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    あらうみ

    腐った字書き。

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    あらうみ

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    ツイッターのほうで、「14話の狂児さんに思うことが、その人の年齢によって違うっぽい」……みたいな投稿を見かけまして。
    私は、狂児さんと歳が近いからこそ、狂児さんの言動をまるっと誠実だとは思えない派なので、ちょっと自分の中のものを言語化したくなって書いてみました。
    あくまで個人の感想です。怒らないでね。

    #狂聡
    madGenius

    14話のきょうじさんに思うことなど ツイッターのほうで、「14話の狂児さんに思うことが、その人の年齢によって違うっぽい」みたいな投稿を見かけまして。
     私は、狂児さんと歳が近いからこそ狂児さんの言動をまるっと誠実だとは思えない派なので、ちょっと自分の中のものを言語化したくなって書いてみました。

     * 前置き *

     私が言葉にするのは、あくまで私の感じたことのみ。
     誰かを否定する意図はまったくありません。
     いつも支部の小説キャプションに書いているように「みんなにみんなの狂聡あり」だと思ってます。

     解釈は人それぞれ。感想も感じ方も人それぞれ。
     お互い、自他境界を引いた上で、妄想と解釈を楽しみましょうということで……。

    (あと、あくまで現時点での感想なので、次の話が岡田回だったりしたら、手のひらクルーして狂児さんを絶賛してる予感がする)

     と、前置きを挟んだところで、以下に14話の極私的な感想を述べていきます。
     ひとつながりの文章で書けなかったので、箇条書きっぽく。


       * *


    ・まず、マックでのあの返答は、狂児さんなりの、今できる精一杯の誠実だと思っております(マクドをマックと表記することは許してください)。

    ・オヤジが死ぬまでヤクザ辞める気がない & こっち来たあかんよ、な狂児の立場から、「俺も聡実くんとずっと一緒にいたい💕」とは言えないでしょう。それこそ、どのツラ下げて言うてんねんですもの。

    ・よって、「キミが俺を必要としなくなるまでは一緒にいる」というセリフは、まだ学生の、モラトリアムなティーンに好意を寄せられている中年男として百点満点な誠実回答だと思います。

    ・あの瞬間を「点」で見れば。

    ・だって、そもそもまともな大人は中学生に声掛けないので……。

    ・自分からナンパしてきて引っ掻き回したあげく、勝手に名前まで彫っている身であれを言ってると思うと、聡実くんも「なんやそれは……」ってなるやろなって思うんです。「そっちから仕掛けて来たんちゃうの」っていう……もうちょいハッキリしてくれへん? って思うよなあって……。

    ・聡実くんから声をかけて関係が始まったケースだったら、狂児さんのあのセリフは、全然、文句なしの百点なのだけど。

    ・合唱コンクールと空港と、二回も(二回も)接触してきたのは狂児さんのほうだから……。

    ・空港での再会があったから、聡実くんは初恋を葬ることができなくなってしまったのでは……と私は思っていまして。
     あの再会がなかったら、生活環境も大阪から東京になったことですし、さすがに遠からず狂児とのカラオケも『紅』も思い出のワンシーンになっていたでしょう。

    ・つまり「物語を始めた」のも、「物語を終わらせなかった」のも、狂児さんのほうだよなって。

    ・刺青を見せて、先に色気の気配を匂わせたのも狂児さんだよなって……。

    ・それで、関係を切るタイミングだけは聡実くんに任せちゃうの? ちょっとズルくない? と思ってしまうのですよ……。

    ・もちろん、あのとき、あのマックでは、あの解答以上の誠実さは難しいということも、よくよくわかっております。
    (聡実くんは対等であろうとしてるけど、年齢的にも、社会人と学生という経験値の差としても、どうしても力関係の勾配がありますし……)

    ・でも聡実くんとしては、「なんやそれは……」と、第一声に出てくるよなーって。

    ・始めたのも、終わらせてくれなかったのも、狂児やん。腕に名前彫ってるのわざわざ見せてきてるし。「なんやそれは」だよな……。

    ・最初から「親父が死ぬまでヤクザを辞める気がない」のならば、「聡実くんにうっかり惚れられちゃう可能性」をあらかじめ潰しておくのが(惚れられないように注意深く振る舞うのが)、誠実な大人ってもんじゃないですか。

