おやすみ。かっちゃんと一緒に暮らしはじめて1年になる。
でも仕事ですれ違いになることも多く、
ここ最近、何日もかっちゃんに会っていない。
僕も今日は夜勤明けでやっとベットに入った。眠たさが限界に近い。

するとかっちゃんが帰ってきた。

かっちゃ〜ん…！久しぶり！

僕はベッドの中から挨拶する

おぅ、

と短く返事が返ってくる

大変だったね…テレビで見たよ

あぁ

かっちゃんも眠そうだ。

明日は？

非番。

そっか、僕も。一緒に寝る？

そう言うと

その前にフロ、入っくる

と返事が返ってくる

あ、うん、そうだね

先寝てろ

うん。

ウトウトしていると、かっちゃんもお風呂から出てきたのか布団にもぐりこんできた。

かっちゃんは僕と目が合うと背中を向けて寝始める。

せっかく久しぶりに会ったんだから顔が見たいのに。

かっちゃん、

なんだよ

背中を向けたまま返事が返ってくる。

なんか怒ってる…？

別に怒ってねーわ

じゃあ、なんで背中向けてるの？

これから寝るからだろーが

こっち向いたら寝られない？

俺は今こっちの気分なんだよ

…やっぱりかっちゃん怒ってる…？

だぁら怒ってねェって！
かっちゃんがガバッと起き上がる

やっとこっちを向いてくれた

顔が怒ってる

ごめん

思わず謝る

そしてかっちゃんの目がちょっと余裕のない感じに見える

僕の動揺した顔を見たかっちゃんが小さく息を吐いて言う

怒ってねェから、寝ろ。

うん。

今、てめぇの顔みたくねぇんだよ

ぼそりとかっちゃんが言う

え…なんで…？

分かれや

言ってくれないと分かんないよ…

するとかっちゃんが急に僕の顔を包みこんで唇を塞ぐ。

突然でびっくりしていると

てめぇが眠てェんじゃねぇかと思って気ィ使ってやっとんだろが！
それともなンだ？このまま寝ずにヤっても良いってンなら俺は遠慮しねェ

あ…いや…ごめ…寝ます。

顔が真っ赤になる

はぁ、とため息をつかれ、再び眠りの体制に入るかっちゃん
でも今度は向こうじゃなくて天井を向いてる。

僕もそれに習って上を向いてかっちゃんの横に寝転がる。


…かっちゃん

なんだよ

手、繋ぐのもだめ？

……

しばらく間が空いて

ン、

と言って手を差し出してくれた。

ありがと、かっちゃん

その手をぎゅうっと握る

2人はそのまま眠りについた。