目が覚めると、そこは無機質な部屋だった。
十分な光はあるものの、今自分が寝かされているベッド、そこから繋がる鎖、簡素なテーブルに何も入っていない棚…それ以外にはドアしかない。
思わず体を無理やり起こそうとした、があまりにも重い体に思わず呻き声が漏れる。
ぐわん、と引っ張られるかのように走る頭痛が己の不甲斐なさと不自由さをこれでもかと示しているようだった。
起き上がるのは諦めて、視線だけで自分の置かれている状況を確認しようとする…手首には大袈裟な手錠、そしてそこから伸びる鎖はどこかへつながっているようだったが、移動は見込めないだろう。
足を動かしてみるとじゃらり、と音がしたのでそちらの方は見なくたって想像はつく。
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