子どもが生まれた。女の子だったら俺が、男の子だったら**が名付け親になろうと決めていたから、その子は**が名付けることになった。**はその子に碧と名付けた。みどり。俺たちのかわいい子ども。
碧は俺と同じ色の目をしていた。黄色と赤のオッドアイで、左右の位置だけが鏡写しのように異なっている。変わった色ではあるが、俺には幸い視力の異常はない。だから、この子もきっとそうだろう。……そうであってほしい。
髪は、俺のものでも**のものでもない銀色だった。俺の目の色も両親とはまるで違う色だったから、そういうおかしな遺伝をする血筋なのかもな、と笑った。
碧は賢い子だった。喋り出すのも早かったし、この年齢なら出来ないだろう計算なんかも簡単に解いた。親馬鹿と言われるかもしれないが、まわりの子どもたちと比べて明らかに大人びていた。
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