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    3iiRo27

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    ritk版深夜の60分一発勝負
    第六十回 お題:「写真」「我慢」
    同棲している司が、次第に「あること」が我慢できなくなるお話。
    ※年齢変更アリ
    司視点 両想い

    #類司
    Ruikasa
    #ワンドロ

    それは重くて、愛しい罪。流し見していたテレビは、21時前の短いニュース番組に切り替わった。


    ちらりと横目でキッチンを見やる。
    きっと、作ったシチューはもう冷めてしまっているだろう。


    お気に入りのペガサスのクッションを抱きしめながら、深くため息をついた。








    ----------------------------









    将来、オレ達は何になりたいのか。
    互いに目指すものはあったけれど、じゃあそのために高校卒業後、何をするか。

    それを考えた結果。
    オレは演技を中心に学べる専門学校、類は演出の幅を広げる為に機械工学の専門学校に進んだ。

    カリキュラムを見て、その上で行きたいと決めた専門だった。
    問題があるとしたら、実家からの距離がかなりあるという点だろうか。



    ある日、それを類の前でぽつりと呟いたところ。

    「実は僕も、専門までかなり距離があるんだよね。司くんさえよかったら、一緒に住まないかい?」


    恋人同士だし、その申し出は願ったり叶ったりで。
    互い両親に相談した上で、類とのシェアハウス……基、同棲は始まった。






    最初は家事、特に料理に関してお互いにぶつかることは多かった。

    オレは一通りやったことはあるけれど、類は元からからきしだったから。
    ただでさえ野菜に関する問題も抱えていたのに、いつしかほとんどの家事をオレが賄っていて。

    ある日、限界を迎えたオレはぶっ倒れてしまい。
    心配してくれた類に反発して大喧嘩に発展してしまい、家を飛び出した。



    今思えば、別れることになってもおかしくなかったそれだけど。
    今もこうしてお付き合いが続いているのは、えむや寧々、互いの両親のおかげだ。




    体調を崩したまま家を飛び出したオレを、えむが拾ってくれて。

    そのまま家で療養している間に、類の家族や寧々が動いてくれた。



    療養中にオレが零した愚痴を全て拾ってくれた上で、類に今の問題点を示唆してくれて。
    その上で、体調を崩した原因が自分にあると知った類は、それはそれはもう凄い落ち込みようだったと、寧々は教えてくれた。


    こうして、オレが復活して家に戻る間に、類はご両親や寧々に家事全般を叩き込まれたようで。
    オレが帰ってきた瞬間、土下座してきたのは今でも忘れない。



    類と改めて家事の話をして。
    野菜に関しても、お互いにセーフゾーンを見つけていこうという話で落ち着いて。


    こうして、数少ない類との最初の大喧嘩は、幕を閉じた。


    (ちなみに類のご両親曰く、同棲する際に家事ができると豪語していたので承諾したらしい。
    だが想像以上にできてなくて、類が迷惑をかけた、と後日菓子折り付きで謝られていたことは、類には秘密だ。)








    そこからは、本当に順調で。

    互いに余裕ができて、互いにしてほしいこともわかってくるようになって。

    互いに、互いを存分に甘やかせるようにもなって。



    今が一番、類のことが好きかもしれないと、そう思えるほどだった。









    でも、それが。
    こんな変わった形で、弊害を起こすなんて、思いもよらなかった。







    ----------------------------








    「……ない、か」

    連絡がこない、既読もつかないスマホをテーブルの上に置き、ソファに座りながら天井を眺める。









    学年が上がるにつれ、比例して増えていく課題に、オレも類も翻弄されており。
    ここ暫くは、ご飯すらまともに作れなかった。



    でも、オレの課題終わりに合わせ、類から連絡がきて。

    『課題、もうすぐ終わりそうなんだ。もし大丈夫なら、司くんのシチューが食べたいなあ』



    野菜嫌いの類でも食べられるよう、きのこや肉が多めのシチューを、類は甚く気に入っていて。
    お互いに終わったことだし、甘やかすかとスマホに指を走らせた。




    『わかった!でも、少しでいいから野菜は入れさせてくれ』


    送ってすぐに『がんばるよ』の文字と一緒に送られてきた、青ざめた猫のガッツポーズスタンプに、思わず笑みが溢れた。











    こうして、類のリクエスト通り、シチューを作って、待っていたのだけれど。

    ……一向に、類からの連絡がこない。




    こういうことは、過去に何回かあった。

    類が受けている授業のとある教授がとても変わり者で、気分で生徒を捕まえて実験の助手に任命するだとか、突然生徒に絡みにきて課題を一緒に考えたりとか、珍行動がとても多いらしく。


    それで捕まるとずっと付き合わされて連絡すらままならないと、類が零していた気がする。




    こればかりは類じゃなく、教授が悪いことだ。類が悪いわけではない。

    ……ただ。今回は少し、状況が悪かった。





    お互い課題漬けで、声どころか、まともに顔を合わせることすら少なくて。

    ただでさえ、類が足りないというのに。







    ……この同棲生活で。オレは、類に甘える心地よさを、知ってしまった。

    前なら、スターたるもの、甘えなどいらないと、突っぱねていたけれど。



    司くんが羽を休める場所に、僕がなりたいと類に言われたら、もう断れなくて。

    最初はぎこちなかったそれも、次第にできるようになっていって。
    初めてオレからした時は、それはそれはもう嬉しそうに抱きしめてくれて。

    類へ甘えるのも、悪くないなと思っていたのに。






    まさかそのせいで、類不足が我慢できなくなってしまうなんて、想定していなかった。

    類からの連絡がこない。それだけで、胸がぎゅっと苦しくなって、涙が出そうになる。



    目元を拭って、再度スマホを手に取る。
    未だに既読がつかないのを確認してから、画像フォルダを開く。



    そこには、ひっそりと隠し撮りした、類の真剣な表情の写真があった。

    ショーの機材の調整中、気づかないのをいいことにこっそり撮った代物だ。
    他にも何枚か、類の隠し撮りはフォルダに収まっている。



    普段は我慢が効かなくなった時は、この写真をずっと眺めている。

    こんな格好いい人が、オレに甘えていいんだと、言ってくれていることを、思い出して。
    そうして、気分を切り替えるのだけど。



    今日は流石に、写真も効果がないようだ。







    写真を眺めていると、また視界がぼんやりと滲んでいく。

    ああ。何時から、オレはこんなに弱くなってしまったのか。





    (……全部、類のせいだ)

