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    hatori2020

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    hatori2020

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    25いいねされたら、「スマホに身に覚えのない写真があった攻め」を何とかしてハピエンにします!完結しました!

    ○材料
    ・我妻善逸 23歳。大学生。付き合って2年半になる可愛い彼女がいます。過去に数人付き合った彼女がいます。
    ・竈門禰豆子 21歳。大学生。善逸の彼女。お付き合いはこれがはじめてです。
    ・モブ 量産型を想像してください。

    1、まずは不幸にします。

    六月の後悔雨の音が聞こえる。今日も雨だ。洗濯物は部屋干しだ。
    善逸は夢うつつにそんなことを考えていた。
    ひとり暮らしもはや2年。洗濯物はまとめてやるより、こまめにやった方がいいと気づいたのはいつだったか。
    気だるげに半身を起こした。朝だというのに、薄いレモンのレースカーテンの外は薄暗かった。
    頭に靄がかかっている。
    「あー……、飲み会か」
    昨夜は、サークルの飲み会があって、どうやらしこたま酒を浴びたらしい。二日酔いしない体質だが、珍しいことに昨夜の記憶がすっぽりと抜けていた。たぶん、これは疲れと寝不足と禰豆子不足だ。
    2週間近く、学業やらバイトやら鬼狩りやらでいそがしかった。
    昨日の記憶で覚えているところは、一気飲みをしたまでで、隣にいた女の子がきゃーきゃー叫んでいたような気がする。あれ、それは隣の席の女の子だっけか? まあ、どっちでもいい。黄色い歓声をもらったのは確かなんだから。
    枕元に置いてあったスマホがメッセージを知らせた。家に着くと、愛しの禰豆子からの着信を絶対に何がなんでも逃したくないからすぐマナーモード解除してるのに、それさえ忘れるほど泥酔していたようだ。我妻善逸、痛恨のミス。ちなみに、外ではいつもマナーモード。鬼狩りしてるときに、スマホを鳴らして居場所を教えたくない。
    メッセージは昨日の飲み会メンバーからだった。
    『昨日、まじヤバかったな。竈門には内緒にしておいてやるよ。でさ、一昨日のノート写真送って🙏寝てたわ』
    は?なんのことだか。ようやく想いが叶って彼女になってくれた禰豆子に、秘密を作るようなやましい事なんて絶対にしない。
    首をひねりつつ引っ張り出したノートの写真を撮った。写真を送ろうとした善逸はそこでピタリと手を止めた。
    「え?」
    撮ったばかりの写真の横に、見たことの無い写真があったからだ。
    慌てて、写真フォルダを開く。
    二枚、身に覚えのない写真が撮られていた。
    酔いどれの自分が見知らぬ女の子を抱きしめていた。マンションのエレベーター内で撮られたもので、エレベーターにある鏡を利用して撮っている。しかも、自分の顔がやばい。人の悪い顔で笑っていた。
    「…………え?」
    二枚目を見た時に、一気に血の気が引いた。眠気なんてあっという間に引いて、あるのはぞっとする喪失感だ。
    とても大切なことを汚してしまった、かもしれない。
    二枚目の写真で、善逸は女の子のお尻を空いている片手で掴んでいた。短い丈のスカートがめくれ上がって、付け根がギリギリ見えそうだ。
    「ま、さか」
    恐る恐るゴミ箱を覗いて、空っぽなことに安堵する。が、逆に空であるから余計に怖いことも考える。いや、まさか。そんなことはないはずだと願いたいが、性欲とテクニックはひとりしか向けてないくせに自信だけはあった。
    絶対にヤリたくなるし、絶対にヤリたくなるようにしてあげる。
    だから、使用済みがないことに安心なんか出来なかった。
    「……これ、もしかしてサラちゃん?」
    写真の女の子を知らないと言ったが、正確にはわからない。撮った写真は明らかに善逸が隠し撮りしたものらしく、女の子の顔は陰に隠れて見えない。しかし、服装からして、なんとなく思い当たる女の子がいた。
    善逸のはじめての彼女だ。クリスマスに付き合って、ホワイトデーに振られた。つまり、クリスマスプレゼントとホワイトデーだ。
    彼女は、体のラインがわかる可愛い服装が多かった。写真の女の子はまさにそれだ。
    ニットミニワンピ。たぶんそんな名前だったはずだ。体にピタリと沿うタイプのワンピースで、丈はとにかく短い。階段で見かけたら、つい見上げちゃうくらいに短い。短いスカートからは、真っ白でスラリとした脚を惜しげも無く晒し出していた。
    昨夜の飲み会で、サラに出会ったのかもしれない。思い出してみると、彼女が通っていた短大が飲み屋の近くにあった。そこで何らかあって、シラフでない自分はサラをお持ち帰りして。
    雨が突然やんだ。だけど、遠くから雨の音はする。
    「……?」
    違う!
