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    高間晴

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    高間晴

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    チェズモク800字。とある国の狭いセーフハウス。

    #チェズモク
    chesmok
    ##BOND

    ■たまには、


     たまにはあの人に任せてみようか。そう思ってチェズレイがモクマに確保を頼んだ極東の島国のセーフハウスは、1LKという手狭なものだった。古びたマンションの角部屋で、まずキッチンが狭いとチェズレイが文句をつける。シンク横の調理スペースは不十分だし、コンロもIHが一口だけだ。
    「これじゃあろくに料理も作れないじゃないですか」
    「まあそこは我慢してもらうしかないねえ」
     あはは、と笑うモクマをよそにチェズレイはバスルームを覗きに行く。バス・トイレが一緒だったら絶対にここでは暮らせない。引き戸を開けてみればシステムバスだが、トイレは別のようだ。清潔感もある。ほっと息をつく。
     そこでモクマに名前を呼ばれて手招きされる。なんだろうと思ってついていくとそこはベッドルームだった。そこでチェズレイはかすかに目を見開く。目の前にあるのは十分に広いダブルベッドだった。
    「いや~、寝室が広いみたいだからダブルベッドなんて入れちゃった」
     首の後ろ側をかきながらモクマが少し照れて笑うと、チェズレイがゆらりと顔を上げ振り返る。
    「モクマさァん……」
    「うん。お前さんがその顔する時って、嬉しいんだって分かってるけどやっぱ怖いからやめてくれんかな」
     顔を背けるモクマを、チェズレイは正面からぎゅうっと抱きしめた。
    「ああ、これから私たち、毎晩一緒に眠れるんですね……」
    「そうだよ。他のセーフハウスってどこもお前さんと俺、部屋が別だろ? たまにはこういうのもいいんじゃないかな~なんて思って」
     そこでチェズレイがモクマを背後の壁に押し付ける。壁に片手をついて、モクマの顎を指先ですくうとキスをした。鼻から吐息がもれるような声は、どちらのものかわからない。チェズレイは唇を合わせたまま、片膝をモクマの両脚の間にねじ込んだ。ぐり、と股間を刺激するように膝を持ち上げれば、モクマが息を詰める。
    「――ちょちょちょ、ちょい待ち! いきなり盛らんといて!?」
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