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    isis_10101

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    isis_10101

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    頭割り5開催おめでとうございます!
    アイエス前提話になってしまったけどほのぼの話。

    #アイエス
    is
    #小話
    brief(comic)Story

    わたしがみたもの わたしはある竜騎士のその後の姿を模して作られた魔法人形だ。意思はあれど言葉にする機能はなく、ただ目の前の出来事を見るだけ。
     主の仕事の邪魔にならぬよう、機能は同型のものとは異なり、必要とあらば後ろをついて回るだけである。
     わたしの一日は主の仮眠室と呼ばれる専用の部屋で過ごすことが大半を占めていた。
     主は起床すると必ずわたしに『おはよう』と声をかけ、頭を撫でることを習慣にしている。
     それから丁寧にわたしを枕元に座らせると身支度をして部屋を出ていく。そこから陽が落ちて暗くなり、さらにしばらく経つと部屋からわたしを抱き上げ仕事机へと連れて行く。
     積まれた書類の脇に置かれ、そのまま佇んで主が仕事をする様を黙々と見続ける。
     ときおり首や肩を動かし飲み物を飲んで休憩する際にわたしの頭を撫で、微笑む。
     主は時折独り言を呟いている。わたしには聞かれていないと思っているのだろう。
    『あいつは何処でどうしているのだろうな』
    『寂しいのは私だけだろうか』
    〝あいつ〟が誰なのかはわからないが、今までの話から推測すれば同じ人物ではないかと思う。
     
     主は時折何日も部屋を開けることがある。
     国を代表する者として戦場へ遠征することがあるそうだ。そうなればわたしはただ明けては暮れる空を部屋から眺めるか、居る場所によっては明るくなったり暗くなったりする部屋を眺めるだけの日々を送った。
     そして主が帰ってきた日には必ずわたしを抱いて眠る。

     ある日、夜も遅い時間に窓からヒトが入ってきた。
     雪が降る中やってきたその男性は窓辺で体に付いた雪を払う。
     そんな彼を主は親しげに迎え、抱きしめた。
     しかしわたしのことが目に入ったのか、彼はズカズカと駆け寄り持ち上げると、主と何やら小競り合いが始まる。
     どうやら無断でわたしを作ったことに腹を立てているらしい。
     それも暫くすると和解をしたのか落ち着きをみせた。
     そしてわたしはこの男が自分の原型たる竜騎士ではないとかと思い始める。
     鎧を身に着けていないので、判断はできないが主の態度を見ているとそんな気がしたのだ。
     あまり複雑な思考はできないわたしだが、それは正解だったようで主は彼をわたしの記憶する竜騎士の名で呼んだ。
     そうして彼が訪問してきた日の夜、わたしは仕事机の上で過ごすことになった。

     あれから度々こうした日が訪れる。
     その度に主も、かの竜騎士も嬉しそうな顔をしていた。
     これでわたしの役目も終わるのだろうか。
     人形とはそういうものだ。パートナーや友人であり、寂しさを紛らわし傷を癒やす役割が多い。
     持ち主が自立したり、命を落とすなどすれば役目は終わる。
     わたしは丁寧に扱ってもらえた。だから幸せなのだろう。
     このまま機能が止められることはよくあることだ。場合によってはまた別の人形の核となるかもしれない。
     その時はもうわたしはわたしでないかもしれない。
     悲しいといった感情はない。
     主の役に立てたのであれば作られた意味はあったのだから。

     それから暫くかの竜騎士の訪問はなく、わたしはいつもの日々を過ごしている。
     ただ、最近主は疲れているのか仮眠室にわたしを置く時間が長くなった。
     
     とある吹雪の夜、かの竜騎士がやってきた。
     主は留守中だ。それを知っての訪問か、彼は静かに主のベッド横に立つと、袋からわたしと同じ大きさの魔法人形を取り出し枕元へと置いて立ち去っていく。
     翌日、戻ってきた主は驚いたあと微笑んでいた。
     手順に従い起動させる。
     同胞が動き出す瞬間というものはいつ見ても不思議な感覚がある。
    「お前はこいつの隣に居てくれ」
     主はそう言って新しくやってきた同胞の頭を撫でた。
     どうやら同胞の彼は主を模した魔法人形らしい。
     その日から部屋に一日いる時も同胞が隣にいる。
     
    「この間、私の留守中にこいつを置いていっただろう?わざと私が居ないのを見計らってか?」
    「ハッ……お前の予定を俺が知っていたらコマンドの情報が筒抜けだということだぞ」
     偶然だと言いたげにかの竜騎士は大げさな動作で肩をすくませ溜息をついた。
    「そうかそうか、じゃあ今日はゆっくりしていくといい」
     満面の笑顔で主が彼の胸元に手をかける。
    「ま、待て」
    「なんだ」
    「アレをどうにかしてからだ。どうも見られているようで落ち着かん……」
     二人が、こちらを見た。
    「なるほど。ではしばらくこうしておこうか」 
     防寒用のブランケットが頭から被される。
     そこから先の話は視認していないのでわからないが、二人が仲睦まじいということはなぜか好ましく思う。
     ヒトも人形も独りでいるよりは二人のほうが良いに違いない。


    【あとがき的な】
    ミニオン見てたらうずうずして、そういえば魔法人形も超高性能なやつと反対のこういうのがいてもいいだろうって妄想してろくろ回しました。
    まあ、その…最後のやつ音聞いてんだろ?って言われたらアレですけどwまあそこは全年齢なのでw
    ニャンが持ってきたやつは多分ヒカセンが持ってたのを見て奪(譲)って貰ったんじゃないかなって。
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