はじめてのご挨拶信「(12月入ってソワソワ)」
十「なんです。鬱陶しい」
信「バカ、お前正月だぞ」
十「だからなんです」
信「13日から事始め、そこから年末までノンストップで挨拶回りだ。刑事のくせに知らないのか」
十「シッ!私が刑事だなんて知られたらどうするんですかッ!(クソデカ大声)」
信「ゴメンテッッッッ!」
十「まったく」
信「今の絶対に俺悪くないと思う……」
十「それでは張り切って行ってらっしゃいませ。私は事務所の掃除してますんで」
信「は?今回はお前がメインだろ。俺の右腕を紹介すんだよ」
十「めんどくせぇな……」
信「やだ〜!カッコイイだろって十兵衛のこと自慢するの〜!親父にも見せたいの〜!」
十「めんどくせぇなあ💢」
十「(折れた)……挨拶回りなら黒のスーツとシャツ持ってきます」
信「違う違う。これ(金糸で麒麟の刺繍が入ったピカピカのターコイズブルーのスーツとゴツい指輪と腕時計)お前のために誂えた」
十「正気ですか?」
信「この業界、派手であればあるほど良い!」
十「正気ですか?」
十「……(結局泣かれて着たけど死にたい)」
信「やっぱり似合うな。脚の長さが映える」
十「そのクリクリのお目目は高性能な節穴ですかな」
信「みんなビックリするだろうな〜」
十「まあ私が一番驚いてますからね」
信「親父喜ぶぞ」
十「そんなことはないと思う」
信「俺は嬉しい!」
十「それは良かった(レイプ目)」
知り合いの親分の家
親「信!テメェこの野郎……!」
信「はい」
親「すげぇマブいの連れてるじゃねえか……♡」
信「ざっす♡」
十「早めに死にたいな(ありがとうございます)」
信「よっし終わった〜」
十「私の外聞も終わりましたね(レイプ目)」
信「親父も泣いてたな〜息子があんまりにもいい男連れてきちゃったからな」
十「私も自分の娘がこんな男連れてきたらちゃんと泣きますね」
信「あ、そういやお前のとこの飼い主、挨拶行かないとな。いつ空いt
十「行きましょう、今すぐに!早く!」
信「すごい食い気味じゃん。いいけど。家どこ住み?近い?」
十「ここから車で30分ほどですが……(ピポ)あ、お疲れ様です。今から挨拶回りにお伺いしたいんですが、はい、うちの組長と。よろしいですか、じゃあご自宅に伺います」
信「手土産現ナマでいい?」
十「手土産……なに?なんつった?は?生、生クリーム?とりあえず洋菓子お持ちします」
信「手土産に菓子……まあいいか。知り合いの店に見繕わせるか(ピポ)挨拶回り用に包んでくれ。下に金入れといて。1000くらい。なに、重い?いいよ別に。家に届けるから。じゃあ」
十「現金のままは不衛生ですよ」
信「ちゃんと袋で包んであるよ」
十「なんで1000円札入れるんだか……」
信「1000万……」
輝「ん、待ってるぞ(ピポ)英一、車出してくれ。家に戻る」
英「は、」
輝「俺の可愛い十己が組長連れてき挨拶に来るそうだ。ぜひ出迎えてやらないとな」
英「は、?」
孝「十己さんが!?私も同席しても?」
輝「おう、おいで」
英「ha、!?」
孝「兄さんがおバグり申し上げてますな」
輝「こらこらバグるなバグるな」
十「(ピポ)着きました……はい、タクシーですが。地下の駐車場に。はい、すみません、下に行ってください」
信「すご!デカ!俺もこんな家に住みたい!」
十「すみませんうるさくて。ええ、もう間もなく」
信「変形しないかな!池とか割れてロボットがゴーッって」
十「すみませんうるさくて!!!!」
輝「よく来たな。極道者の挨拶は早いと聞いたが」
信「本日はお目通り叶いまして誠に恐悦至極……」
輝「ああ、いい。長ったらしい前口上は。『織田さん』初めまして」
信「『足利さん』初めまして。お会いできて何よりです(ニンマリ)」
輝「俺もだ(ニンマリ)」
十「組長が人の言葉を喋った……!?」
信「まずはこちらを是非とも『皆様』でお召し上がり頂きたく(菓子の詰め合わせを差し出して)」
英「お断りします。お持ち帰りください」
輝「すまんな。気持ちだけ受け取っておこう」