    ・まあでもそうなると狂聡が永遠に始まらないので、私は狂児さんのダメさに救われてるわけですけども。

    ・多分なんだけど、空港での再開後、最初は狂児のほうから「◯日に東京いくけど、ご飯食べよ😊」などと連絡をよこしたんだと思うんです。

    ・聡実くんのあの激塩対応を見るに、初手から聡実くんが「いつこっち来ますか? ごはん食べませんか?」などと積極的に誘っていたとは考えにくい。

    ・つまり、再会のみならず、関係の継続も、狂児から働きかけたものだったと私は思っています(聡実くんは嬉しかったことでしょう)。違うかもしれんけど。

    ・そして、若い頃からいろんな女に可愛がられてきた狂児には、自分がモテる自覚があるはず。

    ・モテる、つまり魅力を備えた大人の自分が、時間もお金もかけて、特別扱いで優しく接し続けていれば、相手が自分への好意を深めてしまう可能性があることくらい、狂児くらいの年齢と経験値なら想定できることやと思うんです。

    ・狂児が物語を始めた。そして終わらせなかった。東京での関係の継続を促し、さらに自分に向けられる好意の芽を摘むこともなく、のびのび育ててしまった。

    ・それなのに、自分の気持ちを主語にはせずに、「聡実くんが俺を必要としなくなるまではそばにいる」って……やっぱり私はなかなかにズルいと思っちゃうのですよね。

    ・すごく反発されそうな喩え方をすると、既婚者の中年男が、付かず離れずの関係でいる若い独身女に、「俺からはこの関係を続けたいとか言えないけど、キミが必要としてくれる間はそばにいるよ」って言ってるズルさみたいな……。

    ・手を出してないからセーフとかじゃなくて、離婚する気がないのなら(親父が死ぬまで辞める気がないのなら)、近付いて優しくして自分を好きにならせちゃダメじゃん、そもそも……という……。

    ・(BL的には「不倫の罪 >>> ヤクザと付き合う罪」って感じだけど、世間一般の倫理観では不倫なんぞより反社と付き合うほうが遥かにアウトなので……一発で懲戒免職の会社が多いと思う)

    ・まあでも、そうなると狂聡が始まらないので、私は狂児さんのダメさにめっちゃ救われてるわけですけども(二回目)。

    ・あそこで「俺も好きだよ、一緒にいたい」などと軽々しく言わない狂児さんだからこそ魅力的なわけだし。もし言っちゃったらそれこそ無責任。

    ・だからまあ「聡実くんが俺を必要としなくなるまでは~~」というセリフはだいぶ誠実なのだけど、でもそれって、「ここまで来たらどう転んでも無傷で済ませるのは難しい」ってところまで聡実くんの気持ちを育てちゃった上での誠実なんだよね……大人としてもっと手前でできることはあったはず。「明日行こか?」ちゃうねん。

    ・(批判の意図はありません。ただ私は、あのときの狂児さんの態度を「文句なく誠実な対応だ」とは思っていない、というだけの話です)

    ・(私はキャラに完璧人間であることを求めていないですし、道徳的であってほしいとも思いません。課外学習をサボらせてヤクザの群れに連れ込んでしまえる滅茶苦茶さと、煙草の匂いつけるわけにはいかないというまともな倫理観と、両方を同時に持っているのが狂児さんの魅力だと思っています)

    ・聡実くんのほうはどうなのかな。「関係を続けるも辞めるも、キミが自分で考えて決めること」みたいなの、しんどくないのかな。健やかで強い子だから大丈夫なのかな……大丈夫な気もするな……。あそこで頬を染めてありがとうございましたって言えるのとてもポジティブで強いと思う。