    そんなことを思いながら、スマホを持った手を胸に下ろし、目を閉じた。


    目尻から伝うそれに、気づかないふりをして。






    ----------------------------







    「……ん…………んぅ?」



    頭を撫でられている感覚が心地よくて、擦り寄っている間に、意識がはっきりとしてくる。

    ゆっくりと目を開けると、申し訳なさそうな顔をした類が、オレの頭を撫でていた。



    「司くん、ただいま。……ごめん、起こしちゃったかな。」

    「ん、いや……大丈夫……」


    そう言いながら、そっと類に抱きつく。
    ふわっと香る類の香りに、またじわりと涙が浮かんだ。





    「ごめんね、僕から連絡したのに、凄く遅くなってしまった」

    「ん……例の、教授だろ?仕方ないだろう」


    「それでも、だよ」



    一度強くぎゅっと抱きしめると、そっと離れて頭を撫でてくれる。





    「あんな顔して待っていたのに、仕方ないで済ましたくはないんだ」

    「……寝ていたときの、顔か?それは、オレが我慢できなかったからで、」




    「違うよ、司くん」



    頬に添えられた両手で、じっと見つめられる。

    類の、真剣な目が、オレを射抜く。




    「僕が、司くんに甘えてほしいと願ったんだ。僕が、司くんを我慢できなくしたんだ」

    「…………」

    「だからこそ、仕方ないで済ましたくないんだ。僕はもう、間違いたくないから」

    「類……」






    「司くん、僕に言いたいこと、全部言って?司くんを悲しませてしまった罪は、何よりも重いからね」

    「………………」





    甘やかすように、ずっと頭を撫でてくれる手。
    ふわりと柔らかく、そして砂糖と煮詰めたように甘い顔で見つめてくる、瞳。



    そう。オレはいつだって、それに弱いんだ。










    「……明日、7時には起きたい」

    「相変わらず健康だね」

    「それで、類お手製の朝ごはん食べたい。ふわふわのフレンチトースト」

    「ふふ、任せておくれ」

    「午前に一緒に家事全部済まして……、お昼は、食べれなかったシチュー食べたい」

    「いいね、明日は天気がいいらしいからね」



    1つずつ、嬉しそうに肯定しながら、頭を撫でてくれる。
    それに擦り寄りながら、言葉を紡いだ。



    「午後は、鑑賞会したい。学校の先輩におすすめされたショーがあるんだ」

    「へえ、それはとても楽しみだ」

    「それから、夜は。……類の、夕飯が食べたい。しょうが焼き。」

    「ふふ、腕によりをかけて作らせてもらうよ」

    「あとは……夕飯を食べ終わったら。今度はオレが、類を甘やかすからな?」

    「……!ふふ、望むところだよ。僕も、どろっどろに甘やかしてあげるから」




    「あと、それから……」





    ぐう。
    ぐう。






    言葉を遮るように、鳴り響いた2つのそれ。

    思わず黙ってしまった後、お互いに見合わせて、吹き出した。




    「っくく……。お腹すいたから、類のご飯が食べたい。消化にいいものがいいな」

    「ふふふ、そうだね。先輩から、最中でできた茶漬けの素をいただいたんだ。食べないかい?」

    「最中の?ほう、それは楽しみだ!」



    2人で笑いあいながら、ベッドから降りて、リビングへ向かう。

    向かいながら、類の背中に抱きついた。






    「……最後に。……ご飯を食べ終わったら、久しぶりにシたい」



    すぐさま身体をぱっと離し、類の前に移動する。

    顔を真っ赤にしてパクパクと口を動かすのを見て、してやったりと先にリビングに向かった。









    すぐさま復活した類に追いかけられ、全力で抱きつかれて一緒に倒れるまで、あと。
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    あらすじ▼
    類のガレージにてショーの打合せをしていた2人。
    打合せ後休憩しようとしたところに、自身で発明した🌟の中を再現したというお○ほを見つけてしまった🌟。
    自分がいるのに玩具などを使おうとしていた🎈にふつふつと嫉妬した🌟は検証と称して………

    毎度の事ながら本編8割えろいことしてます。
    サンプル内含め🎈🌟共に汚喘ぎや🎈が🌟にお○ほで攻められるといった表現なども含まれますので、いつもより🌟優位🎈よわよわ要素が強めになっております。
    苦手な方はご注意を。

    本編中は淫語もたくさんなので相変わらず何でも許せる方向けです。

    正式なお知らせ・お取り置きについてはまた開催日近づきましたら行います。

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    yes/no

    余談
    今回体調不良もあり進捗が鈍かったのですが、無事にえちかわ🎈🌟を今回も仕上げました!!!
    色んな🌟の表情がかけてとても楽しかったです。

    大天才小粒まめさんとの合同誌、すごく恐れ多いのですがよろしくお願い致します!
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