    雨の音だ思っていたのはシャワーの音だ。
    足を忍ばせて、そっとドア開ける。狭くて短い廊下にバスルームとトイレと、反対側におままごとみたいなキッチンがある。
    そこでギクリとした。
    キッチンを使ったらしい。禰豆子のために善逸が買って、彼女も喜んでくれたエプロンを使ったみたいだ。エプロンが畳まれて置かれていた。
    音を立てないようにお鍋の蓋をあけると、良い匂いのするコンソメスープが作られていた。
    「……」
    善逸は唇をかんだ。
    このお鍋も禰豆子と選んで買ったものだ。横には色違いで買ったスープカップが出されている。ピンクのウサギは禰豆子のカップだ。これは使わせたくない。善逸はそれを奥深くにしまった。
    「っ」
    見たくないものを見てしまう。
    サラが脱いだらしい服がバスルームの前に畳まれて置いてある。写真で見たニットワンピの上に、パッションピンクのブラの揃いのパンツ。光沢感のある下着なんてAVの世界だけだと思っていた。善逸は苦々しく目を逸らした。
    ……禰豆子の下着はいつも清楚でさわり心地の優しいものばかりだからだ。
    このまま善逸が財布の中身を全部おいて、家から出てしまえば、風呂から出たサラは何事もなかったかのようにお金だけ取って、なかったことにしてくれないか。そんな卑怯な考えが浮かぶ。
    ちらりと玄関に顔を向け、そこでもやるせないものを見た。
    先日、禰豆子が遊びに来てくれたときにふたりで掃除をした玄関に、禰豆子が決して履かないタイプのロングブーツがあったからだ。男のプライドを踏み抜きそうな高いピンヒール。
    「あ!」
    急いで部屋に引き返した。
    サラがシャワーを浴びてて、着ていた服が外に出てるなら彼女は何を着てくるのか。
    クローゼットの中を確かめると、そこにはなかった。
    善逸は無言で罪悪感を押し殺しながらクローゼットの扉をしめた。
    禰豆子がはじめてお泊まりに来てくれたとき、禰豆子のパジャマは高校時代のジャージだった。ジャージ姿も愛くるしいけど、可愛い禰豆子には可愛いルームウェアが似合うはずだとジェラート×ケを2回目のお泊まりのときにプレゼントした。
    すごく、すごく喜んでくれた。あれだけ喜んでもらえると、プレゼントした善逸も嬉しくて、禰豆子を可愛いと心の奥から思った。
    ずっと禰豆子を大切にして、ずっと彼女を守っていきたいと、そう思っていた。
    クローゼットの中には、禰豆子が大切にしているルームウェアがなかった。
    つまり、サラが着替えとして持ち出したのだろう。
    善逸は顔を上げた。
    最近に購入したシャツを掴んで、バスルームの前に置く。深呼吸を1回、2回。
    よし!
