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    saltabcd

    @saltabcd

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    saltabcd

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    双眸シナリオ

    双眸はみし人弔いて

    (おもろさんのポジはあらかじめ説明)

    ごめんなさい。
    わたしがいけなかったんだ。
    お外に出ちゃだめって、お父さんもお母さんも言ったのに。
    お兄ちゃんも、わたしがむりやり連れてったから。

    体がつめたい。
    息がくるしい。
    なにも聞こえない。
    なにも見えない。

    なにも見えないのは、今だけの話じゃないけど。

    あ、右手だけなんだかあったかいなあ。
    ありがとう、お兄ちゃん。
    これならわたし、さみしくないよ。
    うん、いっしょにいこうね──…………





    CoCシナリオ「双眸はみし人弔いて」開始します。

    ―――――
    ――――
    ―――
    ――



    幾多の柔らかな日差しが、街路樹の葉を通して揺らめく。前日の雨に洗われた空は、一段と青く澄んで見えることだろう。
    世間は連休真っ只中。あなたたちは翌日に開催される「目童村キッズフェスタ」のボランティアに参加するため、目童村に足を運んでいた。ボランティアとは言っても交通費や旅費は全額支給されている。せっかくの連休だしちょっと観光ついでに、という気分で赴いていることだろう。
    (シーン切り替え)
    翌朝に備え、あなたたちは指定されたチェックインの時間に、村の旅館へと向かう。小ぢんまりとした玄関を抜けると、受付で着物姿の女将が他の客の受付作業を行っているのが見えた。受付は彼女一人で請け負っているのか、ロビーでは数人の客が順番待ちをしている。
    順番待ちの客の中には、シャツにベスト姿の黒髪の青年がいる。倫太郎はその人物に見覚えがあるだろう。
    (合流・RP)
    不意にスミの携帯が鳴る。
    「もしもし、スミさん?寿です。今いいすか?」
    「明日なんですけど、ちょっと早めに来てもらうことってできます?ボランティア、ドタキャンが多くて人手が足りなくなっちゃって」
    「1時間早く来てもらえれば、多分……それでも間に合わないかもしれないけど、何も変えないよりはって先生が。だいぶ早くなっちゃってすいません」
    スミが電話を切って数分も経たないうちに、神慢勅の携帯が鳴る。
    「もしもし。僕だよ。独人くん、ちょっとお願いがあるんだけど……」
    「明日、1時間くらい早く来てもらってもいい?その、僕の采配ミスでね……ちょっと人が足りなくなっちゃって。大丈夫かな?」
    (思路さんに手伝うと言わせる、それを寿or東に伝える)
    寿「え、マジで?いいんですか?ちょっと先生に聞いてみますね!……先生、なんか倫ちゃんの友達が手伝ってくれるって……ハイ、たまたま鉢合わせたとか……ん、了解です」
    「あ、すいません。ぜひ来てほしいって。あと、領収書とっといてくれれば宿代負担するとかなんとか言ってます。その人によろしく伝えてください!」
    (倫ちゃんにも早めに来られるよう頼む)
    東「え、本当?いいの?それだと本当に助かるんだけど……」
    「ありがとう!ぜひお願いしたいって、よろしく伝えておいて。そうだ、宿の領収書取っておくようにも。経費としてうちの元締めから出るように手配しておくから。頼むね」
    (倫ちゃんにも早めに来られるよう頼む)

    【事前情報】
    村やフェスタのことについて、チラシやインターネット、図書館などで調べておくことができる。
    東と寿が結構知っているので、後で彼から聞いてもよい。
    ○チラシ・パンフレットの情報
    ・“子どもが主役”と銘打った祭りである。
    ・広場中央に設けられたステージで、各団体が出し物をする。歌やマジックショー、ダンスなど内容は様々。
    ・イベントの目玉であるフィナーレの時は子ども達をステージに集める。ステージのすぐ傍で花火も打ち上げる。『打ち上げ花火、下から見るか!』と某作品のようなフレーズが載っている。
    ・主催は村長の河井公江。
    (パンフレット・プログラムを見るという宣言)
    メインステージでの公演プログラムが記載されている。
    ・10:00〜開始
    ・10:30〜すすきの小学校ダンスクラブ
    ・12:30〜マスコットと撮影会
    ・13:30〜マスコットと踊ろう
    ・14:30〜Mr.ナリックのマジックショー
    ・16:30〜すすきのPTA合唱団
    ・18:30〜フィナーレ