    ・もうひとつ強いなーと思うのは、聡実くんって、狂児からの好意自体はまったく疑ってないんですよね。

    ・僕とご飯を食べるだけ? それともストーカーですか? なんて言えちゃうのもそうだし、軽く豚まんウーバー頼むのもそうだし(はなから断られると思ってなさそう)、ついに「僕とどうなりたいんですか?」って、あれは相手の好意を確信した上でしか発されない言葉。

    ・「(あんたが僕のこと好きなことは知ってますけど、その上で)僕とどうなりたいんですか?」って聞こえる。

    ・なにか友人とは別の関係になる可能性を前提にしている言葉だと思うから。どんなに仲が良くても、just a friendには「自分とどうなりたいの?」とは訊かないよ……。

    ・「親父が死ぬまでは辞めへん」って言われたら、私だったら、こりゃ辞める目はゼロやな……って思うけど、聡実くんはあの言葉に可能性を感じていて、そこも強いなと思う。何年後、何十年後であっても、狂児がそのときまで自分に好意的であり続けることをナチュラルに信じてる。本当に強い。

    ・自分のトレーを置きっぱにしていくとこも強い。国民の末っ子。

    ・つまり何が言いたいかというと、空港での刺青を見せながらの愛情表現や、「明日行こか?」に込められた思いは、ちゃんと聡実くんに届いていて、胸の中に生きているんだなと思うわけです。

    ・だからこそ「なんやそれは……」ってなっちゃうよ……。能動的に関係を継続しておいて、好きアピールもしてきておいて、自分の気持ちを主語にして話さへんのんかいコイツ……って。

    ・腹立つなーで済ませてあげた聡実くん、本当に優しいと思う。狂児さんが聡実くんを「穏やか」という意味がよくわかった。

    ・しかし狂児って聡実くんを性的な意味でグルーミングする気はゼロなんだなと、14話で改めて思いました。そこは信用できる。四畳半からさっさと撤退したのも、グルーミングを避けるゆえだろうし。自分への好意の芽は摘まないが、性的ムードへの芽は摘んでいる。

    ・そのくせ聡実くんに会いたいという気持ちは隠さないし、実際ほいほい行くし会っちゃうし、聡実くんからの好意自体は拒絶しないという……なんて男だ。狂う。こんな男に惚れて、惚れられて、聡実くん大変すぎる涙

    ・あと本当に、何度も言いますけど、もろもろの帰結として迎えた「あの時点」では、あの返答が、狂児の精一杯の誠実だったと思ってますので……。

    ・じゃあ狂児はどうすればいいってんですか!! とか怒られそうなのですが……私に解答はありません。てか、あるわけがありません。

    ・だって、反社とカタギですよ。おまけに中年と未成年。ツイッターにわんさといる正義マンたちから「こちら側のどこからでも切れます」くらいの勢いでバチボコ怒られそうな関係性を、先生は、繊細に丁寧に、無二のものとして描こうとしておられる。誰ひとり疎かにせず。

    ・難中之難のことですし、私なんかの安っぽい想像なんて及びもつかない次元の話です……正座して着地点を見届けることしかできないです……。

    ・そもそも恋とか友情とかってものは、正論の埒外にあるものなので、当事者が納得いけばいいんだと思う。ほかの誰に咎められるのかと。聡実くんが十八歳になった今となっては。

    ・(余談ですが、『わがこころ君を恋ふると高ゆくや 親もちひさし道もちひさし』という与謝野晶子の歌っていいですよね……。本気で好きになっちゃったら世間も親も小さい小さい、知ったことか、って、明治の世に、女性の身で言い切ったのすごい)

    ・話を戻しますと。

    ・先ほど述べたように、私は、狂児さんのスタンスを、ちょっとズルいなあ、と思ってます。

    ・でも、それと同時に、カラオケに誘わざるを得ない衝動が四年前の狂児にはあったのだろうなぁ、空港で見かけて声を掛けちゃった(会いに行った?)のも、理性ではどうしようもないことだったんだろうなぁ、聡実くんのことめっちゃ好きなんだろうなぁ、狂児、人間っぽいことしてるなぁ、とも思います。

