おっぱいの日にならなかったなんだか今日はすごくウルフウッドからの視線を感じる。
ほら、また。僕がウルフウッドを視界から外すたび、じとりと湿度の高い視線を投げかけてくる。恥ずかしくてつい気付かないふりをしてしまったけれど、好きな人にこんなに見つめられたらどうにかなってしまいそうだ。
「なあ」
「っな、なに!?」
わ、わ、声がひっくり返っちゃった。どうしよう、変に思われちゃう。
「おどれちょっと、コート脱いでみ?」
「えっ!?」
ちょっと待って、僕たちまだそんな関係じゃないのに脱げだなんて。確かに宿に泊まれるのは久々だし、車の中で寝るのと違ってふたりきりだけど!
焦っている僕のコートに、煙の匂いが染み付いたウルフウッドの指がかかる。
待って、待って、ウルフウッドに脱がされちゃうなんてそんな、僕どうされちゃうの、もしこのままベッドに押し倒されでもしたら、そんな、心の準備もできてないのにっ……!
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