仕事帰りにシャンプーを買ってきて欲しい。
そう言われ、チョコラータとセッコはDSに立ち寄っていた。
「なぁ、なぁチョコラータぁ…あ、アイツ、どれを、買って、こいって?」
ズラリと並ぶシャンプーを見ながら、セッコはチョコラータに声をかける。
「そういや、聞いていなかったな」
少し考えるよう顎に手を当てながらそう答えたチョコラータは、すぐにいつも自分が使っているシャンプーを手に取りカゴにいれようとする。
「おっおい!ま、また怒られるぜ、チョコラータ、前にも怒られてた、だろ?」
セッコは慌ててチョコラータからシャンプーを奪い取った。
「何しやがる」
「うぉ…チョコラータ、あ、あいつに、対して、適当すぎねぇか?」
「別に適当じゃあねぇだろ、成分もいいものだぞ?」
「そ、それ、男物、じゃあねぇーか!あんたが、いつも、使ってるやつ、あ、あいつは好きじゃあ、ねぇーんだよ」
それのどこが悪いんだと、眉をひそめたチョコラータを横目に、セッコは可愛らしいボトルを手に取った。
「あ、あいつはよぉ、もっと、あ、甘い匂いのやつが、好き、なんだぜ」
少し勝ち誇った様に言うセッコに、また眉をひそめ小さく舌打ちをしながら、そのボトルをチョコラータは受けとりカゴに投げ入れる。
「…確かに俺よりもセッコ、お前の方があいつの好みを知ってるだろうな」
「あ、アンタより、ちゃんと、アイツの、事見てるからな」
ニタッと笑ったセッコに少しムッとしつつ確かになと、いつも購入してきた物に文句をいう彼女を思い浮かべる。
「折角だ、何か他にもアイツの好きな物でも買って帰ってやろう、セッコ選ぶのを手伝ってくれ」
「い、いいぜ、アンタが選んだら、ぜってぇ怒られる、からな」
小馬鹿にしたように笑いながらセッコが言う。
思い当たる節が多すぎて、チョコラータはなにも言い返せずただただ、眉間にシワを寄せるだけだった。