信「ケーキ美味しいやつ……選んだ……( ´•ω•`)」
十「後で事務所で食べましょうか」
信「うん( ´•ω•`)」
孝「失礼(ひょいと片手で持ち上げて)……1000万はかたいですな」
輝「ハッハッハ贈賄罪容疑で逮捕しちゃうぞ?」
信「まさか!私は『知り合いのケーキ屋』に包ませただけで、中身はこれっぽっちも知らなかったんですよ」
輝「罪なんていくらでもこじつけられるものだろう」
信「さすが天下御免の桜代紋。頭が下がりますなあ」
輝「その親玉の本拠地に乗り込んできてまともに帰れるとでも?それも俺の可愛い十己を……その、なんだ、ずいぶん煌びやかにしてくれたな。十己、そういう服はどこで売ってるんだ」
孝「上野のアメ横とかに売ってそうですね。新宿サブナードとか」
輝「ほう、そうなのか」
英「売り場はどうでもいい」
十「私もまさかこんな……」
信「マブい服」
十「クソほどダサい服を着せられるとは夢にも思わなくて……」
信「なんで!?ダメ?」
孝「ちゃんと着てあげるあなたも素敵だ♡」
英「親兄弟が泣くぞ」
信「親父泣かせてきた」
英「親不孝者め……」
信「なんで!?ダメ?」
十「逆になんでいいと?」
輝「……まあいい。挨拶してきただけ可愛げがある。どうだ、俺の子飼いにならないか。悪いようにはしない」
信「お断りします」
輝「その心は」
信「正義に必要な悪は何世紀前より飼われているもの。今更馬の骨を飼う必要も無かろうて」
輝「思っていたより、愛いな」
信「思っていたより、面倒だ」
輝「俺がこの地位にいるのは何故だと?」
信「老獪。それと側近にも恵まれている。やくざ者の世界では、命を捨てる若衆3人いれば天下が取れると言われています」
輝「そこのアメ横産の可愛い男を入れて3人のつもりだ。……とりあえずはな(孝二をチラリと見て)」
孝「あまり見つめられると照れますな」
信「お代官様、十兵衛貰えませんか」
輝「お前が俺の元に来い」
信「それはご勘弁を」
輝「許さん」
信「問答は無用で」
輝「俺の問いには是かYESで答えるように」
信「その心は」
輝「俺こそが、絶対だ」
信「……思っていたより、危うい」
輝「愛い、近う寄れ」
信「十兵衛、帰るぞ」
十「……」
信「十兵衛ッ!」
十「しかし」
信「飼い殺しもいいところだ。今日邂逅してよぉく分かった。お前にこんな桜代紋は背負わせんぞ」
十「組長すごい流暢に喋るんですね」
信「うん!」
英「(青筋立てて懐に手を入れて)」
孝「(指をゴキゴキ鳴らして)」
輝「(英孝を抑えて)2人とも、いつでも帰っておいで」
十「はい、っ……」
信「……」
(外に出てきた)
信「……あータクシー帰っちゃったかな」
十「呼びますね」
信「うん(スマホを見て)……十兵衛、後で精密検査受けろよ」
十「はあ?」
信「いいから」
十「……分かりました」
信「(家族以外知らせてないスマホに輝から『またな』とショートメールが入ってるのを見て)……早めに受けろよ。マジで」
十「???」
(後日、検査受けてきた)
十「……身体から謎の金属片がチラホラ出てきたんですが(手のひらにごっちゃりGPS)」
信「……捨てとけ。あ、いやどうするかな……全部取り切れてないよな……そうだ!(ピポ)松永、お上からの有難いブツをやるからさっさと来い」
十「松永さん?」
信「アイツなら死なないだろ。そのピアスやらアクセサリーは買ったのか」
十「いえ、警視総監に貰ったんですけど」
信「捨てろ」
十「は?殺しますよ???」
信「じゃあちょっと中身無効化するだけでいいから〜!松永に押し付けるから〜!」
十「無効化?警視総監からのプレゼントに何する気ですか殺しますよ???」
信「アイツらヤダ〜!正義振りかざすやべぇ奴らじゃん〜!」
十「どうしてそんなこと言うんですか!お口悪い子は滅っ!ですよ!」
信「え〜ん!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)」
松「(来た)ちょっとヤダ、ワシに何押し付ける気!?やめて!?」
信「警察最上部からのGPS」
松「絶対やめて死ぞ」