年の差(青年期)年の差の数年後
「──という、やり取りしていた♪」ベベンッ
「…そんなことあったな」グビッ
酒を呑む犬王。隣は遊女の着物を着て琵琶を弾く友有。が、手を止める。
「犬王は呪いが解くたびに見た目のせいか犬王の方が年上だと思われているようだ」(雰囲気で感じていた)
「そりゃ…」
「納得いかない!!」ベーーーン
「おまっ、弦が切れるぞ!」
「俺が年上のに…!」
「だったら遊女の着物やめたら?俺にはイカしているが…」
「そういう問題じゃない!!」
「おいおい、だんだん感情が過激になってないか?いや、それもいいが…」
「犬王は可愛いのに」
「は」(宇宙の猫)
「何故だ…!犬王は可愛いのに!いや、俺だけ知っていればいい!」
「酒を呑み過ぎたか?水を持ってくるぞ…ッ」
立ち上がろうとするが友有に引っ張られて背中を打つ。
「おい!!背中が痛いぞ!」
「ごめん、あと、酔ってない」
「はぁ…友有がこんな兄になるとはな」
「…兄……それは犬王だけか?」
「あ?」
「年下の可愛い弟だと思っていたが…」
「いや前から可愛くないぞ…」
「この高ぶる感情はなんか違うっ!」
「何が言いたいんだ?」
友有がすくっと立ち、激しく弾き始める。
「分からないっ!!」
「おいっ!」
犬王は倒れたままのにズコッとなりかけた。
「確かに俺は女装のような格好しているが俺は男だ」
「知っている。俺も男だぞ」
「そういう意味じゃないっ!」
「じゃあ、なんだよ!」
珍しく犬王がキレ気味につっかると、友有は激しく弾いたのが穏やかになる。
「……いつか分かるかもしれない。年上の兄としてではなく…この先に…見つかるかもしれない」
「…それは長生きしないとな」
「そうだな、まだ人生は始まったばっかりだ。犬王の物語がこの世に!」
「それは俺も頑張らないとな。そうだ、将軍からの招きが来ているぞ。お前も来てくれ」
「!!凄いことじゃないか!犬王をもっと輝くよう弾いてやるさ!」
「ああ、頼んだぞ」
「任しとけ!」ベンベンッ♪
楽しく弾く───。