    「おはよう。ごめんね、そっちのルームウェアは着ないでこっちの俺のシャツを着て」
    と、言い切って返事を待たずに部屋に戻った。嫌だとは言わせたくなかったからだ。
    少ししてからドライヤーの音が聞こえてきた。
    部屋の中央で善逸は正座をして待っていた。ドライヤーの音が止まる。彼女が、サラが廊下を歩く音が聞こえる。
    彼女がドアをあける寸前で、善逸は土下座をした。
    そうして、ドアは開かれる。驚いた彼女の息を飲む声がクリアに聞こえた。
    ペディキュアをほどこしたきれいな足の爪が視界の端に見えた。
    部屋に入ってきた彼女はその場から動かない。善逸は土下座してた体勢をゆっくりと戻した。
    謝罪をするなら目を合わせたい。現実から目を背けない。誠心誠意で謝罪したいからだ。
    たとえ、彼女が遊びであろうとも本気でも、自分には禰豆子がいる。だから、これは全部、善逸の過ちだ。
    背筋を伸ばして、入ってきた彼女をまっすぐ見た。
    「…………」
    禰豆子だ。
    「…………?」
    現実を受け入れたくないのは分かる。善逸は目を閉じてから、もう一度開けた。
    やっぱり禰豆子だ。
    目の前には禰豆子がいた。善逸がバスルームに置いたシャツ1枚を着て、きょとんとしている。
    「善逸さん、何しているの?」
    「ちょっと待って、禰豆子ちゃん。いま、俺パニクってる」
    いやいや、待て待て。
    片手で額を押さえた。
    昨夜、善逸は禰豆子以外の女の子といたはずだ。証拠に身に覚えのない写真がある。写真のデータは昨夜の1時5分を示し、善逸の住むエレベーターで撮られていた。
    その女の子が着ていたニットワンピもバスルーム前に置いてあったし、派手なブラとパンツもあった。玄関にもブーツが置いてあった。
    「……禰豆子ちゃん? 本物の禰豆子ちゃん?ってか、なんで禰豆子ちゃんがここにいるの? え?」
    「もしかしたらそうかなぁって思ってたんだけど。善逸さん、昨日のこと覚えてない?」
    「あー…。はい、覚えないです」
    「そっかぁ。じゃあ忘れたままにして欲しいなぁ」
    「え!? こんなに俺混乱してるのに!?」
    「うん。だって恥ずかしいもの」
    「恥ずかしい? 一体何があったの。禰豆子ちゃん、昨日何があったのか教えて」
    禰豆子は正座している善逸の後ろに回って、背中合わせになるように腰を下ろした。
    「こっち向かないでね、絶対だよ」
    「う、うん」
    外から聞こえる雨の音のように、ぽつぽつと禰豆子が話し始めた。
    「この間、善逸さんと一緒に玄関のお掃除したよね。……あのね、その時に見つけちゃったの」
    「え、何を?」
    見つけられて困るものは全部クローゼットの上段に押し込んである。そこは禰豆子の背丈では届かないから見つかってないはずだ。だけど、しまい忘れたものがあっただろうか。一瞬、血の気が引いた。
    「分かんない?」
    「ごめん。わからないよ」
    「……善逸さんの、前の彼女さんの写真。可愛いひとだったんだね」
    「えっ」
    「どこかのレストランで撮ったチェキが下駄箱の奥にはさまってたの。……わたしが善逸さんのはじめての彼女じゃないのは最初から知ってたよ。だけどね、ちょっと」
    ショックだったの。
    と、囁くように禰豆子が言った。
    胸が痛かった。
    前の彼女はみんな善逸にとって大切だったけど、相手にとって善逸はそうではなかった。だから、幸せだったかと聞かれれば半分幸せ、もう半分は苦いだけだ。
    「ごめん、禰豆子ちゃん」
    「謝ることなんてないの。だって、あれはわたしと出会う前。過去を責めるほど心狭いつもりはないの」
    もたれかかっていた禰豆子が少し軽くなった。彼女が背を浮かせたからだ。
    「わたし、あんなに短いスカートなんて持ってないし、靴だってぺったんこだよ。……ああ、やだな、言いたくないな。──あのね、負けたくないってそう思っちゃったの。だからね、あんな服も買って、ブーツも買って、……下着だってわたしらしくないの買ったの。本当に馬鹿だよね」
    「……え? 待って。じゃああの服は全部禰豆子ちゃんで、写真の子も禰豆子ちゃんなの!?」
    「写真?」
    「これだよ!」
    そういってスマホの写真を見せると、禰豆子は目を丸くした。
    「こんなのいつの間に撮ってたの、善逸さん。やだ、恥ずかしいから消して」
