活性化したホロウの現地調査に半ば無理矢理
ライトさんを連れ出して（報酬で釣ったとも言う）
プロキシ抜きの二人っきりなんてデートだね
なんて思ってたら　どうも様子がおかしい

喋らないし　やたらくっついてくるし
頭突きしたり頭ぐりぐり押し付けて…
こ　れ　は　ネ　コ　チ　ャ　ン　！！
あ——ダメダメそんなお腹まで出して！
いつものシャーシャーライトさんは
どこに行ったんですか　どうすんのこれ

「あーもしもしルーシーさん？　お借りした
そちらのライトさんなんですけど　ホロウで
変な侵食食らっちゃったみたいで」

『具体的にはどういう侵食なんですの？』

「ﾈｺﾁｬﾝですね」

『ハァ！？』

「中身が猫みたいになっちゃったんですよ
くっついて離れないんです　画像送りますね」

添付された画像には悠真に抱きつくライトが
写っている
加工なしてもハートが飛んでいるのが
見えるようだ

『……正気に戻るまでそちらで預かって下さいな
こんなの返されても仕事になりませんわ』

「元々そのつもりでしたけど」

『この際既成事実でもお作りになれば？
その様子なら抵抗されませんでしょ』

「それズルくないですか　本人正気じゃないのに」

『そんな事言ってるから進展しないんですわ
今の状態が本心って事もあり得ますわよ？』

「……自分に都合が良過ぎて気持ち悪いですね」



人間が飼い慣らせる大型猫は１２ｋｇ辺りが限界で
それ以上は猛獣だから手に負えないと言うけど
僕は今１８５ｃｍの猫のような何かに
殺されかけています

数時間ほど枕にされてる足から感覚が消えました
僕の足じゃあ骨しか当たらないんじゃないかなあ
…………待って。この血流の滞った足に
フミフミ攻撃をする気かい？

「ちょっと待ってどこ揉もうとしてんの
セクハラキャット」

「……流石にバレるか」

「ピンポイントでタマ狙ってくる猫がいるかっつの
いつから正気だったの」

「あんたがルーシーと話してる辺りかな」

「それから数時間大の大人が猫のふりしてたの！？」

「言うタイミングなかったろうが！
満更でもなかったくせに」

「そっちだって猫のふりしてた時はデレデレ
だったじゃん！撫でられてうっとりしちゃってさ」

「…………いっそ殺せ」

「やだよ勿体ない　変な演技しなくたって
あんたの顔最高に好みだし　年上の巨乳で
数え役満なんだけど？」

「……何言ってるのかわからん」

「小細工しなくても　とっくに惚れてました
何の為にしょっちゅう声かけてたと思ってんのさ」

「……あんたの好みって背の低い子じゃ
なかったのか」

「そんな何年も前にした取材の答えなんて
どうして知ってるの」

「知らん　もう何も知らん！！」

「え〜〜僕のインタビュー読んでくれてるの
めっちゃ嬉しい〜」

「何も知らないって言ってるだろ」

「これからは年上で背の高い人が好きって
答えるね」

「勝手にしろ」








「……ねえ　誰かさんのせいで下半身がその気
なんだけど　どうしてくれるの」

「ちゃんと責任取ってやる」