    ○村について
    ・自然が美しく、隠れた観光地として囁かれている。特に川が綺麗らしく、沢の流れる林をボードウォークで歩ける場所もある。
    (図書館)
    ・元は木道村という名前だったが、目童村に改名された。
    ・人食い鬼の噂があるらしい。
    (コンピューター)
    ・この村では少子化が進んでいる。このようなイベントをアピールすることで村の子ども人口を増やすことを目論んでいるらしい。その割に学校や病院は小さなものしかない。村の財政状況があまりよくないのだろうか?

    ーーー

    時刻は朝9時。スタッフの指示の元、中央ステージの設営を手伝い終えた探索者たちは、東らに指定された広場の一角に向かうことだろう。足を運んでみると、その先では3人の男が何やら話し込んでいる最中だった。
    「すみません惣太郎さん、何から何まで、お世話になります」
    「気にしない気にしない。こういう時はお互い様だろ」
    「勇作もありがとうな、久々の出店だけど、何とかなりそうだ」
    「おう!何か困ったらすぐ俺んとこ連絡しろよ!……いや、やっぱめんどくせーから東先輩とこで」
    「勇作……すぐおれ頼りにするなよ……」@4
    「ジョーダンですって、ジョーダン。ちゃんと俺に言いに来い!」@笑顔
    「はいはい。頼らせてもらうよ」
    「相変わらずだな君ら……あ」@3
    3人のうち桜色のパーカーを着た青年が、探索者たちの集合に気付く。彼は二人に軽く詫びを入れて別れると、にこやかに微笑みながら探索者の方に向かってくることだろう。
    「失礼、待たせたね。みんな、とりあえずは中央ステージの設営お疲れ様。なんとか定刻通りにできたみたい」@1
    「改めて、今日は集まってくれてありがとう。ここのスペースを担当する、東惣太郎です」
    「そっちはもう、みんな顔見知りってところかな。……あ、思路さんでしたね。急に手伝わせちゃってすみません、本当に助かります」
    (RP)
    4人のやりとりをにこやかに見ていた東は、探索者たちに向き直って言う。
    「今日のは見ての通り、夏祭りみたいなものでね。店番なんだけど、僕はステージ公演とか挨拶回り行くから、みんなには12時くらいからお願いしたいな。それまでは自由に見て回ってもらって大丈夫だよ」
    「18時半から中央ステージでフィナーレだから、17時までは2~3人で店番してもらって……店仕舞いもフィナーレ直前にぼちぼち始めるから、18時には全員揃ってほしいかな。例年は12時から15時、15時から17、8時って感じで分けてるよ」
    そこまで話したところで、ひとりの青年が歩いてくる。大きな段ボール箱を2つ重ねて抱えており、その横から明るい茶髪がわずかに覗いていた。
    「ああ、いっぺんに持ってきてくれたんだ。重くなかった?」
    「全然ヘーキです!慣れてますから」
    「ふふ、頼もしいね。ありがとう。ほら、皆揃ってるから挨拶でも」
    「あ、どうも、お疲れ様です!」
    そう言って荷物を下ろすと、寿と呼ばれた青年は探索者たちに頭を下げるだろう。知り合いの顔を見れば、ぱっと顔を輝かせる。
    「スミさんにちきさんに……倫ちゃん!へへ、会えんのすげー久しぶりだ」@3
    「あ、初めましての人もいますね。俺、寿敬一です!今日はよろしくお願いします!……あれ?もしかしてどっかで会ったこと、あります?なんか見覚えが……」@2
    「っと、話遮っちゃいましたかね。さっきまで何の話してました?」@1
    「ああ、今から店番の担当……前半か後半か決めてもらおうと思って。寿には着ぐるみショー終わってからお店手伝ってもらいたいし、後半にお願いしようかな」
    「ん、オッケーです。ショーまでは店どうするんすか?」
