Congratulations「ユキ、女の子の体抱きたいとか思わないの？」
「はぁ？」
「その、オレなんかじゃ飽きるでしょ……」

　急に頭が冷えて、いままで言えなかった事を口に出してしまった。ユキとオレは、何故か体の関係がある。というか、体込みのお付き合いをしている。ほんとうに光栄なことで、未だに嘘みたいなんだけど、ユキはオレと恋人になってくれた。何度かえっちもしたけど、オレの体って、女の子じゃないからさ。やわらかいおっぱいも、おしりもなければ、しぜんに濡れるあそこもないし、その代わりに鍛えられたシックスパックとかサッカーで培った逞しいふとももとか、ユキにもついてるおティンティンとかある、わけ……。ユキのおティンティン様はそれはもう、麗しく、スーパーダーリンでいらっしゃいまして長さも太さも固さお色も、タマタマ様も陰毛ですら（最早陽毛では？）美しいからオレのと比べたら失礼だけど。

　そりゃあ、ユキがオレのこと大事にしてくれるのは嬉しいし、オレに対してちゃんと勃起してくれるのも幸せだなって思うけど、百戦錬磨のユキだもん。そろそろ女の子のやわらかいボディがほしくなってるんじゃないかなって。

「飽きるほどしたっけ？」
「回数とかじゃなくですね、そのぉ……おっぱいとか触りたくならないかなって……」
「触っていいの？」
「ユキが望むなら……オレにはできな、おわっ」

　肩を抱かれて、胸を触られた。

「オレのじゃなくて！」
「？　ええ？　自分の触る趣味ないよ。モモのおっぱい触っていいんでしょ。やったね」
「え、やったなの？　オレが言いたいのはそうじゃなくてさあ」
「モモのおっぱいやわらかいよ」
「そうじゃなく、て、えっと……鍛えてるんだから、やわらかいと困る……な？」
「はぁ。モモの賢者タイムめんどくさ」
「なっ……」
「飽きてない。抱きたいのは隣にいる相方。さわりたいおっぱいはコレ。あとは？　何が聞きたい？」

　裸のユキに胸をさわられながら、さっきまでもつれあってたベッドにゆっくり押し倒される。長い髪がはらりと落ちて、オレの肌をくすぐった。落ち着いたかと思っていた熱が戻ってくる。

「あっ……ん、えと、その、オレの体なんて、つまん……んっう……」
「いい加減黙れ。やりたりないなら素直に言えばいいだろう。それとも……僕に抱かれるのは飽きた？」
「なっ　そんなわけないでしょぉ　オレはユキに抱かれたくて生きてるんだからね！　ユキが女の子抱きたくならないようにオレのことを女の子みたいにしろよ！　って……あ、あ、あはは、う、嘘嘘……」

　やば、めちゃくちゃ気持ち悪い事口走ってしまったヤバいヤバいヤバいヤバい、引かれる、ヤバいヤバいヤバい……！　オレ、何いってんの？（何いってんの……？）だって、オレがユキにされたくないわけないじゃん、こんなに大好きの具現化みたいな存在に愛してもらえるなんて、どう考えても最高でしかないのに、嫌なわけないじゃん……。それより、女の子みたいにしろよってなんだよ。そもそも体の作りが違うことに対する不安だったんじゃないのかよ。ユキに何求めてるんだよオレ。


「いいよ」
「え」


♡♡♡♡


「メスイキ？　って、エロいね」

　おんなのこにされちゃったぁ……。


Congratulations