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    syumiaka_yoduki

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    syumiaka_yoduki

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    「仲良くならないと出られない部屋」に閉じ込められた乱数と独歩が仲良くなる話

    #ヒプノシスマイク
    hypnosisMike

    「ここは何処だ…?」

    気がつくと真っ白な部屋の中にいた。扉の方に目を向けると、何か文字か書かれていることに気づく。これは…

    【⠀仲良くならないと出られない部屋⠀】

    「う…嘘、だろ。なんだよこの部屋、何なんだよ。仲良くっていったい誰と…。ああぁ、なんでこんな事になったんだ。…そういえば、今日はやけにハゲ課長の機嫌が良かったな。残業押し付けられることもなかったし。…だからか、だからなのか。やっぱりそうだ、いい事があるとその後で必ず悪いことが起きる。やっぱり、俺なんかが定時で帰ったらいけないんだな。あぁ…俺は。俺は俺は俺は」
    「ねぇ〜、もう独り言終わったぁ?」
    「ひぃぃ!!?」

    後ろから突然声が聞こえて、俺は情けなく肩を震わせて悲鳴をあげる。

    「ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい!!!」
    「あっは、そんな謝らないでよぉ。おニーサン面白いね。」
    「え、お前は確か…飴村乱数?」
    「あれ、覚えててくれたんだ。そうだよん♪おニーサンは確か、観音坂独歩さんだよね?」
    「そ…だけど。」
    「だよね、だよねぇ!やったー、大正解〜!!」

    両手をあげながらぴょんぴょんと跳ね回っている。何だこのテンション。ついていける気がしない…。ていうか、飴村乱数と言ったら、確か先生が毛嫌いしてた人だよな。そんな人と二人きりって…何だよこのシチュエーションは。そこまで考えて、ハッと気がつく。確か、この部屋は…

    「それにしても〝仲良くならないと出られない部屋〟だなんて、面白いよねぇ。」
    「ひぃ!…お、俺なんかと閉じ込められるなんて、嫌ですよね!ごめんなさい、申し訳ございません!」
    「あはは、独歩さんなんでそんな謝ってんの〜?っていうか、もう独歩って呼んでいい?いいよねぇ。はい、決定〜!!」
    「え、あ…。えと??」

    混乱している俺を置いて、飴村乱数はどんどん話を進めていく。ついていけない。俺とは全く違う世界の人種だ…。

    「〝仲良く〟だなんて抽象的すぎて、わかんないよね。…っていうかさ〜」
    「…な、何でしょうか?」
    「ソレだよ!そ〜れ。敬語なんて堅苦しいもの、辞めない?ボク、そういうの嫌いなんだよね。」
    「えぇと、すいません。」
    「ほら、それ!」
    「ご…ごめん?」
    「うむ、それで宜しい!」

    ニコニコと微笑む乱数を見る。怖いやつって思っていたけど、案外フレンドリーだし…悪い奴ではないのかも知れない。

    「で、仲良くなるにはやっぱり話をすることだと思うんだよね〜。ねぇ独歩、話聞かせてよ。」
    「そ、そう言われても!何を言えばいいか…。」
    「何でもいいからさ!」
    「えと…じゃあ。」

    俺は話した。いつも会社で怒られている事、昨日作ってもらった一二三の料理が美味かったこと、そして寂雷先生の事。先生の名前が出ると、眉間にシワがよっていたがそれでも拒否することなく、ウンウンと頷きながら話を聞いてくれていた。飴村乱数に話せることなんてない、そう思っていたが、あまりにも楽しそうに話を聞いてくれるので、案外すんなりと会話することが出来た。この人はきっと、聞き上手なのだろう。

    「あはは、独歩の話おもしろいね!」
    「そうか?…あの、良かったら飴村さんも。」
    「えー!その呼び方ヤダ!可愛くない〜!」
    「…乱数も話を聞かせてくれないか?」
    「いいよ〜ん!」

    乱数は色々話をして聞かせてくれた。夢野幻太郎や、有栖川帝銃の事。日常にあった些細な話。とても楽しそうに話すものだからつい

    「乱数は、チームメンバーのことが大好きなんだな。」

    そう言ってしまった。〝そうだね〜〟と笑って返してくるかと思ったが少し思ったのと違う反応が帰ってきた。顔を背けながら、少し顔を赤くしているのだ。何だこの反応は…?俺、もしかして言ったらいけないことを言ってしまったのか?そう思い、謝ろうとすると…

    「……うん。すき。」

    と、小さく返ってきた。この反応は予想していなかった。もしかしたら、飴村乱数という人物は、意外と素直ではないのかもしれない。そう思った。

    その後も他愛のない会話を続けた。以外なことに、会話が途切れることは無かった。数時間話し続けていると、扉の方からガチャリという音が聞こえた。どうやら解錠したらしい。

    「空いたみたいだね。」
    「だな。」
    「ボクたちが仲良くなったって、認めてくれたのかなぁ〜?」
    「はは、そうなのかも。もっと乱数と話していたいなって思ってたから。」
    「え」
    「…あ、いや。その。最初はどうなるんだって思ったけど、話してて楽しいなって思えたんだ。だから、…ありがとな。」
    「…ふーん。」

    素っ気なく返事を返し、乱数は扉の方に歩いていく。ヤバい、また怒らせたか?俺が調子乗った事を言ってしまったから。慌てて追いかけ、謝ろうとしたその瞬間

    「…ボクも、楽しかったかも。」

    そう呟いたのが聞こえた。なんだ、やっぱり乱数って案外素直じゃないんだな。


    「…ふふっ」
    「ちょっと、何笑ってんの!」
    「いや、ごめんごめん。また話そうな。」
    「…ま、考えてあげなくもないよ。」


    END
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    syumiaka_yoduki

    DOODLE「仲良くならないと出られない部屋」に閉じ込められた乱数と独歩が仲良くなる話「ここは何処だ…?」

    気がつくと真っ白な部屋の中にいた。扉の方に目を向けると、何か文字か書かれていることに気づく。これは…

    【⠀仲良くならないと出られない部屋⠀】

    「う…嘘、だろ。なんだよこの部屋、何なんだよ。仲良くっていったい誰と…。ああぁ、なんでこんな事になったんだ。…そういえば、今日はやけにハゲ課長の機嫌が良かったな。残業押し付けられることもなかったし。…だからか、だからなのか。やっぱりそうだ、いい事があるとその後で必ず悪いことが起きる。やっぱり、俺なんかが定時で帰ったらいけないんだな。あぁ…俺は。俺は俺は俺は」
    「ねぇ〜、もう独り言終わったぁ?」
    「ひぃぃ!!?」

    後ろから突然声が聞こえて、俺は情けなく肩を震わせて悲鳴をあげる。

    「ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい!!!」
    「あっは、そんな謝らないでよぉ。おニーサン面白いね。」
    「え、お前は確か…飴村乱数?」
    「あれ、覚えててくれたんだ。そうだよん♪おニーサンは確か、観音坂独歩さんだよね?」
    「そ…だけど。」
    「だよね、だよねぇ!やったー、大正解〜!!」

    両手をあげながらぴょんぴょんと跳ね回っている。何だこのテ 2103

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