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    0101panorama

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    ごめんね/ありがとうのプロットです!
    https://www.pixiv.net/artworks/101797709

    ごめんね/ありがとう3

    夜中の2時。
    出来る限り音を立てないように気をつけて鍵を開けた。
    金属の擦れる音が微かに響いたが、その後に待っていたのはしん…という文字が見えそうな静寂。
    寝室の前を通り過ぎ、リビングに荷物を置いて浴室へと向かった。

    シャワーを浴び、髪は乾かさずにそのまま寝室へと向かう。朝、寝癖になるかもしれないが、大きな事件がひと段落つき、5日ぶりの帰宅、どうせ明日は休みだ。

    とにかく早く会いたくてたまらなかった。

    4
    寝室を開けると、布団の端に小さなふくらみが見えた。
    規則的に上下するその山を見て、ようやく強張っていた身体が緩んだ気がした。
    掛け布団の端を持ち上げ、そっと滑り込んだ。

    ベッドの端、ぴたっと壁に張り付くようにして縮こまって眠っている少女。
    起こしてしまうだろうか…と、少し迷ったが、それでもいいかと思い直し、身体の下に手を差し込み、そっとこちらに抱き寄せた。

    5
    その動きで、やはり目が覚めてしまったのだろう、うっすらと開いた目から、暗がりの中でも光るエメラルドが見えた。
    「あ…帰ったのね…」
    「ああ、ただいま。『志保さん』」
    かつての名前をわざと呼んで、額に口付けた。
    まだ半分夢の中なのだろう、ふにゃ…と緩んだ笑顔を見せてくれる。
    「おかえりなさい…おねえちゃ…」

    降谷が数日家を開けた時だけの、恒例の出来事だった。

    6
    そのまま、すうすうと寝息を立てる哀をぎゅっと抱きしめた。
    組織が壊滅し、トリプルフェイスの仮面を外した2人が、なんやかんやあって一緒に暮らすことになってから数ヶ月経った。

    7
    (きっかけは雨の日だった。

    1人だと眠れないと遠慮がちに俯く哀を抱きしめて眠った日から、ただの同居人だった2人の距離感に変化が生じた。
    日を重ねるに連れて、雨の日限定だったそれは毎日のこととなり、いつしか夜は抱き合って眠ることが当たり前になっていた。
    腕の中で眠る小さな命が、彼にとってどれだけかけがえのないものか、彼女は知らないだろう。

    降谷が仕事で数日家を空けている時は、当然だが哀は1人で眠っていた。
    可能な限りメールや電話で連絡は取るようにしているが、その時は特に変わった様子は感じられなかった。
    異変に気づいたのは、夜中に着替えを取りに一時帰宅した時のこと。
    深夜に女性の部屋を覗くのはいかがなものかと思いつつ、ひと目でいいから元気な姿を見ておきたかった。

    8
    起こさないようそっとドアを開けて、ベッドの傍に立つ。
    穏やかな呼吸で眠りについている哀の姿を見て、ほっとして部屋を出ようと思った時。

    暗がりの中、頬が涙で濡れていることに気付き、思わず手が伸びてしまった。
    指先から伝わる、しっとりとした冷たい感触。
    僅かな震えに気づいたのか、うっすらと目を開けて、哀は呟いた。

    「おかえりなさい…おねえちゃん」


    9
    彼女の姉、宮野明美は志保と2人で組織を抜けるために悪事に手を染めたが、その後ジンの手にかかり帰らぬ人となった。
    最後に見たのは、いつも通りの笑顔だったそうだ。
    その時の傷がまだ深く残っているのだろう。降谷に見せないように気を付けていたようだが、哀は1人で待つのを怖がっていた。
    そんな彼女の心の弱い部分につけ込み、離れられないように縛りつけたのは降谷だ。
    どう頑張っても、彼女を待たせることしかできないのに…

    10
    「君を待たせない男として、一番相応しくない人間なのに…」

    (手放せなくて、ごめんね)


    11
    朝になり、自然と目が覚めた。昨夜は久々にお姉ちゃんの夢を見た気がする…
    それはまるで、吉兆のようだった。
    なぜなら、姉の夢を見た日の朝はいつも。

    いつもと違い、隣が温かい。
    目を開けると、褐色の肌と朝日を透かしてキラキラ光る金色が目に入った。
    熟睡しているようで、密かにお気に入りのサファイアはまだ見えない。


    12
    すうすうと寝息を立てる様子を見て、自然と頬が綻んだ。
    目元の隈が深く刻まれている。今回もハードワークをこなしてきたのだろう。
    でも、怪我はしていない。