    ・とても人間的で愛おしいな、って。狂聡の二人はもちろん、登場人物みんなに思ってます。

    ・全員にそれぞれの強さと弱さがあるんだよね。狂児さんも、聡実くんも、マサノリも、純子さんも、みんなとても人間的。

    ・あと、誠実かどうかの話からは逸れるのですが、「狂児さん、わかるよ……!」と思うことがあって。

    ・やっぱり、十八歳の子の、今のパッションが永遠に続くと信じて、ヤクザ(というか長年従事してきた潰しのきかない仕事)を辞めるっていうのは、とてもじゃないけど出来ないよ~~って思います……。そこは狂児さんの側です。

    ・あの年齢の子の「ずっと」とか「永遠に」とかをまんま信じるの、かなりハイリスクじゃないですか……自分が十八歳を通り過ぎたからこそ、狂児さんの年齢に近いからこそ、そう思う……。
    (自語りで恐縮ですが、私も十八のとき超超本気で「一生大好きだよ」って彼氏に言ってたもん、二年も続かなかったけど……)

    ・若者の「好き」とか「ずっと」を疑っているわけじゃないんです。今この時点では本気なんでしょう、それはわかる、気持ちが小さいと見くびっているわけでもない。想いの純度はむしろ大人より高いことだって知ってます。

    ・でもやっぱり十八歳の「ずっと一緒にいたい」には、大人にキャリア捨てさせるだけの強度はちょっと……ないかなーーって……うう、お若い人に怒られそう。ごめんね。

    ・それに狂児さん、文集、知らないし。高校の三年間をかけても忘れられずに、下手すると一生手元に残る卒業文集にあんなこと書いちゃったなんて、あの人たぶん知らないからさ。難しいよねーって思いますね……。

    ・妄想だけど、年を取った組長さんのこと、狂児さんは見届けてあげたいんじゃないかな。葬儀をきっちり取り仕切って、立派に送り出してあげたいんだと思う。狂児にとっては親父だし、親を送るのって、子にとってひとつの人生のケジメだから。一般の会社の上司と違って、暴力団の場合は、辞めてしまったら二度と組長には会えないものね……。


     みたいなことを思ったのでした。


     最初と同じことを言いますが、私は他の誰の感じ方も否定しませんので、へーあらうみさんはそう思ったんだ~くらいの距離感でいてもらえたら嬉しいです😊

     ここまで読んでくださった皆様に感謝を申し上げます🙏✨
     長くなっちゃってごめん!

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    あらうみ

    MOURNINGツイッターのほうで、「14話の狂児さんに思うことが、その人の年齢によって違うっぽい」……みたいな投稿を見かけまして。
    私は、狂児さんと歳が近いからこそ、狂児さんの言動をまるっと誠実だとは思えない派なので、ちょっと自分の中のものを言語化したくなって書いてみました。
    あくまで個人の感想です。怒らないでね。
    14話のきょうじさんに思うことなど ツイッターのほうで、「14話の狂児さんに思うことが、その人の年齢によって違うっぽい」みたいな投稿を見かけまして。
     私は、狂児さんと歳が近いからこそ狂児さんの言動をまるっと誠実だとは思えない派なので、ちょっと自分の中のものを言語化したくなって書いてみました。

     * 前置き *

     私が言葉にするのは、あくまで私の感じたことのみ。
     誰かを否定する意図はまったくありません。
     いつも支部の小説キャプションに書いているように「みんなにみんなの狂聡あり」だと思ってます。

     解釈は人それぞれ。感想も感じ方も人それぞれ。
     お互い、自他境界を引いた上で、妄想と解釈を楽しみましょうということで……。

    (あと、あくまで現時点での感想なので、次の話が岡田回だったりしたら、手のひらクルーして狂児さんを絶賛してる予感がする)
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    あらうみ

    DOODLEキメステ(遊郭潜入)について思ったことをつらつらと😊
    解釈違いはスルーしてくださいませ。
    キメステ(遊郭潜入)感想キメステ今回もおもしろかったので、備忘録的に感想など。七千字を超えたのでお時間あるときにどうぞ。

    ※TOKYO DOME CITY HALLで生観劇1回、映画館でのライビュ1回行っただけなので抜けやらなんやらあると思います。すべて個人の感想&解釈なので、合わないところはスルーしてください。

    ※これを書いた人間は普段、100人も客が入らない箱で当たり外れの激しい小劇場演劇ばかり見ていて、大型の商業舞台をよく知りません。的はずれなこと言ってたらごめんなさい。


     * * *


     本番前から舞台上を役者さんがウロウロしているのすごく楽しかったです。ワクワク感が高まる!

