Phantom Imitation あとがき最後まで読んでくださりありがとうございました!
普段はあまり後書きを書こうと思うことがないのですが(自分の思いを伝わるように言葉にするのが苦手なので…)ちょっと描写が足りなかったなと思った部分を補足がてら、後書きを書いてみようと思いました。
つらつらと思いつくままに書いてるため蛇足に感じる方もいらっしゃるかと思いますので、読む読まないはご自由にどうぞ!
今回のお話は、まだ原作内で打ち解けていない降谷さんに対して、哀ちゃんがどんなシチュエーションなら心を開いてくれるかなって考えていた時に思い浮かんだ「夢の中で交流すればいいのでは?」から膨らませたネタでした。
名探偵コナンの設定上、多少のファンタジーは許容範囲内だと思いつつ、夢の中で出会った降谷さんの存在を架空のものにしたくなかったので、もう少し夢の設定について掘り下げたいなと思い、哀ちゃんが自分で作った薬を飲むということをベースに、明晰夢に関する資料と、大好きな映画の「インセプション」からインスピレーションをもらって、哀ちゃん自身を通じて繋がっている現実と2層ある夢の世界を考えました。
・架空の世界の階層
コナン君への想いを心に残した状態で、周りに理解者を得られないまま灰原哀としての人生を歩む夢の世界。
作中の本来の哀ちゃんが願っているというよりは、恐れている世界を描けたらと思いながら描きました。(なので正直結構描いててしんどかったです笑)
・花畑と宝石の世界の階層
ここの見た目のインスピレーションは、ちょうどお話を考えているときに見た、宝塚歌劇団 月組公演の「Rain on Neptune」の衣装と背景がすごくツボだったので、そこから参考にさせてもらいました。
架空の世界とは違い、一発で夢だとわかる嘘っぽさを出すために、とにかく降谷さんを胡散臭く描きたくて頑張って盛りました。
この世界は哀ちゃんの深層意識のつもりで描きました。花畑は哀ちゃん自身の感情を、色褪せずに輝く宝石達は、これまでの哀ちゃんが得てきた思い出や出会った人達をイメージしています。
辛いことも楽しいことも、様々な出会いや経験が全て、哀ちゃんの心の中で輝いてるんだよ、という想いを込めて…
・現実
そしかい後、黒ずくめの組織化の関係者と警察官としての交流はあり、哀ちゃん自身のことも気にかけているものの、自分の気持ちは上手く伝えられずにいた降谷さんと、そんな降谷さんとまだ打ち解けきれない哀ちゃん。
哀ちゃんの夢に現れる降谷さんと、現実でお見舞いに来ていた降谷さんの行動やセリフををリンクさせる描写をわかりやすく入れたかったのですが、私の描写スキルがまだ追いつかなかった…!!
原作の降谷さんの哀ちゃんに対する態度はまだ、コナン君や蘭ちゃんへの態度を見て想像することしかできないんですが、多分哀ちゃんの理解者であってくれるんじゃないかな…という願望のもとに、ついつい自分のエゴを引き受けてもらいがちで、今回は特にその傾向が強かったなぁと後になって思います…だから私の描く降谷さん、最初から哀ちゃんのこと大好きなんでしょうね…笑
前の本(僕はシューティングスター)の作画と同時進行でプロットとネームを進めてたのでめちゃくちゃ混乱しながらの作業だったのですが、オンリーの書き込みボードで頂いた感想を見て、皆さんそれぞれの感じ方で楽しんでもらえたのかなと…!本当にありがとうございました😭
仕事のど修羅場と被ってしまったりと自分の力不足を実感することも多い原稿期間でしたが、やっぱり推しを描くのはめちゃくちゃ元気が出るので良いですね…!!
とても素敵な機会をくださったオンリー主催のせりさわさんに大感謝です😂🙏🙏 ありがとうございました!!