無題「きーよーみーつっ!」
「げぇっ…見つかった…」
物陰に隠れて畑当番をサボろうとした犯人は、子供のように唇を尖らせて拗ねた様子だ。早速サボりが見つかり、バツが悪いらしい。
「この本丸の初期刀兼近侍様が率先して内番サボってどうすんのさ。ほら、さっさと立って行くぞ!」
「うぅ〜、それはそうなんだけど…嫌なもんは嫌なんだよー。…わかったから!ちゃんと行くからもうちょっと休ませてよ」
「…はぁ、ちょっとだけだぞ」
我ながら甘いとは思うが、コイツが近侍として日々本丸を支えるためずっと働きづめなのは知っている。
元の主の腐れ縁として、そして恋刀として、僕だって少しは甘やかしてやりたい気持ちはあるのだ。
「えっへへ〜、やったー!んじゃ、もうちょっとサーボろ!」
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