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    あまとう

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    あまとう

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    2019年に、いい夫婦の日にちなんで書いたミクスレ話(エンディング後)。
    ポイピクにテキスト投稿機能があるって知ったので、お試しで…

    #ミクスレ
    mixure
    #小話
    brief(comic)Story

    【Sharing one’s lot with another】

    遺跡を巡る旅の途中。
    街の教会の前を通りかかった時、ふと立ち止まったスレイは何かを凝視しながら不思議そうにたずねた。

    「ミクリオ?あれ何?」

    そう問われ視線の先を見やると、そこには純白のドレスとタキシードをまとった若い夫婦。多くの参列者達に祝福され、花びらのシャワーの中を笑顔で歩く二人は幸せそのものだ。

    「あぁ…あれは結婚式だよ。」
    「へえ!今の結婚式はあんなに華やかなんだな。まるで戴冠式みたいだ。」
    「そうか。君が知ってる災厄の時代の頃は、もっと質素だったね。」

    スレイが驚くのも無理はない。
    彼が眠っていたこの数百年の間に、文明のレベルはずいぶんと上がっていた。
    それに伴って、人間と天族の生活スタイルも大きく変わり、こういう行事ごとも時代と共に多様化していたのだ。

    そこだけ別世界のような華やかな雰囲気に、好奇心たっぷりのキラキラした目で魅入るスレイ。
    そんな彼を微笑ましく横目に見ながら、ミクリオは冗談めかしにこんなことを口にした。

    「そういえば、スレイは……結婚したいとは思わないのか?」
    「え?なに?急に…………」

    あまりにも唐突な質問に、スレイは思わずどぎまぎしながら困ったように笑って頬をかく。
    それを見たミクリオは、してやったりと悪戯っぽく微笑みながらスレイの顔を覗き込んだ。

    「君はもう導師じゃないんだからできるだろ?別に今すぐじゃなくても、誰かいい人がいれば、僕に遠慮なんてしないで……」

    “結婚してもいいんだよ”と。

    そう言いかけて、不意にずきっと胸が痛んだ。
    喉に空気の塊が詰まったような感覚に、思わず浮かべていた笑顔が引きつる。
    それを知ってかしらずか。
    スレイは少し考え込むと、再び教会の方へ視線をよこしながら、どこか嬉しそうに微笑んで言った。

    「オレさ。“花嫁さん綺麗だなー”とか“子供可愛いなー”とかは思うけど、それを“羨ましいなー”とは思わないんだ。なんでだと思う?」
    「え?え、えっと…………???」

    なぞなぞのようなその問いかけに、不意をつかれたミクリオはなんと答えていいかさっぱりわからずうろたえた。
    そんな彼を見て、今度はスレイの方がしてやったりと言いたげに、満面の笑みを浮かべる。

    「正解は“ミクリオがいてくれるから”でした!」

    花が開くような。
    陽光が差すような。
    温かな色を含んだ眩いその笑みと言葉が、ミクリオの胸に去来した不安を一気に払拭した。
    彼の他愛ない一言で、こんなにも一喜一憂する。
    存外、自分もまだまだ単純だと苦笑しながら、ミクリオはスレイの左手をそっと握った。
    そして、不思議そうに目を丸くする彼の耳元で小さく囁く。

    「僕も……君がいれば他に誰もいらない……」

    【END】
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    【Sharing one’s lot with another】

    遺跡を巡る旅の途中。
    街の教会の前を通りかかった時、ふと立ち止まったスレイは何かを凝視しながら不思議そうにたずねた。

    「ミクリオ?あれ何?」

    そう問われ視線の先を見やると、そこには純白のドレスとタキシードをまとった若い夫婦。多くの参列者達に祝福され、花びらのシャワーの中を笑顔で歩く二人は幸せそのものだ。

    「あぁ…あれは結婚式だよ。」
    「へえ!今の結婚式はあんなに華やかなんだな。まるで戴冠式みたいだ。」
    「そうか。君が知ってる災厄の時代の頃は、もっと質素だったね。」

    スレイが驚くのも無理はない。
    彼が眠っていたこの数百年の間に、文明のレベルはずいぶんと上がっていた。
    それに伴って、人間と天族の生活スタイルも大きく変わり、こういう行事ごとも時代と共に多様化していたのだ。

    そこだけ別世界のような華やかな雰囲気に、好奇心たっぷりのキラキラした目で魅入るスレイ。
    そんな彼を微笑ましく横目に見ながら、ミクリオは冗談めかしにこんなことを口にした。

    「そういえば、スレイは……結婚したいとは思わないのか?」
    「え?なに?急に 1170

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    遺跡を巡る旅の途中。
    街の教会の前を通りかかった時、ふと立ち止まったスレイは何かを凝視しながら不思議そうにたずねた。

    「ミクリオ?あれ何?」

    そう問われ視線の先を見やると、そこには純白のドレスとタキシードをまとった若い夫婦。多くの参列者達に祝福され、花びらのシャワーの中を笑顔で歩く二人は幸せそのものだ。

    「あぁ…あれは結婚式だよ。」
    「へえ!今の結婚式はあんなに華やかなんだな。まるで戴冠式みたいだ。」
    「そうか。君が知ってる災厄の時代の頃は、もっと質素だったね。」

    スレイが驚くのも無理はない。
    彼が眠っていたこの数百年の間に、文明のレベルはずいぶんと上がっていた。
    それに伴って、人間と天族の生活スタイルも大きく変わり、こういう行事ごとも時代と共に多様化していたのだ。

    そこだけ別世界のような華やかな雰囲気に、好奇心たっぷりのキラキラした目で魅入るスレイ。
    そんな彼を微笑ましく横目に見ながら、ミクリオは冗談めかしにこんなことを口にした。

    「そういえば、スレイは……結婚したいとは思わないのか?」
    「え?なに?急に 1170

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    街の教会の前を通りかかった時、ふと立ち止まったスレイは何かを凝視しながら不思議そうにたずねた。

    「ミクリオ?あれ何?」

    そう問われ視線の先を見やると、そこには純白のドレスとタキシードをまとった若い夫婦。多くの参列者達に祝福され、花びらのシャワーの中を笑顔で歩く二人は幸せそのものだ。

    「あぁ…あれは結婚式だよ。」
    「へえ!今の結婚式はあんなに華やかなんだな。まるで戴冠式みたいだ。」
    「そうか。君が知ってる災厄の時代の頃は、もっと質素だったね。」

    スレイが驚くのも無理はない。
    彼が眠っていたこの数百年の間に、文明のレベルはずいぶんと上がっていた。
    それに伴って、人間と天族の生活スタイルも大きく変わり、こういう行事ごとも時代と共に多様化していたのだ。

    そこだけ別世界のような華やかな雰囲気に、好奇心たっぷりのキラキラした目で魅入るスレイ。
    そんな彼を微笑ましく横目に見ながら、ミクリオは冗談めかしにこんなことを口にした。

    「そういえば、スレイは……結婚したいとは思わないのか?」
    「え?なに?急に 1170