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    あけみ

    @cocoapoko
    短いssをポイポイしていきます。後日に書き起こしてピクブラにupするかも。

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    あけみ

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    2014ルシサム×ディーン
    S/D書こうとして結局、こういう形になってしまった。

    #SPN
    #S/D
    ##SPN

    百年の恋に待ち草臥れて サム・ウィンチェスターの兄に対する激情は、己のものとよく似ているとルシファーは思った。だから器としてもよく馴染む。
     刺し違える覚悟でディーンはルシファーに挑んだだろうが、コルトで大天使を倒せるはずもない。指を一つ鳴らすだけで砕け散るだろうが、衣服を汚したくは無かった。首の骨を踏み潰そうと足蹴にする。彼の目に映るのは絶望というより諦めにも近い虚無感だった。可哀そうに。弟の顔をした相手に殺される最後のディーンの表情は抗う気力は既に無くなっている。
     しかし、5年前のディーンが現れると、虚しさがこみ上げたルシファーの心情は一変する。一目見て先ほど首の骨を踏み潰した彼とは違う何かを感じた。一言、二言、会話をしただけだったが、ルシファーを睨みつけるその視線と頬を伝う一筋の涙に胸を焦がす想いに駆られた。これには、己の中にいるサムの感情を大きく揺さぶった。ルシファーはほくそ笑む。
    (お前のディーンとはまた違った魅力を感じる)
     そう囁けば、サムは最初に見せた抗いと同じように抵抗した。やめろと叫ぶサムに対し、ルシファーはうっそりと微笑んで見せる。
    (可哀そうにサミ―、お前もずっとディーンに恋していたんだな)
     分かるよ。と、言い放ったルシファーは再びサムを閉じ込めた。そうして、目の前に現れたディーンを指す。まだ諦めていない、鋭く真っすぐにこちらを睨む視線を受けるルシファーは高揚した。ミカエルに向けられた瞳と同じものだった。頑固で一途。そのくせ、誰よりも深く傷ついている。哀れな長男。
    「お前が良い」
     そう、呟いてルシファーはニヤリと笑んで「また会おう」とその場を去る。

     あれから何年も何十年もあの世界のディーンを探したが、性格の悪い神がうまく隠しているせいでいまだに見つからない。世界を一つ自分のものにしたところで全く満たされず、たった一人の人間に執着する羽目になることにも怒りが沸く。こんなことなら、あの時に攫ってしまえばよかったとルシファーは苛立った。
    (なぁ、サム。お前もディーンに会いたいだろ)
     待ち草臥れて世界を全て壊して回りたいと駄々をこねると、己の苛立ちに反響してサムが顔を上げる。床に散りばめられたまじないの文様は彼が調べ、使いこなしたものだ。こういうことは己よりサムの方が扱うのが巧い。自身の恩寵を一滴、杯に滴り落とし呪文を唱えれば空間に一筋の入り口が開かれる。次こそは間違いない、そう言ったサムもまたディーンを諦めていない執着に揺れる瞳をルシファーに向けた。
     ディーン・ウィンチェスターは他にもいる。そう確信してから次は殺さないようにしよう。
     そう言ってルシファーは次元の入り口に足を踏み入れる。

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    あけみ

    PAST2014キャスディン。S4キャスがいる世界に2014ディーンが迷いこんで……??
    ピクブラ投稿作品ですが、お気に入りの話なので、こっちにも投下しました。
    少しでも楽しんでいただければ幸いです。スケベなことはしてないけど、デキてる2014キャスディンです。
    →web拍手http://clap.webclap.com/clap.php?id=cocoapoko
    【SPN】君がいる世界が僕の全て【C/D】 キャンプ・チタクワを拠点にしてから一年が経った頃、コルトの捜索を始め情報を得た矢先ボビーが死んだ事、カスティエルがディーンを庇うように悪魔の襲撃を受け右足を負傷し一カ月動けなくなった事。どちらもディーンを守ろうとしたことで引き起こした出来事だった。
     痛みで気絶したカスティエルを基地まで連れて帰り、目を覚まさない彼にひと時も離れず枕元で佇んでいたディーンは居もしない神に何度も悪態をつく。サムがルシファーに器を明け渡してからドミノ倒しのように悪化する状況に、抵抗も空しくディーンの大切な人たちを次々と奪っていく。
     カスティエルの固定された右足には包帯が何重にも巻かれていた。今回は骨折で免れたが、恩寵が無くなった彼は人間と同じように怪我をすれば動けなくなるし、急所を刺されれば死ぬ。ディーンの傍に居る限り死神に刃を突き付けられているようなものだ。ディーンの傍にいる者は早死にする。そんな話も囁かれていた。
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