おそろい 関口ィ、俺とお揃い、イヤか?なんて目の前のヤノさんは首を傾げて俺を見つめる。俺はそんなヤノさんに、嫌なんてそんなことありませんよと咄嗟に返そうとして、慌てて口を閉じた。そして、できるだけヤノさんと目を合わせない様にふいっと視線を逸らすと、目の前のヤノさんがぴくりと肩を揺らしたのがわかった。
なぁ関口ィと再び口を開くヤノさんに、部屋の扉からもういいかと声がして、俺は思わず扉に背を押しつけて、開かない様にドアノブをがっしりと掴んでしまう。そんな俺を見てヤノさんは驚いた様に瞳を数回瞬かせたが、すぐににっこりと──いや、この場合はにやりと、とでも言うべきだろうか。にやりと笑って俺のすぐ目の前に足を進めた。
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