    「僕ひとりで店番するよ。午前は空いてるしね」
    「え?一人で?午前、俺も入りますよ」@2
    「寿には前々からたくさん手伝ってもらってるしね。せっかくみんなも居るんだから、遊べるうちに遊んでおいで」
    「……わかりました、ありがとうございます!午前忙しくなったら呼んでください」@1
    「ふふ、頼りにしてるよ。じゃあ今のうちに決めてもらおうかな」
    (前後半メンバー決めてもらう)
    「じゃあ早速準備しようか。まずテントを立てないと……」
    そう言って東は、地面に置いた折り畳み式のテントを見やる。パイプを自分たちで組み立て、布を掛けるタイプのごくありふれた屋台テントである。ある者は学生時代を思い出しながら、ある者は腰を痛めながら、全員でテントを立て終えることだろう。
    「うん、こんな感じかな。じゃあ次は出し物の準備だね」
    東はそう言うと、先ほど寿が運んできた段ボールの蓋を開ける。中には雑貨や箱菓子のほか、銃身長めのコルクガンが入っている。どうやら出し物は射的であるらしい。
    「ひな壇立てなきゃね。寿、そっち」
    「うっす」
    二人は息を合わせながら手際よくひな壇を組み上げると、その後ろに赤い布を垂らし、景品を順番に並べていく。
    (目星)
    可愛らしいキャラクターのぬいぐるみやフィギュアに混じって、気持ち悪いぬいぐるみが置いてある。東はぬいぐるみに対する探索者たちの熱い視線に気付くと、にこやかに話しかけてくる。
    「ああ、これ?かわいいでしょ」@5
    東は無邪気な笑みを浮かべながら、不気味なぬいぐるみを手に取る。
    探索者たちが微妙な表情をしているのを察してか、よく見てみなよ、と彼はぬいぐるみを一番近くにいた○○の顔に近付けてくる。近くで見るとおどろおどろしさが一層感じられ、ぬいぐるみと東の笑顔のアンバランスさに恐怖を覚える。(SANc0/1)
    探索者たちは設営作業に励んだのち、ようやく辺りを見渡す。いつの間にか広場にはテントが立ち並び、広場中央には音響機材や照明が設置されている。多くのテントやレジャーシートが、広場中央のステージをぐるりと囲む形になっていることがわかるだろう。
    「準備はこんなものかなあ。ねえみんな、試し撃ちしてもらってもいい?簡単すぎても難しすぎても良くないからね」
    DEX×5。射撃系技能を持っていれば、射撃系技能or DEX×5に+20の補正。
    (RP)
    探索者たちがワイワイやっていると、ステージの方からピストルの音が鳴る。どうやらフェスタ開始の合図らしい。
    「あ、時間かな。他の出店なんかももう始まるね。モノ頼んでる立場でこう言うのも変だけど、楽しんでくれたら嬉しいな。じゃあ、行ってらっしゃい」


    10:00〜12:00
    ぶっちゃけ寿に東との間柄を掘り下げるなら今だと高らかに宣言。
    【探索可能箇所】
    ○広場中央
    ○出店
    ○川辺

    ○広場中央
    ・ステージ周辺
    ・ステージ

    ・ステージ周辺
    音響の機材や照明スタンドが置かれている。小規模とはいえ屋外ライブ会場のようである。
    (目星)
    花火を上げる筒やスプリンクラー、紙吹雪を発射する装置も置いてある。どうやら演出にかなり力を入れているようだ。


    ・ステージ
    高さ1mほどの台になっている。ステージの裏に立っている3つのテントは控室なのか、中が見えないようカーテンで覆われており、「関係者以外立ち入り禁止」の札が掛かっている。
    今現在、ステージの上では小学生くらいの子どもたちによるダンスが披露されているであろう。
    (目星)
    熱心に踊っているのか、子どもたちのうち何人かは顔を真っ赤にしている。


