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    mazetamagohan

    妄想を吐き出します

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    mazetamagohan

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    フィガロ誕生日おめでとう~~~~~!!!の気持ちで書いたフィ晶♀未満フィ+晶以上みたいな短いお話。
    BDカドスト、ホムボのネタバレあり〼

    BDカドストは誕生日前日(日付変わった瞬間お祝いしよう的なやつ)で、BDカードホムボが誕生日当日だったらなっていう妄想の元に成り立ってます。
    故郷の話を知ってる晶さんはもちろんだけど、あの感じだとレノさんもうっすらなにか察してそうじゃないですか???

    幸せを願う日「はい、どうぞ」
    「ありがとうございます」
     座り慣れないベッドに腰掛けて、フィガロから湯気の立つカップを受け取る。何度か吹き冷ましてから口をつけると、混ざり合うミルクの甘さとコーヒーの苦みが口の中に柔らかく広がった。
    「おいしいです」
    「それは良かった」
     にこりと笑ったフィガロは、机の上に残されたナイトパーティの名残りを片付けている。そしてその指先が、机の隅に置かれたプレゼント――南の魔法使いたちと晶で作った絵本の表紙を優しく撫でた。
    (気に入ってもらえて良かった)
     コーヒーをこくりと一口飲み、絵本に注がれる優しい眼差しに胸の奥が暖かくなった。
     故郷を失った鹿の話。以前パジャマパーティでフィガロが教えてくれたのだと南の魔法使いから伝え聞いた時、晶はそれがただの作り話ではないとすぐに気付いた。あれは、ある人物が実際に体験した、想像しただけで胸が苦しくなるような悲しい過去の話だ。
     あれは、フィガロのことですよね? 
     そうやってわざわざ確めようとは思わなかった。絵本を作っている最中、きっとレノックスも察しているのだろうなと感じたけれど、それも晶の胸の中に留めている。
    「今日はフィガロの誕生日ですから、なんにでも付き合いますよ。コーヒーを飲んだら森を散歩して、それからどうしますか?」
     晶が祝う側であるにも関わらず、フィガロが嬉しそうに提案してくれたから、まずはお手製のコーヒーをいただいていたところだ。もう一つの提案である森への散歩ももちろん快諾した。
     いつもよりも遅く起きてしまったが、散歩に行って帰ってきてもまだまだ時間はたっぷりある。意気込んでたずねれば、フィガロは「そんなに張り切らなくていいのに」と軽く眉根を寄せて笑った。
    「こうして君と一緒にゆっくり時間を過ごすだけで十分だよ。さっきも嬉しい言葉をもらったしね」
    「でも……」
    「なら、賢者様が行きたい場所に行こうよ」
    「え、私のですか?」
     それではどちらが誕生日か分からない。
     怪訝な顔をする晶に、フィガロは「うん」と頷く。ふざけているわけでも揶揄っているわけでもない、本当にそう思っているのだと分かる顔で。
    「だめかな」
    「……フィガロがそれでいいのなら」
     腑に落ちないまま了承して、コーヒーをまた一口飲む。
    (本当に、それでいいのかな)
     なんにでも付き合うと言った手前、それはだめですと断れなかったのだけれど。
     そんな晶をよそに、フィガロは片付けを終えると、絵本を大事そうに持ち上げて机のの引き出しにしまった。そして軽く寝癖のついた前髪を手で梳きながら、嬉しそうに目を細める。
    「楽しそうに笑っているきみの一番近くにいる。それって、とても幸せなことだなって思うんだ」
     大袈裟な、と笑い飛ばせる声音ではなかった。だから晶は「任せてください!」と握ったこぶしを見せつける。
    「私がフィガロを幸せにしますね」
    「あはは、熱烈だなあ」
    「それで、あの、城下町の東に、とてもおいしい焼き菓子のお店があるそうで――」
     そこに行ってみたいのだとおずおずと伝えれば、フィガロは片目をぱちりと瞑ってみせた。
    「任せて。フィガロ先生がどこにだって連れて行ってあげる」
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    mazetamagohan

