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    shinyaemew

    @shinyaemew
    訳あってすけべなのはすべてリス限にしてるが、成人検査しかしてませんのでお気軽にリプやらリス限告知ツイやらでそっと挙手頂ければすっとリスインいたします

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    shinyaemew

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    仄暗い類司

    ##類司SS

    色を失くしたワンダーランド その日、ワンダーランドのセカイは色を失った。

     空を飛ぶ汽車は地面に倒れ、綿菓子のように甘い匂いをしていた雲はグレーに染まり、高く昇り、雨を降らす。

     いつも元気よく跳ね回る猫耳の少女も、太陽のように眩しい金髪を持つ二人も、力強く頼りになるお姉さんのような存在も、微睡んだ顔が魅力的なあの子も、みんなを囲むぬいぐるみ達も、そして、セカイのことを一番よくわかっていそうで、でも何も教えてくれない、ミステリアスな男も。

     誰もいない。

     夢にも嘘にも幻覚にも見える異様なセカイで、もう動かすのも億劫な両足を引きずり歩く。

     一か月前に突如姿を消した、天馬司を探すために。












    「それでそれで? 司くんはどうして消えちゃったの~!?」
    「それが思いつかんから、こうしてミクたちにアドバイスを聞きに来たんだが」
    「やれやれ、今回は少し悲しげなストーリーをやるぞ~と言ったのは司くんなのに、僕の一人芝居かい?」
    「ち、違う! オレも寧々もえむもこれから出てくるんだ! だからここをまずこう……ぬあ~! 思いつかん……! 何かアイデアはないのかカイト~!?」
    「う~ん…… まだとても抽象的だからね……」

     カイトさんにもお手上げと見て、困り果てた彼が手でガリガリ搔いている後頭部は、青空から降り注ぐ光に反射してきらきらと光った。秋色に染まったようないつもの綺麗なグラデーションに、ひどく安心する。

    「司くん、今までのヒーローものじゃあダメかい?」
    「む、ダメというわけではないが……」

     僕の声に振り向いた彼からぐちゃぐちゃになったノートをもらい、前のページに残っていた既存案を見せた。

    「新しいスタイルにチャレンジするのも大事だけれど、残念ながら、今の進捗じゃ時間的にもう次の公演に間に合いそうにない。この案はもう少し寝かせておいて、今度何か閃きがあった時に使おう」
    「む……仕方ないが、そうするしかなさそうだな」
    「ありがとう」
    「? なぜ礼を言うんだ」
    「淋しい一人芝居を回避できたから?」
    「だ、だからあれは違うと……! というか、一人前の役者なら、一人ででも舞台に立てるようにならなければいけないんだぞ!」
    「僕はもう一人ではショーができなくなってしまったからねぇ」
     
     反論する司くんを懐に納めたら、彼はミクやカイトの前で恥ずかしくないのかと暴れるが、意地でも離してあげない。

     それに、そのミクくんやカイトさんは、君の思うような反応はしておらず、思い出しなくない思い出にでも引っ張られたように、物悲しい顔をしているからね。

    「……もう、二度と離さないから」
    「なぬ!? 今夜は咲希が当番だから泊りには行かないぞ!?」
    「えぇ~じゃあ僕が泊まりにいこうかな?」
    「む…………食材が足りるか聞いてみるから待っていろ」
    「わーい」

     僕に背中を向いてはスマホでぽちぽち入力する彼の肩に顔を埋め、僕は沸き上がりかけた色のない記憶に再び鍵をかけた。





    ◆◆◆




    補足説明:

    よくないことが起きて心を閉ざした司くんを、よくない記憶を削除したことで何とか救い出した後の話。こういう状態だけどまだギリ付き合ってはいない。
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