    ○出店
    ・他の屋台
    ・自分たちの屋台
    ・フリーマーケット

    ・他の屋台
    焼きそばやりんご飴といった食べ物のほか、金魚すくいやヨーヨー釣り、くじ引きなどもある。定番の屋台なら何でもありそうだ。

    ・自分たちの屋台
    他の出店に比べて、なかなかに繁盛しているのではないだろうかと思う。
    (目星)
    キショいぬいぐるみはまだ残っている。
    ふと、そのぬいぐるみと目が合った気がした。(SANc0/1)

    ・フリーマーケット
    妙な出店がある。オカルト本が長机にずらりと並べられており、その前にはパイプ椅子に座った────この場にはどうも似つかわしくないような気がするのだが────ルーズソックスを履いた、金髪のギャルがいる。つい気になったあなたたちが歩みを緩めると、ギャルは嬉々として声を掛けてくるだろう。
    「え!お兄さん超かっこい~!!村の人じゃない感じ?だよね?」
    その目線は寿の顔に注がれている。
    「俺?一応、よそからだけど……」@2
    「そっかそっか!ね、良かったら見てってよ!ツレがオカルト大好き根暗女なんだけどー、話聞いてたらアタシもハマっちゃってさあ!本買いすぎて金欠だし、読んだやつ売ろっかなって!ま、“フキョー”ってやつも込みだけど!」
    「そこのお兄さんもオカルトとかちょ~好きそうだし!」
    そう言ってギャルは独人の顔を指差す。
    「ねね、みんなよそから来てるんだよね?目童村の人食い鬼のウワサ知ってる?」
    事前情報で知らなければ前にこのセリフを入れる→「マ?じゃあ教えてあげんね!実はこの村ね、人食い鬼いんの!人食いっていうか、死体のが好きらしいんだけど!」「人食い鬼ね、目玉がめちゃ好物とか言われてんの、わざわざ目玉だけ取って食うって話」
    「(でもお兄さんたち聞いてんのって目玉大好き鬼くんじゃね?)でも実際のとこね、目玉が好物ってわけじゃないんだわ。むしろ超苦手!見たらビビりすぎて固まっちゃうんだって!かわい〜。だから村の東西南北にホコラ?立てて、目玉のレプリカ置いてんの!人喰い鬼が目玉取るのは、目玉嫌いすぎてさっさと潰したいからなんだってさ〜」
    「で、見たやつのことカチコチにしちゃうのがメドゥーサぽいじゃん?メドゥーサ、メドゥーソン、めどうそん、目童村!この流れで漢字変わったんだって!」
    「こんなテキトーな名付けでいいわけ!?キャハ、ウケるよね!大喜利かっての!」
    「でもちゃっちー村の名前なんてそんなもんじゃんね!アタシはこの説推しだな〜っ」
    (やっすんに個人メッセ)
    スミは「白魚の濡羽」というタイトルの本が置いてあることに気が付く。
    何か反応する場合(「……」等でも)
    「おねーさんそれ気になる感じ?超面白かったよそれ!イトイガワ推せるんだよね〜!ツレのオカ女もなんかすげー共感して元気出たって!」
    「『かみざかなのすごむゆめ』ってやつも読んでみたくてさ、ココで小遣い稼いでサクッと買っちゃおかな〜とか思ってんだよね!」

    (図書館or目星)
    目についた本をパラパラとめくっていると、マーカーの多く引かれたページが見つかる。
    「【グール】
    漢字では食屍鬼と書かれる。
    その姿は見る者に不潔で不愉快な印象を与え、鼻につくような刺激臭を纏っている。食料は動物の死骸や排泄物。稀に地下鉄事故を誘発し、大量の食料を得ようとする。
    人間の言語を扱える個体も多く、人間と接触し取引を持ちかけることもある。
    グールと気の合う者やグールの文化になじみすぎた人間はグールに変異してしまうことがあるという。 」