    DOODLEフィガロ誕生日おめでとう~~~~~!!!の気持ちで書いたフィ晶♀未満フィ+晶以上みたいな短いお話。
    BDカドスト、ホムボのネタバレあり〼

    BDカドストは誕生日前日(日付変わった瞬間お祝いしよう的なやつ)で、BDカードホムボが誕生日当日だったらなっていう妄想の元に成り立ってます。
    故郷の話を知ってる晶さんはもちろんだけど、あの感じだとレノさんもうっすらなにか察してそうじゃないですか???
    幸せを願う日「はい、どうぞ」
    「ありがとうございます」
     座り慣れないベッドに腰掛けて、フィガロから湯気の立つカップを受け取る。何度か吹き冷ましてから口をつけると、混ざり合うミルクの甘さとコーヒーの苦みが口の中に柔らかく広がった。
    「おいしいです」
    「それは良かった」
     にこりと笑ったフィガロは、机の上に残されたナイトパーティの名残りを片付けている。そしてその指先が、机の隅に置かれたプレゼント――南の魔法使いたちと晶で作った絵本の表紙を優しく撫でた。
    (気に入ってもらえて良かった)
     コーヒーをこくりと一口飲み、絵本に注がれる優しい眼差しに胸の奥が暖かくなった。
     故郷を失った鹿の話。以前パジャマパーティでフィガロが教えてくれたのだと南の魔法使いから伝え聞いた時、晶はそれがただの作り話ではないとすぐに気付いた。あれは、ある人物が実際に体験した、想像しただけで胸が苦しくなるような悲しい過去の話だ。
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    mazetamagohan

    PROGRESS最終的にもうちょっと微調整するのであくまで『仮』サンプル……
    でも基本的な話の流れはここからは変わりません。

    メインスト2部・4周年後の時間軸で、舞踏会に参加することになった晶さんと、そのパートナーを任せられたフィガロが、すれ違ったり魔導書の中に取り込まれたりする話です。
    色々捏造してるしダンスに関してはド素人が想像で書いてます!!!
    【5/4新刊仮サンプル】私たちはお伽噺になれないプロローグ

     シンデレラ。
     意地悪なまま母と義理の二人の姉から虐げられ、灰かぶりと笑われた少女。
     魔法で生み出された美しいドレスを纏い、彼女はきらびやかな舞踏会へと向かった。
     裾からのぞくのは、シャンデリアの眩い光を反射しきらめくガラスの靴。普段よりも高い目線に臆することなく、靴音を響かせまっすぐに進む。
     あの美しい令嬢は誰だと、興味と好奇心の滲む囁きが耳に届いた。
     ひときわ豪華な衣装を身に着け、つややかな光沢を帯びるマントを翻しこちらへ歩いてくる青年は、きっと『シンデレラ』の運命の王子様だ。
    (それでも、私は――)
     迷いも疑問も振り捨てて、晶は一つの決意を固める。そして立ち止まると、ドレスの裾を大きく持ち上げた。
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    mazetamagohan

    DOODLEネと晶さんが一緒にいることに気付いていた先生が、ほんの少しの嫉妬心でネに「昼間、何を話していたんだ」と聞く→二人の関係を知ってるネが笑いながらその時の状況を話した、みたいな感じを想像してます😋

    ※ネは自分でも言ってる通り親切心で晶さんに悩みを打ち明けさせたし、自分が気に入ってる二人(晶さんと先生)がうまくいくといいなって他意なく思ってる
    甘えたい晶さんとファウストのふぁうあき「いいなあ……」
     食堂の窓の外、中庭で繰り広げられる穏やかな光景に、気付けば思ったことがそのまま口から零れ出ていた。
    「いいな? ――ああ、あれか」
     濡らした布巾を手にキッチンから出てきたネロが、晶の独り言に小首をかしげながら同じように中庭へ視線を向け、そして納得したように頷く。
     穏やかな日差しの差し込む中庭には、影のように真っ黒な人影が一人、木の傍に腰を下ろしていた。その膝には三毛柄の猫が、心地よさそうに腹を見せて寝転がっている。
    「あんたもファウストも、本当に猫が好きだな」
    「あっ、いえ、そうではなくて……」
     くくっ、と喉の奥で笑ったネロに、うっかり首を横に振ってしまって、反応を間違えたと後悔した。これでは晶の先ほどの独り言について、確実に言及されてしまう。
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