過去の記憶を持つフッチが現代の学生生活を満喫する話②△月◎日
テストが返ってきた。赤点はなし！
フリード先生のテストはいつも平均点が低い。満点取った生徒がいるって本当かな。あんなの教科書丸暗記してないと無理だよ。

△月×日
もうすぐ冬休みだ。爬虫類の世話をするから学校には通う予定だ。勝手にブライトと名付けているアルビノのトカゲがやっぱり一番可愛い。羽が生えないかなぁ。

△月●日
爬虫類の保温用ヒーターについて担任に相談したら週末買い出しに行くことになった。学校近くに動物用品の専門店があって、口下手で強面のおじさんが経営している。動物の言葉が分かるって噂だけど、そういう封印球あったなぁ。
　
△月□日
下校途中生徒会長とあの人を見かけた。話はしなかったけど、楽しそうな二人を見ているとすごくホッとする。ちょっとケントに会いたくなってきた。…この世界のどこかにいるんだろうか。
　
△月◇日
今日から冬休み！ヒーターの調子も良さそうで一安心だ。

△月◉日
ビックリした。向こうから話かけてくるなんて思わないから、咄嗟にどんな顔をしたらいいか分からなかった。ブライトに興味があるのは単純に嬉しいからいいんだけど。
　
△月■日
美術部で彫刻家を招いての講演会をするんだって。別に興味はないけど、城にでっかい守護神像たてちゃう人いたなぁとか考えてたら気になってきた。部外からでも参加できるのかな。

△月◎×日
図書室で宿題をしていたら、司書さんと生徒で楽しそうに話しているのが聞こえてきた。吸血鬼とかユニコーンとかグリフォンとか、この世界ではどれもみんなお伽噺なんだよね。竜もそうだけど、あんなに身近にいたのに。結局宿題はあまり進まなかった。
　
△月■◎日
今日も来ていたから少し勇気を出して僕の方から話しかけてみた。気さくで良いやつだった。あの時まだ僕はガキで、相手が何を考えているのかなんて想像もしていなかった。少し後悔している。（いやでも彼も年の割に随分と大人気なかったけどさ！！）
　
△月◇日
この記憶になんの意味があるんだろう。日に日に鮮明になっていくのに、現実はあの頃と乖離している。こんな時ハンフリーさんだったらなんて言うかな…………
　
△月■×日
何となく気になる人がいる。ずっと生徒会長のこと見ててどことなく訳知り顔だ。ただ上級生だし女の子だし、僕から話しかけるのもな…どうしたものか。
　　
△月◉日
フリック先生とビクトール（ビクトリーじゃなかった）さんが校外で二人でいるのを見かけた。すごく真剣な顔で話し込んでたけど、この時代で一緒にいるのは珍しい気がする。少し胸がざわつくのはなぜだろう。

△月◇日
ブライトの世話をしていたら双子の片方に話しかけられた。一瞬区別がつかなかったけど、あの口調…あれは間違いなく弟の方だ。ただ、かけられた言葉の意味を今日一日ずっと考えている。相変わらずだねって…………これってつまり…

△月◯日
下級生に手癖の悪い奴がいる。僕も知らない内にシャーペンをとられてた。最初羽がないから分からなかったけど、あの生意気な顔は覚えてるぞ。どうにかしてシドさんと連絡取れないだろうか！

△月×日
学校近くの駄菓子屋にタキさんがいた。ずっと駄菓子屋のおばあちゃんだったのに、思い出した途端急に親しみが湧いた。女子がよく相談に乗って貰っているらしい。僕も話を聞いてもらいたいな。
　
△月❏日
見間違いかな。水族館のチラシにアビズボア親子っぽいの載ってるんだけど。他人の空似？流石に見間違いだよね…………クラーケンって実在したっけ？