     開演直前、アンサンブルの俳優さんから「スマートフォンを切ってね」などのアナウンスがあったのですが、その人がはけていくとき「ヒロさん!」と男性のツレに呼ばれていて、ああああなたがあの堕姫ちゃんの帯に建物ごとすっぱりやられて「ギャアアッ、ひ、弘さん、嫌ァァ!」と遊女に叫ばれていた、あのヒロさん! まだお元気そうで……案内までしてくださって、ウッ、頑張ってください(?)という気持ちになりました。
    7500

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    tknk_bl

    MOURNING年末に書いたこたつでまったりする現パロ猗窩煉です。完結の予定がないけどみかん食う猗窩煉見て欲しいのでアップします。めちゃめちゃ中途半端に終わってます。年の暮れ、午後3時頃。ストーブで十分に温まった居間の中央に置かれたこたつに、2人は向かい合って座っていた。

    年末の特番をぼんやりと眺めながら、特に内容の無い会話を繰り返して時が過ぎて行く。時折微睡んでは意識を取り戻して、またテレビを眺める。

    そんな穏やかで何気ない日常が何よりの非日常だった。だからこそ、こうして時間を消費してしまうことがどこか惜しくも感じる。

    何か仕掛けてやりたくて、猗窩座は突然こたつから這い出て立ち上がった。
    杏寿郎は相変わらずテレビで流れているお笑い番組に時々ふふ、と笑い声を漏らしながら眠そうに目をこすっていた。

    動かないとわかると、この場で仕掛けてやるしかなくなる。杏寿郎が座って潜り込んでいる横にわざわざ並んで座った。

    「……何をしてるんだ」

    「何がだ」

    欠伸をひとつしながら、狭い、と身を寄せるが、それを好機とばかりに体をねじ込んで居座る。

    「……なんでこっちに来るんだ」

    「この方が温い」

    そう言いながら、ぴたりと身を寄せ合う形で同じ位置に納まる。足元だけでなく、密着したところから広がるお互いの温もりで全身が温かくなってくる。

    しばらくはそう 1817

    saksak1100

    PROGRESS前に描きたいとこだけ描いたコレ
    https://twitter.com/saksak1100/status/1646444002517086208
    のお話の最初、鬼寿郎と❄柱の出会いの部分。
    ※注意※
    反転世界です
    超自由設定
    杏寿郎のIQが2

    文章書くの苦手です。日本語が不自由!
    漫画にする事を前提に書いているので色々雑ですが、それでもよいという方はどうぞ
    反転世界 👹寿郎と❄柱のお話 出会い❄柱と鬼 のお話 出会い


     霧雨が煙る中、猗窩座は紫黒に染まる叢林の中を足早に歩いていた。
     普段なら半刻もかからずたどり着ける場所に藤の家があるとなれば走って行くところだが、どうにも今日は足が重い。

     雨でただでさえ足場の悪い山道がぬかるんでいる事だけが原因ではない。
     今回の任務で倒した鬼はさして強いものではなかったが、たくみに姿を隠して随分と山の奥深くまで逃げ回られ、かれこれ三日はまともに睡眠と食事をとっていない。

     夜明けまではまだ随分と時間がある。雨宿りをして小休止をするべきか、全力疾走して一刻も早く藤の家で湯に浸かるかと迷う猗窩座の目の前に寂れた社が現れた。
     人の足が遠のいて幾年たったのか、苔むした柱と穴だらけで半壊した屋根、こういう場所には悪い気が凝っているものだ、早々に通り過ぎた方が良い、そう思う心と、腰を下ろして一息つきたいという気持ちを量りにかけて、猗窩座は後者を選んだ。 
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