ひまわりひまわり。
毎年この時期になると僕はひまわりを持って彼の元に訪れる。ここは都心から離れた郊外の街で人も疎らだ。仕事上ここには季節の変わり目にしか来れなくて。僕にとってここは季節を感じるところでもあり同時に彼の存在を感じるところだ。
ひまわりの束を持って彼の部屋をノックして入る。返事はない。もう何度もしてる行為なのにその度に期待をしてしまう。彼が目覚めてるのではないかと。
「司くん、来たよ。今日はひまわりを持ってきたんだ。」
そう言って僕は寝ている彼に語り掛ける。司くんはずっと眠り続けている。あの日からずっと。あの日僕らは会う約束をしていた。いつも通り他愛のない話をして楽しむはずだったのに何故かその日はいつもと違っていて。
3101