってる??だとしたら完敗ですが……
標高が高いので空が近く、緯度が高いので日が沈まない理想郷(ユートピア)で太陽神を崇める人々に囲まれて育った男であって欲しい。自由な海の戦士に憧れて、いつか空に囲まれたこの狭い村から逃げ出して広い広い海へ漕ぎ出していく日を夢見ていて欲しい。
あの鎖骨の十字が幼少期に無理矢理入れられてたものなら胸糞度倍プッシュであたしがニッコリ!
どこにいても神様がお前を見つけてくれますようにと祈りを込めて刻まれたものだったりしたらいいね
・実家が小児性愛カルトだった場合のホ
「神の声が聞こえる子」と交われば不妊が治るとか不能が治るとか聖別されるだとか男児に恵まれるだとかよくわからないご利益があることにされたので供物と並べてベッドの上に裸で寝かせられては信者に文字通り身体を供じていたら結構キツいなと思い始めています。嬉しいけど。
最初は行為の意味もわからず理解できなかったが自分の心を守るために次第に不感症になっていってそう。
能力を上手く扱い殺傷能力を高めていった結果クソカルト実家を血祭りに上げたのでもう地元に居場所が無く、自由を得たかったので海に出たかなりガッツと殺意に溢れた生い立ちのホキンス。
・ホキンスと運命女神について
ホキンスは海賊王になりたくて海に出たのではなくある種「自由」を求めて海に出たタイプだと思ってる。
じゃあある種占いの結果に左右されてるのは運命に縛られているとも言えるのでは?という疑問も生じるけど、運命そのものを信奉する運命女神信仰みたいなのが下地にあるのかも?
ヨーロッパ紋章学では運命を司る女神は目紛しく変わる運命を表す車輪の上に乗り気まぐれな性質を表す縞柄の服やバイカラーの服を着ていたというけど、この車輪と運命の組み合わせはタロットカードでもお馴染みの図。そういう視点からでも運命女神信仰とホキンスを結びつけられないかという試み。
幼少期からタロットカード使ってるっぽいしなんか理由あんのかも?その理由をこじつけようとしたら運命女神信仰なんじゃね?という感じ。
気まぐれで移り気で酷薄な運命女神と贄と血を求めて荒れ狂う非情で残酷な太陽神に苛まれた幼少期を過ごしてほしい。そしてその割にはめちゃくちゃ恵まれた体格に育ってる上に太々しさすら感じる図太さを持ち合わせた強かな男でもあれ。
ホキンスの海賊団のクルーは「おれたち」を救わなかった神や世界や権力への怨み苦しみを、運命を占える「船長」ならきっと救ってくれると信じていて、ホキンス自身も占い確率を導き出し、未来を見通そうとする試みの中で「神」や「運命」の存在を証明しようとしてるのかもしれない。
→海賊として非道を働くことで「もし神が居るならば、きっと裁かれるはずだ(天誅を与えないのなら神は居ない」と証明しようとしてる?
確かに海軍に入るというタマでは無いがかと言って略奪暴虐破壊も辞さない海賊稼業をエンジョイしてたかというとそういう感じでもなさそうな感じだし、そういう理由で海に出ていても面白いと思う。幻覚でしかないけど!
・二人を繋げる「海ソラ」について
ドは🌊ソラの正義の味方の物語に強く憧れを抱いていて ホキンスは自由な海の戦士の姿に強く心惹かれていて欲しい。「正義の味方」が好きなのか、「自由に海を駆け巡る海の戦士」が好きなのかで少し違いがあっていて欲しい。
あとホキンスは海ソラファンだけどしっかり海賊やってるのでなんだかんだ自分は「正義」からは離れた人間なのだと自認していると思う。海賊として簒奪者であり破壊者であり殺戮者であることと「正義」のヒーローに目を輝かせる童心を併せ持つ男。
なので同郷で同じ冒険小説に胸躍らせて、苦しい生い立ちなのに海賊に扮した海軍のスパイやってる男とかめちゃくちゃ高得点!
捕縛されたとか身柄を預かられているとか気に入ったからとかそれ以外でホキンスがドに肩入れする理由も、同じ海で同じ冒険小説に夢を見て同じ海賊をしていると思ったのに、実はまだ正義を捨てていなかった男がこれから背負う正義が何を意味するか知りたいとか そういうあたりなのかも?
という意味で「ひとつなぎの大秘宝」を求めない側の人間としてのドホが見たい。ンピース争奪戦とは違うものを追い求めていて欲しい。
それが「正義」なのか「自由」なのかはわかんないけど
・ドレークとホーキンスという二人の男について
苦しむ人々を救わぬ神の不在を証明しようとする涜神的な男が、人の手で作り上げようとする「正義」や「平和」の為に自分の人生も命も全部犠牲にしようとしている男に救われてしまったならめちゃくちゃ良くない?とおもった。
「神」の救済を証明できなかった男が「人間」の善性の存在に救われるところが美しいと思う。運命を受け入れようとした男を助けたのが自らの正義に従った男のエゴだとすごく嬉しい!結局救われることなんて一方的なもので、結局エゴに過ぎない、という自論が下地にある。
ドに対して獅子王にも湖の騎士にも光の鷹にも美貌の騎士にも出来なかったことをやってくれという祈りを背負わせてる。
ホキンスの「運命」に囚われていた人生の枷を外して自由にしたのがドであるならば 「過去」に囚われていたドの心を癒せるのはホキンスであって欲しい。
世代間の負の連鎖や生い立ちや環境、個々人の血筋や家族というものに苦しみ懊悩する男二人であって欲しいという気持ちがある。特にあの世界は海賊王や政府に人生をめちゃくちゃにされた人がたくさんいた世界だから。
インナーチャイルドとアダルトチルドレンというか 健全なバウンダリーの構築への道のりと過去への決別とかの話なのかもしれない。
どちらも完璧ではなく欠点や未開拓な部分があって良いし そういう二人が手を取り合って(Let Us Cling Together)幸せになって欲しい。
誰かに愛されて育って来た人間は同じように誰かを愛せるなら、愛されたくても安心できる場所すら見つからなかったような人間は負の連鎖を繰り返すしかないのか?という疑問があーしの二次創作の底の方に流れていて、それでも誰かを愛せる無私の愛だって生み出せるはずだという希望を彼らに託したい。アガペーの話なのかも?
ホキンス→ド「最期を迎えるならお前の隣が良い」
ド→ホキンス「それでも生きていて欲しかった」
でウチのドホの矢印は構成されていることにするよ