    そのすぐ下にはイラストが描いてある。
    二足歩行だが前屈みで犬のような特徴が見られる。ヒヅメ状に割れた足、犬に似た顔、鋭いかぎ爪。生々しく恐ろしいイラストに、あなたたちは嫌悪感を抱くだろう。(SANc0/1d2)



    ○川辺
    川は広場から離れた、林の向こう側に流れているらしい。あなたたちは雑木林の間を縫って設置されたボードウォークの上を歩む。観光のアピールポイントにしているだけあって、木漏れ日の中の散策は随分と心地良く感じるであろう。
    (目星)
    ところどころで分かれ道の作ってあるボードウォークは全体的に年季を帯びているが、比較的新しい部分もあるとわかる。

    川辺に出ると、ひんやりとした空気が肌を撫でる。水の流れはやや速い。
    (目星)
    水が綺麗だと聞いていたのだが、昨晩の雨のせいだろうか?やや濁った水が、だぱだぱと薄茶色い飛沫を上げて石を打っている。もう少し時間が経てば綺麗な川が見られるのではないかと思う。
    (アイデア)
    もう少し時間が経てば綺麗な川が見られるのではないかと思う。


    ここで12時前になる。交代。
    寿は午後前半は東といるため、午後後半に合流すると明言。
    出店番パートを先に回す。

    【12:00〜の出店番】
    店はそこそこに繁盛している。
    (目星)
    繁盛しているとはいえ、作業量もたかが知れている。東の言った通り、出店番は2人いれば大丈夫そうだ。

    列が途切れたときを見計らってか、アロハシャツを羽織った青年が話しかけてきた。
    (東と入れ違いでやってくる)
    「よお!東先輩、今いる?」@デフォ
    「大学時代の後輩なんだ、オレ。サークルが一緒でさ」
    「いない?入れ違い?そっかー。じゃあ戻ってきたらよろしく言っといてくれ。勇作って言えば分かるからよ」
    「用?んー、いや、やっぱおたくの感じ見てると、大丈夫そうだし!やっぱいいや」
    「オレんとこは唐揚げ丼やってんだ。うめえぞ、ウチの米は!ビールも売ってるから、良かったら飲みに来いよな!」@笑顔
    「おや、ここ。緩んでるな!直しておくぜ」@デフォ
    そう言って笠寺は、少し身を乗り出してテントのネジの部分をくるくると捻る。
    (聞き耳)
    一瞬、つんと鼻につくような匂いがする。

    「さ、早く店戻んねーと。……あ、そうだ。東先輩にこれだけ言っといてほしいんだけどよ」
    「……今年こそ、全部奪い返してやる、って。伝えとけ」@真顔
    それだけ言い残すと、笠寺は手を振って去っていった。


    【午後1回目(12:00〜15:00)の探索】

    ○広場中央

    ・ステージ周辺
    村長に話しかけられる。
    あなたたちがステージ周辺をうろついていると、どこか上品な出で立ちの婦人が話しかけてくる。
    「あら、ごきげんよう。この村の方じゃないわよね?」
    「わたくし、村長を務めております。河井公江と申します」
    「この村、良いところでしょう?移住者はいつでもお待ちしておりますよ。ふふふ」@笑顔
    「妙な噂も立っているようですけれど、あまりお気になさらないで。全てデマでしょうからね。ええ、全て……」@真顔
    そこまで言ったところで、横を歩いてきた男が人ごみに押され、村長と肩をぶつける。

    「……おっと、失礼」
    その顔を見た村長は、あからさまに顔を顰めた。
    「島田さん……彼に、なぜだかよく知らないけれど、目の敵にされているみたいですの、わたくし」@むっ
    それに続けて、彼女は何か小さな声でぼそぼそと呟いた。
    (聞き耳)
    「……たり前……あなた…子……使いものに………」@やれやれ


