透明な氷 自分から飛び退いた恵に五条はきょとり、とした顔で。
「あぁごめん、まだだったか」
驚いちゃったね、ごめんね?
恵はその問いに答える事ができなかった。
いつものように抱きしめてきたうざったい腕が、氷のように冷たかったからだ。
「硝子~終わるまで預かっててくれる~?焼酎一本で」
「託児所じゃねえぞここは」
「いいってさ。はい、遊んでもらいな、恵」
五条と恵が揃わないと出来ない手続きがあり、高専へと連れてこられた。
手続きはただの置物でいられたのだが帰宅前に五条に用事が出来、少しの間だけここにいてよと寮に来た。
五条の部屋はもう片付けていて居るには寒いし、だったらと家入硝子の部屋へと恵は置いていかれた。
「まぁいいや。伏黒、だっけか。伏黒くん、五条のココアでいいかな」
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