    「よかった…」
    思わず漏れた声が聞こえてしまったのか、パチリと降谷の目が開いた。
    「!!」
    「あ、おはよ、哀さん」

    13
    「ごめんなさい、起こしてしまったわね」
    「いや、よく眠れたから…大丈夫だよ」
    「それに、早く会いたかったし」
    「な、」
    「待っててくれて、ありがとう」
    「…!!」

    14
    哀はくるっと体を反転させて降谷から背を向けたが、耳元が真っ赤に染まっているのが見える。

    むくむくと悪戯心が湧いてくる。

    「あ、ちょっと!」
    哀のシャツの裾から手を差し入れるとすぐに手が飛んできた。

    15
    「あなたね…こんな身体触っても楽しくないでしょ…」
    「そんなことないよ。どんな姿でも、君は君でしかない」
    「なんか真っ当なこと言ってるように聞こえるけど、知らない人から見たら、まだ小学生なのよ私。気をつけてよね」
    「安心して、ここでしかしないから」
    「…ほんと…バカね…」

    16
    「哀さん、今日の予定は?」
    「知らないみたいだけど、今日は日曜よ。特に用事もないわ。あなたは?」
    「僕も今日は休み…」
    腕に閉じ込めた小さな温もりが心地よく、まぶたがまた重くなってきた。
    「だったらもう少し寝ましょ」
    「うん…哀さん、」
    「うん?」
    「待っててくれて…ありがとう…ごめんね」

    17
    「……」
    「私の方こそ…帰ってきてくれて、ありがとう」
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    0101panorama

    DONEイベント立ち上げから今日までのレポートです。
    結構長いのでお時間ある時にでもどうぞ!
    ※後日告知サイトの方に改めて掲載する予定です。


    改めて、この度は本当にありがとうございました!!
    LADY of GRAYアフターレポート今日がアフター当日なので、完全なレポとは言えないんですが、今日のことについては何かあればまた後日追記させてもらうつもりで…!
    つらつらと書いてるのであまり綺麗にまとまってませんが、何かの参考や暇つぶしになれば幸いです。

    1.プチオンリーを企画したきっかけ

    言わずもがな、ハロ嫁最後の予告のジンの一言でした。
    Webでは何度か企画主催したことがあったものの、リアルはさすがに負担が大きそうだな〜と思っていたはずなのですが…
    確かフォロワーさんと「せっかく哀ちゃんが沢山出てくれそうだし、リアルにみんなで映画の感想とか共有したいね!」みたいなお話をしていて「そういえばちょうどスパコミが近いから、来られる人だけでもこじんまりと楽しめたらいいのでは?」と思いアンケートをとってみたところ、サークル参加したいよ!と回答くださったのが16人くらいいたので開催を決めました。(この時点でも結構多くてびっくりした記憶…)
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    0101panorama

    MOURNING珍しくあとがきを書いてみました。
    圧倒的語彙力不足なのと、わりと蛇足ぎみなのでご注意ください…!
    (余計に混乱させてしまったらごめんなさい!)

    本がお手元に来るまで待ってくださってる方もいらっしゃるとのことなので、1月いっぱいくらいまでは公開しておこうと思います…!(私が設定を変えるのを忘れてたらその後も残ってるかもです笑)
    Phantom Imitation あとがき最後まで読んでくださりありがとうございました!
    普段はあまり後書きを書こうと思うことがないのですが(自分の思いを伝わるように言葉にするのが苦手なので…)ちょっと描写が足りなかったなと思った部分を補足がてら、後書きを書いてみようと思いました。

    つらつらと思いつくままに書いてるため蛇足に感じる方もいらっしゃるかと思いますので、読む読まないはご自由にどうぞ!


    今回のお話は、まだ原作内で打ち解けていない降谷さんに対して、哀ちゃんがどんなシチュエーションなら心を開いてくれるかなって考えていた時に思い浮かんだ「夢の中で交流すればいいのでは?」から膨らませたネタでした。
    名探偵コナンの設定上、多少のファンタジーは許容範囲内だと思いつつ、夢の中で出会った降谷さんの存在を架空のものにしたくなかったので、もう少し夢の設定について掘り下げたいなと思い、哀ちゃんが自分で作った薬を飲むということをベースに、明晰夢に関する資料と、大好きな映画の「インセプション」からインスピレーションをもらって、哀ちゃん自身を通じて繋がっている現実と2層ある夢の世界を考えました。
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