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    高間晴

    @hal483

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    高間晴

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    チェズモク800字。とある国の狭いセーフハウス。

    #チェズモク
    chesmok
    ##BOND

    ■たまには、


     たまにはあの人に任せてみようか。そう思ってチェズレイがモクマに確保を頼んだ極東の島国のセーフハウスは、1LKという手狭なものだった。古びたマンションの角部屋で、まずキッチンが狭いとチェズレイが文句をつける。シンク横の調理スペースは不十分だし、コンロもIHが一口だけだ。
    「これじゃあろくに料理も作れないじゃないですか」
    「まあそこは我慢してもらうしかないねえ」
     あはは、と笑うモクマをよそにチェズレイはバスルームを覗きに行く。バス・トイレが一緒だったら絶対にここでは暮らせない。引き戸を開けてみればシステムバスだが、トイレは別のようだ。清潔感もある。ほっと息をつく。
     そこでモクマに名前を呼ばれて手招きされる。なんだろうと思ってついていくとそこはベッドルームだった。そこでチェズレイはかすかに目を見開く。目の前にあるのは十分に広いダブルベッドだった。
    「いや~、寝室が広いみたいだからダブルベッドなんて入れちゃった」
     首の後ろ側をかきながらモクマが少し照れて笑うと、チェズレイがゆらりと顔を上げ振り返る。
    「モクマさァん……」
    「うん。お前さんがその顔する時って、嬉しいんだって分かってるけどやっぱ怖いからやめてくれんかな」
     顔を背けるモクマを、チェズレイは正面からぎゅうっと抱きしめた。
    「ああ、これから私たち、毎晩一緒に眠れるんですね……」
    「そうだよ。他のセーフハウスってどこもお前さんと俺、部屋が別だろ? たまにはこういうのもいいんじゃないかな~なんて思って」
     そこでチェズレイがモクマを背後の壁に押し付ける。壁に片手をついて、モクマの顎を指先ですくうとキスをした。鼻から吐息がもれるような声は、どちらのものかわからない。チェズレイは唇を合わせたまま、片膝をモクマの両脚の間にねじ込んだ。ぐり、と股間を刺激するように膝を持ち上げれば、モクマが息を詰める。
    「――ちょちょちょ、ちょい待ち! いきなり盛らんといて!?」
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    高間晴

    DONEチェズモクワンライ「温泉/騙し騙され」。■とある温泉旅館にて


    「いや~、いい湯だったねえ」
     浴衣のモクマが同じく浴衣姿のチェズレイの隣で笑う。
     ここはとある国の温泉旅館。最近チェズレイが根を詰めすぎなのを見かねたモクマが、半ば無理矢理に休みを取らせて連れてきたのだ。
     それでもチェズレイは少しうつむいて、晴れない顔をしている。
    「すみません、私のせいで足湯しか入れなくて」
    「いいのいいの。この旅行はお前さんのためなんだから」
     ひらひら手を振りながらモクマが笑う。
     チェズレイの潔癖症は一朝一夕で治るものではないとわかっている。足湯に入れるようになっただけでも大進歩だ。
    「なんならおじさんは、お前さんが寝た後にでも大浴場に行けばいいし」
     ここの温泉はアルカリ性単純泉で、肩こりなどに効果があるほか、美肌にもよいとされている。部屋にも源泉かけ流しの家族風呂がついているところを選んだので、チェズレイは後でそこに入ればいいだろうとモクマは考えた。
     そこでチェズレイがモクマの浴衣の袂を掴んで引っ張る。顔を上げれば、度々モクマにだけ見せる、『お願い事』をするときの顔をしている。
    「モクマさァん……ここまで連れてきておいて私を 2758