    「消したら、今すぐにこの服着てくれる?」
    「え、今?」
    「今です!」
    「うーん……。いいけど、下着は替えないよ?」
    「あのテロテロしたパッションピンクのパンツとブラですか! くっ、あとで着てくれるよね!?」
     食いつく善逸に禰豆子が小さく笑って、着替えるために部屋から出た。答えは保留になってしまった。
     ドア越しにふたりは会話を続ける。
    「ねえ、善逸さん。なんでさっきルームウェア着ちゃ駄目って言ったの?」
    「ん、あー……」
     言いにくいけど、黙っているより正直に話した方が誠実だ。
    「禰豆子ちゃんが着そうにない服があって、ブーツもあって、昨夜の記憶がない。状況証拠でね、最悪を思ったんだよ」
    「女の子を連れ込んだって? だから善逸さん、わたしが部屋に入ってきたときあんな体勢してたんだ」
     しゅるりと衣擦れがドアの向こうから聞こえる。禰豆子があのとんでもなく色っぽいワンピを着たのだろうか。
    「うん、禰豆子ちゃんじゃないと思った。だから、すごく怖かったし、ひどいことをしたって思ったんだ」
     あの瞬間の絶望を思い出した。地面がなくなって、一気に落下していくかのような恐怖。
    「もう俺、あんな泥酔するほど飲まないよ。ってか、禁酒します! 金輪際、酒なんて飲まない」
    「善逸さんは」
     そこで禰豆子の声が聞こえなくなった。耳を澄ますと、物音は聞こえなくて禰豆子の着替えが終わったようだ。だけど、彼女の次の言葉はいつまで経っても聞こえてこない。
    「禰豆子ちゃん……?」
    「…………酔っ払ったら、わたし以外の女の子を連れ込んじゃうかもしれないの?」
    「俺にはもう禰豆子ちゃんだけなんだ。だから今回のこと、すごく怖かった」
     ごくりと善逸はつばを飲んで、生き恥をさらす。
    「本当に禰豆子ちゃんじゃないと、もう駄目なんだよ。……その、言いにくいことで禰豆子ちゃんにはどうでもいいことで、むしろ聞きたくないことかもしれないけど……」
     深呼吸をひとつ。
    「俺、禰豆子ちゃんじゃないとイケないんだ。ひとりでしてるときもいつも禰豆子ちゃんだよ。だから、これだけは確実なんだけど、どんなに酔っ払って他の女の子とエッチしても俺にはその女の子が禰豆子ちゃんにしか見えてない。気持ち悪くてごめんなさい!」
     ぶわっと首から顔まで決まり悪さで熱くなっていくのが分かった。禰豆子とエッチをしていても、自慰事情を明け透けに話せるわけではない。特に妄想のなかで彼女を何度も汚しているのだから。実際に抱いた回数よりも、妄想のなかで抱いた数のほうが多い。
     しんと静まり返った部屋の外からしとしとと雨音だけがする。
     その静寂を遠慮深く破って、ドアがゆっくりと開けられた。
    「うわあ……」
     ドア向こうに、エロいのがいた。
     禰豆子の細い体に沿うようなニットワンピは、胸の柔らかな膨らみから両手で掴めるほどに頼りない腰、そこから流れるように張ったお尻のラインは男の目を楽しませる。丸いお尻からすぐにニット生地は終わって、真っ白な太ももが気前よく出されている。写真で見たときよりもスカート丈は短いように思えた。
    (え、これってしゃがまなくても後ろからパンツ見えてんじゃない!?)
     勢いよく立ち上がって、呆気にとられている禰豆子を尻目に背後に回る。
     後ろ姿もえっちい……。じゃなくて!
    さすがに下着は見えなかったが、物を拾うとしたらバッチリと見えてしまうだろう。
    「禰豆子ちゃん、重大な案件がひとつ。この服でまさか竈門家から来たわけじゃないよねえ! お願いだから違うって言って! だって俺のマンションまで電車二本乗り継がなきゃだし、ついでに禰豆子ちゃんのお家から一番近い駅って階段しかないよね! しかも昭和初期っぽいあの急な階段! いくら利用者が一桁な駅だっていってもこんな短いスカートで可愛い禰豆子ちゃんの可愛いお尻だよ! いぃやあああ! くっそ、禰豆子ちゃんのパンチラなんて見た野郎いたら目ん玉えぐり出してもまだ足りない!」
    「あ、あの。善逸さん」
     禰豆子がおずおずとお尻のスカート丈を押さえた。そうするとまた丸みが分かって堪らない。
    「えっと、最初はね着ていこうと思ったんだよ。でも、いざとなったら恥ずかしくて、この服に着替えたのは善逸さんのお家の最寄り駅でだよ」