    ・ステージ
    着ぐるみとの撮影会を行っているようだ。
    (目星)
    ステージの上では、藤色のクマの着ぐるみが風船を子どもに手渡し、灰色のクマの着ぐるみが子どもたちと写真撮影をしている。
    ステージの藤色のクマの着ぐるみと目が合うと、一瞬こちらに手を振ったような気がする。
    (ステージに出るという東と寿の話を聞いていたらアイデア、リアルアイデアでも○)
    あれの中身は東なのだろうと思う。


    ○出店

    ・自分たちの屋台
    午前中と変わらず、他の屋台と比べてなかなかに繁盛しているのではないだろうかと思う。
    (目星)
    キショいぬいぐるみはまだ残っている。
    ふと、そのぬいぐるみと目が合った気がした。(SANc0/1)

    ・他の屋台
    飲食物を扱う店のスタッフが何やら神妙な面持ちで話し合っている。どうしたのかと立ち止まっていると、自分たちの出店の方向から歩いてきたアロハシャツの青年が、話し掛けてくる。
    「お、東先輩んとこの。どうした?」@デフォ
    「どうやら子どもの体調不良が相次いでるみたいでな……」@真顔
    「熱中症には早いし、食中毒って噂もあるんだが……村長は、消毒だけすりゃ店は続けていいってよ」
    「とりあえず消毒液ばら撒いて様子見ってとこかね。ちょうどウチに沢山あったから、他の屋台にも配っといたんだ」
    「おたくは射的だし、とりあえず消毒液は大丈夫だよな?念のため聞きたくて、さっき君たちの屋台に行ったんだが……東先輩とは入れ違っちまった。はは」@デフォ
    「唐揚げも少し硬くなっちまうが、長めに揚げとこうと思ってるよ。……あ、いけね!もうこんな時間だ!着ぐるみ、早く着ておかねえと」
    「ああ、これから着ぐるみ着て踊んだよ。東先輩と入れ替わりでな」


    ・フリーマーケット
    「そこのあんたら、村のもんじゃないな。君らくらいの子が集まっとるとは、これまた珍しい」
    話しかけてきた老人は、目に関する医学書やユニバーサルデザインの解説書など、目に関わる本を置いている。
    「この村には、目についてかなりのいわくがある。私も、目に関しては色々と思い入れがあるからな……収集癖も相まって、この本の量だ。連れ合いに邪魔だと言われて、売る羽目になったよ」
    「目童町には古くからの言い伝えがあるが、でたらめも多くてな。私の孫は、メデューサがどうのと言うが……そんなもんはおらん」
    (これ以降のセリフはRPで開示)
    「8つになる前の子ども2人の眼球をえぐり出し、4つの目玉それぞれを町の四方に祀る。そうすることで、悪霊や物の怪といった類のものが入ってこないよう、監視させる」
    「ひとりの目……『瞳』を、ふたつに分けて祀る……目童村の名の由来はここにあろうよ」
    (目星)
    ふと手に取った本に、開き癖のついたページがあることに気付く。

    「【色盲】
    色覚異常とは一般に赤緑色覚異常といわれますが、緑色や赤色を識別することができない病気で、遺伝による先天色覚異常と視覚系の障害によって生じた眼疾患に伴う後天色覚異常があります。
    灰色と赤の区別がしにくいものを第1色覚異常、灰色と緑の区別がしにくいものを第2色覚異常といい、この他青と黄を混同する青黄異常の第3色覚異常がありますが、非常にまれです。
    すなわち、『オレンジと黄緑』『赤と紫と黒』などが同じような色に見えてしまうのです。極端に濃い色、薄い色は判別がつきづらいため、ユニバーサルデザインの構成にあたっては注意が必要です。」



    ○川辺
    午前とは打って変わって、かなりの透明感がある。水面と、川底を泳ぐ小魚がちらちらと光を弾いているのが見えるだろう。
    (目星)
    川底がよく見え、かなり深そうなところもある。うっかり落ちたら危ないだろうと思う。

