告白久しぶりにA組の皆で集まっての飲み会。
出は別の席に居たけど、勝が酔ってしまったからと送っていく事になる。
（皆の図らいで）

かっちゃん酔いがさめて僕が横にいたら嫌だよな…と思いつつマンションまで送っていく。

ようやく勝の部屋のソファまで辿り着いてそっと座らせる。自分も横に座る。覗き込むと、勝はまだ酔っているのか、顔が少し赤い。

かっちゃん、お水いる…？
と声をかけるが返事はない。
目は開いている。寝ている訳ではなさそうだ。

何か会話を…と思い、皆元気そうだったね！と当たり障りのない話題を選ぶ。

しーん。として、それ以上会話が続かず静まり返る部屋。気まずい空気。

突然、勝が口を開いて
てめェ好きな奴いンのか
と話し始める。

突然の恋バナにびっくりする出。
思わず、へ！？
と変な声が出る。

勝の方を見るとまっすぐこちらを向いている。
その目に射抜かれたように動けなくなる出。
この目に見つめられると嘘がつけなくなる…昔からだ。

い…いるよ。

と出が答えると、勝の目が少しだけ開いて出から目線が外される。

それは俺の知ってるやつか
…うん。
と返事をする出。
目の前にいるとはとても言えない。

自分でも自覚したのは最近だった。

そいつはてめェはが好きだってのは知っとんのか
とこちらを見ずに言う勝。

ううん…。
ずっとしまっておくつもりだ。やっとこの距離になったんだから。

言わねェんか。

うん…。いいんだ、このままで…
いいんだ…と自分でもびっくりするくらい消えそうな声になった。

それを静かに聞いた勝は、クソだな、と一蹴する。

ははは…と眉毛を下げて笑うしかない出。

かiっちゃんは…？好きな人いるの…？
この流れだとばかりに思いきって聞いてみる出。

少し間が空いて、
さぁな。と返される。

あ、ずるい！僕は言ったのに…！と
冗談ぽく、返す。

なんだよ、言ったら協力してくれんのかよ？
前を向いていた勝が少しこちらを向いて口の端を少し上げて言う

え！？びっくりする出。
まさかそんな、事を言い出されるとは思っていなかった。

そんな出を他所にどうなんだよ、と詰め寄るように言う勝。

それは…僕に出来る事だったら…協力するよ…
自分の気持ちを隠したままそれが可能なのか考えながらしどろもどろ返事をする。

出来る事だァ？
そりゃ、どこまでしてくれンだ
更に、詰め寄ってくる勝

だから…僕の出来る範囲でだよ…

じゃあ…と、まっすぐこちらを見つめてくる勝

さっき言ったてめェが好きだって言ってたやつ、そいつの事ァ諦めろ。

ええええっ！？

全然出来る範囲じゃない、
そんな…！と抗議をしようとした所でいきなり抱きしめられる。

なにが起きたか分からずびっくりする出
かっ…？！と
名前を言い終わる前に

俺が忘れさせたる

と耳元で言われる。