     微妙に安堵したが、最寄り駅からマンションまで何人の男の目にさらしてきたのか。考えるだけでも癪に障った。
    「善逸さん、もう服、着替えてもいい?」
    「待って。もうひとつお願いがあります」
     自分の図々しさに呆れもしたけど、さっき暴露してしまったように善逸の性癖は全て禰豆子へと帰結する。だったらこの懇願だって大体筋が通っている。厚顔無恥は性癖暴露で吹き飛んでいる。
    「禰豆子ちゃん、前を向いて」
     禰豆子は素直に前を向いてくれた。それを後ろから座って眺める。
    「うん。いい子だね。次はね、膝を伸ばしたまま、ゆっくりと両手でつま先に触って」
     禰豆子が上半身を屈めた。足は伸ばしたままなので、短いスカート丈はするすると持ち上がっていく。
     そうして。
    「え……ノーパン」
    「あ!」
     ほろりと口に出た言葉に、禰豆子が思い出したかのように慌ててお尻を隠したが、もう遅かった。見えちゃった。
    「善逸さん!」
    「ご、ごめん。そんなつもりはなかった。いや、あったよ! あったけどこれは予想してなかった。ありがとうございます、禰豆子ちゃん」
    「えっち。もう知らない。わたし、服着替えてきます!」
    「待って」
     禰豆子を捕まえると、彼女は恥ずかしさと少しの怒りで頬が紅潮していた。むうと寄せられた眉が愛らしくて、善逸はでれっと相好を崩した。
    「やっぱり善逸さん、こんな服装が好きなんでしょう。だから興奮してる。わたしが絶対に着ないお洋服だもの」
    「うん。大好き。それは否定しないけどさ、でも俺が好きなのは禰豆子ちゃんだよ。禰豆子ちゃんが着れば、ロリータだろうがパンク系だろうが何でも興奮しちゃうよ」
    「あ! 善逸さん!」
     背中を探れば、やはりブラも着用していない。腕の中で禰豆子が小さく身震いした。怒っていても意に反していても、禰豆子の身体は善逸に従順だ。それが禰豆子には面白くないことなのだろう。彼女は抗うように身をよじった。
    「やだ。わたし着替えてくる」
    「……着替えちゃうの? 着替えちゃうんだったら写真消すの、もうちょい待って」
    「でも着替えたら消してくれるって約束だったよね」
    「うん、消す。……でもその前に、あの禰豆子ちゃんを使わせて」
    「使うの? 何に使うの?」
     こんな時にいつも聡い禰豆子は鈍感になって、善逸は恥を捨てて露骨に言わなくてはならなかった。
    「──禰豆子ちゃんのえっちな恰好とえっちなところ見ちゃって興奮してるんで一発抜かないと治まらないの。えっちな恰好してる禰豆子ちゃんの写真見ながらひとりでしてきます!」
     禰豆子を離すと、何故か彼女はまじまじとこちらを見て、そろりと視線を下げた。まずいことに下半身は自重していない。だって仕方ないでしょう! と、言い訳じみるとさっき見た光景がフラッシュバックした。
    「善逸さんが、ひとりでするの?」
    「え、まあ」
     突然の禰豆子の質問に面を食らった。嫌悪の音がしたら最悪だったが、幸いにもそんな音はしなかった。
    「……わたしを思って?」
    「うん。……と言うか、禰豆子ちゃんのこと考えないとダメと言うか」
     うにゃうにゃと最後は恥ずかしさで誤魔化す。
    「……前の彼女さんはちっとも考えないの?」
    「これっぽっちも考えないよ」
     断言する。前カノは萎えしかない。思い出すだけでザラリとした不幸を感じる。
     禰豆子が戸惑う様子で、自分の肢体をひっそりと抱いた。
    「この恰好を、善逸さんは思って、……するの?」
    「うん。今だって抱きたい。でも、禰豆子ちゃんが嫌がってるから」
     乾いた唇を赤い舌でちろりと禰豆子が舐めた。その仕草はまるで誘っているかのようで、知らずに善逸は拳に力を込めた。喉が乾く。
    「──ねえ、わたしを抱きたいの……?」
     その言葉はもはや誘い文句だった。イエスもノーもなく、崩れ落ちるように善逸は禰豆子を抱きすくめてベッドに押し倒す。
    「ぁ」と、か細い声だけを許して善逸は貪るように禰豆子の唇に噛みついた。
     真っ白な足が宙を掻く。そのつま先は禰豆子らしくなく、しっかりとペディキュアが塗られている。片手に収まる小さな足を掴んで、善逸は静かに足を広げさせた。ニットワンピの下は何も付けていない。憚りある湿り気が音を立てた。

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