Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    Hokori_pfpf

    @Hokori_pfpf

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 12

    Hokori_pfpf

    ☆quiet follow

    #skyn版ワンドロ・ワンライ
    お題:お揃い

    謎時空の謎話です。
    私が○○○服が大好きな人間なので着てくれないかな〜という邪な考えで書きました。中身はない。

    おそろい 関口ィ、俺とお揃い、イヤか?なんて目の前のヤノさんは首を傾げて俺を見つめる。俺はそんなヤノさんに、嫌なんてそんなことありませんよと咄嗟に返そうとして、慌てて口を閉じた。そして、できるだけヤノさんと目を合わせない様にふいっと視線を逸らすと、目の前のヤノさんがぴくりと肩を揺らしたのがわかった。
     なぁ関口ィと再び口を開くヤノさんに、部屋の扉からもういいかと声がして、俺は思わず扉に背を押しつけて、開かない様にドアノブをがっしりと掴んでしまう。そんな俺を見てヤノさんは驚いた様に瞳を数回瞬かせたが、すぐににっこりと──いや、この場合はにやりと、とでも言うべきだろうか。にやりと笑って俺のすぐ目の前に足を進めた。
     なぁ関口ィ、ヤノ1人じゃやなの。お前は俺の部下だよな?そしたら俺たちの絆あるよな?俺とお前はいつでも一緒、一蓮托生に運命共同、だよな?関口ィ。
     高いヒールをかつかつと鳴らして、ヤノさんは俺のすぐ目の前に立つ。いつもより少しだけヤノさんの背が高くて、いつもより少しだけヤノさんとの距離が近くて俺は無意識に喉を鳴らしてしまう。そんな俺を見てヤノさんはますます楽しそうに笑って、ふわりとレースを揺らして俺のジャージのファスナーに手を伸ばす。ジリジリと焦らす様にゆっくりと手が下へと降りていき、やがて1番下まで降り切ってしまった。全開になったことで涼しい室内の気温が服の中に入り込んで、ほんの少しの涼しさに思わず身を強張らせる。
     なぁ関口ィ、ヤノとお揃いしないか?俺大喜び、てかお前も着たらほろ酔いも驚きに変わるよ最高の試み。なぁなぁ関口ィ。
     一向に良い返事をしない俺に焦れたのか、ヤノさんはハァ、と小さくため息を吐いてもーいいよと頭を揺らした。結ばれたリボンが揺れて、ヤノさんの頬に触れる。
     信じてたんだけどなぁ、お前のこと。ぽつりとヤノさんが口にして、そこ退けよ関口と俺のことを見ずに命令をする。俺はヤノさんに申し訳ないと思いながらドアの前から体を退かそうとして──ヤノさんの腕が微かに震えているのを見て、ぱちんと脳に強い衝撃を受けた。
     俺はいったい何をしてるんだ?ヤノさんがこんなに嫌がって、困って、(おそらく)苦しんでいるっていうのに…何もしないなんてそんなこと許されるのだろうか?そもそも、ヤノさんがやれと言ったらYES以外の選択肢はないだろう、関口東吾。覚悟を決めろ。
     震える手でドアノブを掴むヤノさんの手に触れて、俺はにっこりと微笑んだ。ヤノさん、俺も着ます。着させていただきます。そんな俺にヤノさんはしばらくぱちぱちと瞳を瞬かせていたが、やがてにんまりと口角を上げて俺の肩のあたりをバシッと強めに叩いて笑った。そんなヤノさんを見て、俺は慌てて部屋の隅にある段ボールから衣装を手に取る。
     俺の様な男に合うサイズはあるのだろうかと一瞬不安に思ったが、何故かとてつもなく大きな物が用意されていて、良かったという気持ちとふざけるなという気持ちが一瞬頭の中を駆け巡る。あまり考えてはいけないと俺は頭を振って、できるだけ心を無にしてジャージを脱ぎ捨てて衣装を手に取った。
     白いシャツを着て、黒いワンピースを身につける。たっぷりの白いフリルが非常に可愛らしく、膝下の長さのスカートは履いてみるとふわふわと揺れて落ち着かない。その上から、真っ白なエプロンを被り、これまた白い靴下と手袋を身につけて、最後に安っぽいフリルのカチューシャを頭に身につける。一瞬、鏡で自分の姿を確認しようかと思ったけれど確認したら鏡を叩き割ってしまうかもしれないのでやめておいた。
     これまた何故かサイズが合う黒いショート丈のブーツに足を入れて、ぐっと立ち上がる。フリルを使ったスカートが思ったよりも重くて、少しだけ憂鬱になったが気にせずにヒールを踏み鳴らしてヤノさんの側に並んだ。
     俺の着替えをじっと見つめていたヤノさんは、完全体となった俺を見て何か言いたそうに…少しだけ申し訳なさそうに視線を下に逸らしたが、ぱっと顔を上げると関口ィ、似合ってるぞと笑顔を見せた。その心遣いが少しだけ心に染みて、うっかり涙が出そうになってしまった。
     さぁ行きましょうかと俺はヤノさんの白い手袋に包まれた手を取ってドアノブを握る。オーケーオーケーとヤノさんは初めの頃とは打って変わって楽しそうな声で答えて爪先を鳴らす。
     お揃いだな、関口ィだなんて、音符が飛びそうなほど楽しそうにヤノさんが笑う。そうですね、お揃いですねと俺も笑顔で返して、ゆっくりと扉を開ける。開け切る前に、これだけは言っておこうと俺は口を開いた。
    「ヤノさん、久しぶりのボスもいる飲み会で気分が上がるのもよくわかります。カードゲームなどで楽しむのも悪くないとは思います。ドブさんと賭けをするのも構いません。ですが…次は勝つか、それか自分自身を賭けに使うのは絶対にやめてくださいね」
    「……はぁい」


    「おっ、お前らやっと戻ってき…ってちょっと待てお前らふざけんな罰ゲームはヤノだけだろなんで関口も着てんだよふざけんな関口のインパクトが強すぎるだろ勘弁しろ待って本当に面白いやばいなこれちょっとボス!ボス見て下さいこれ」
     顔を真っ赤にして笑い転げるドブさんと、顔を真っ赤にして震えるヤノさんを見て、やっぱりドブさん1発殴らせてもらおうかななんて俺はぼんやりと考えて、目を閉じた。
     ちなみにこの後、もう2度と着ないあんな服!と愚痴るヤノさんに、でもお似合いでしたよと伝えたら、え、お前ってあーいうの好きなの?そーなの…とヤノさんはしばらく考え込んで口を開いた。
    「じゃあ、今度ヤるとき着てやるよ、メイド」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤👍👍❤☺☺👏💴💴💗💗💘☺☺👏🇻🇱🇴🇻🇪💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖❤🍼🍼🍼🍼💖💖💖☺💖☺☺👏👏❤💖💖👏☺👏💕💘💞👏💴💴
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works