【ジェリーフィッシュが解ける頃】Ⅱ 「えぇッ!?エレンに会ったの?」
某月某日、とある大手企業会社の一室にてリヴァイは大声を出した相手に睨むような視線を向けながら耳を塞ぐ仕草をしてみせた。
「うるせぇぞハンジ、ボリューム落とせ」
「ごめんごめん」
ハンジと呼ばれた女性は快活な笑みを見せながらそう言うと座っている椅子の背もたれにぐっと寄りかかるようにして普段使っている作業机からノートとペンを取り出した。
「同じ地域にいたんだね。すごいじゃん」
「あぁ」
「元気そうだった?どこで見たの?」
「エルドとペトラがやってるパン屋の前で雨宿りしてた」
「そうなの?え?え?話しかけた?彼リヴァイの事―」
「覚えてなかった」
ハンジが言い切る前にリヴァイはそう言うともう一度「覚えていなかった」
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