出来心 休日の午後、ナイトレイブンカレッジの図書室の閲覧席に、監督生とジェイドが並んで座っている。監督生はジェイドに教わりながら魔法史のレポートを、ジェイドは授業の予習を進めているのだった。
もともとは監督生とグリムが二人でジェイドに教わる予定だったのだが、グリムは「そういえばエペルに箒の乗り方を教えてもらう約束をしてたんだゾ!」と、してもいない約束をでっち上げて早々に逃亡していた。
教科書と授業の配布資料を見ながらレポート用紙に文字を書いていた監督生だったが、その手が止まり、「う〜ん…」と小さく呻き声をあげる。
それに気付いたジェイドが「どうしました?」と声をかけた。
「えっと…教科書のここなのですが、この事柄とこの事柄の間に何が起こったのかが詳しく書かれていなくて…。どういった流れでこのような結果になったのでしょうか?」
2090