Intermezzoのお祝い用で書いたやつ供養 スタジオであるホテルの披露宴会場に入ると、甘い香りに包まれていた。何の香りだろう、と思って見てみると、ケーキが沢山置かれていた。
凄いケーキの量だな、と思って見ていると後ろから「そーちゃん」と声を掛けられた。
「環くん。あ、その衣装凄く似合ってるね」
「おー。そーちゃんもすっげー似合ってる」
「ありがとう」
「てかさ、ケーキの量凄くね!?」
「ファーストアルバムだからっていうのもあると思うけど、それにしては豪華だよね」
「すげーお祝いされてるみてー」
環くんはそう言いながら近づいてくると、耳元でぼそっと「会場も披露宴するとこだし、ほんとに結婚するみてーだよな」と言った。
「け・・・・・・っ!?」
「あ、そういえばあそこにある小道具とか、好きに使っていいんだってさ。見に行こーぜ」
結婚、というワードに思わず顔を真っ赤にする僕を置いて、環くんはさっさと会場の隅にある小道具置き場に向かって歩いていってしまう。何だか、遊ばれてるみたいだ。
「そーちゃん、何してんの?すげーキラキラしてるもんばっかでキレイだぜ」
「い、今行くよ」
小さく深呼吸をしてから、環くんの元に行った。そのテーブルの上に乗っているものは確かに全てキラキラしている物ばかりで、だけどそれを眺めている環くんの目が何よりもキラキラとしていた。
「キレイじゃね?」
「──うん。綺麗だね」
ニカッと笑う環くんに笑い返すと、何故か環くんがふっと真顔になった。
「環くん?どうしたの?」
「そーちゃん、左手出して?」
「左手?」
言われるままに左手を差し出すと、その手を取られ、小指に指輪が通された。
「た、環くん!?」