お題:「予想外」「言いつけてやる」7/24 ここ最近、世間を騒がせている“悪党”がいた。名前は「ワルサムライ」血のような真っ赤な髪を地獄の業火のように逆立て、禍々しい白狐の面をつけている。面からギョロリとした眼をのぞかせて、その双眸に睨まれた者は身体中に一千もの穴があき、そこから血が流れだしてついには干乾びて死んでしまうとか。それはそれは異形の、不吉な、呪われた悪霊のごとく恐れられていた。今日も山で芝刈りをしていた村の翁が山道で「ワルサムライ」と出くわし、ほうほうのていで何とか村へと帰ってきたがそのまま三日ほど寝込むことになった。翁は村長に訴え、困り果てた村長が相談した相手が、今、街で話題の“正義の味方”の看板をぶらさげた「ニンジャジャン」という義侠の忍者だった。
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