年の差夜に橋の上でぶらぶらする子供が2人。
「そういえば、歳はいくつだ?幼いような声がするけど」
「さあ、分からん。なにやら歳をとると祝うのがあるらしいが俺は無いな」
「そうなのか、それはすまない…」
「いいや、気にするな。気にしてないし年明ければ皆と一緒に歳を取るから、それだけでいいし兄たちはこっそりと来るし」
「兄弟がいたのか」
「ああ、2人もいるぞ。時々、親の目を盗んで見に来るしお囃子もお菓子の残りくれるし残飯くれる人も犬と一緒に「年明けたな」と言ってくれる」
「……随分と前向きだな」
「そうか?あ、」
ふと、じっくりと友魚を見る。
「お前は兄たちと同じぐらいかもしれん。多分だ」
「俺は13か14才ぐらいだ。それより年下なのか?でも声の位置(身長)は俺と同じだ」
「足が長いからな!それまでは短足で子犬と同じにハイハイだったぞ!」
ワハハハと笑う犬王。
「そうだったんだ。ということは…」
「ということは?」
「ハイハイの時に撫でたかったな。俺、弟が欲しかったなあ」
「…撫でてみれば?」
「えっ」
「お前が年上で兄たちと同じだろ。ほれ」
犬王が少し屈む。
「いいのか?」
そう言いながら手を上げて犬王の頭を探す。
「やってみたかっただけだ。そこだ」
ぽふっ、なでなで…
「……」
「……」
「可愛いな」
「そうだr!?見えないだろ!」
「見えなくても可愛い」
恥ずかしくなってきたのか振り払う。
「あっ…」
「俺は醜いぞ!」
対して友魚はニカッと笑う。
「何を言ってんだ。輝くのが醜いと思えないよ。そっか、俺は輝くの兄になったんだな」
「…お前、変わった兄だな」
「ぷっ!あははは、可愛い弟できちゃった!」
こそばゆいのか頭に生えている手を掻く。