    岩の上に、小学校低学年くらいの少年が座っている。レモネードのカップを持って、ぼんやりと川を眺めているらしい。目には薄く涙が浮かんでおり、鼻をすすっている。
    ☆思路さんがいた場合以下の台詞を入れる。情報をすんなり出してくれるようになる。
    「……おもろ、さん……?」
    「思路……李氏斗さん、だよね。テレビに出てる……」
    「えっと、ぼく、スポーツいっぱい観てて。思路さんの解説とかお話とか、いっぱい聞いてるんだ」@笑顔
    「すごい、本物?」
    「……ぼく?河井公太」

    (アイデア)
    村長の名前は河井公江だったと思う。
    「うん。村長なんだ、ぼくのママ」@デフォ
    「でも、村を挙げてのお祭りだから、忙しいって。いつのまにか、いなくなっちゃった」
    「いつもそうだ……ママ、ほかの子ばっかり見てて。きっと、ぼくのことなんかっ、どうでもいいんだ……!」@泣き顔
    そう言って、少年は大粒の涙をこぼし始める。
    (連れて行かない場合、アイデア)
    川は深く、流れも速い。ここに子どもひとり置いて行くのは危ないのではないか?と感じる。
    (連れて行くという宣言)
    「べつに、僕ひとりでも……」
    少年がそう言いかけた時、森の奥ががさがさと鳴る。
    「ひっ……!?」@驚き
    (目星)
    少年はひどく怯えている。

    しかし茂みから飛び出してきたのは野良猫であった。少年はほっと胸を撫で下ろすと、あなたたちに言う。
    「……よかった、人喰い鬼じゃなくて」@デフォ
    「……村にはね、人喰い鬼がいるんだ。ママが言ってた」
    「本当にいるんだよ。僕とおんなじくらいの子だって、目をとられちゃったんだよ」
    「子どもの目が大好きで、捕まると目を食べられちゃうの。目がない子たち、きょうだいかな?一回しか会ったことないし、名前も知らないけど……その子たちのことを思って、目童村、今の村の名前になったって、ママに聞いたんだ」
    (迷子センター・インフォメーション等に連れて行くという宣言)
    「……さっきまで、そこにいたんだ、ぼく。でも、ママが来てくれるわけないし……それだったら、一人で遊んでた方がずっと楽しいから、出てきたの」

    【店番交代・午後2回目の探索】
    ☆午後2回目の探索は自由行動組から回す
    ・公太を後半組に引き渡す
    ・寿が戻ってきていない。連絡がつかない。
    東(林にいる)から誰かの元に着信。

    するとここで、〇〇の携帯が鳴る。

    「……もしもし?寿って、そこにいる?」
    「……そっ、か。やっぱり……」
    「ごめん、ありがとう」
    それだけ言うと、電話はすぐ切れてしまった。
    (アイデア)
    東の声は微かに震えていたように思える。



    【出店番】
    島田「やあ。こんにちは」
    「惣太郎さんに少し用があるんだが……彼は今何をしているのかな?連絡がつかなくてね」
    「そうか……じゃあ、見掛けたら連絡するよう言っておいてくれ。僕は島田。類って言った方が伝わるかも」
    「友人のツテで知り合ってね。惣太郎さんには、僕もお世話になってるんだ」
    「まだ5月だけど、この頃子どもの熱中症がぽつぽつ出てるみたいだからね。君達も気をつけなよ」
    「僕はレモネードを売ってるんだ。ぜひ来てくれ……とは言っても、少し立て込んでてね。留守にしてることは多いけど、まあ、惣太郎さんのお連れさんだし、勝手に飲んでもらっても構わないよ、はは」

    【島田に人食い鬼のことを聞く場合】
    「……どうしてそんなことを聞くんだい?」
    「そうだね……この村には、確かにいるよ。本当におぞましい化け物がね」
    (聞き耳)
    一瞬、つんと鼻につくような匂いがする。

    ○広場中央
    ・ステージ中央
    マジックショーが披露されている。先ほどより人が多くなってきたようだ。
    (聞き耳)
    屋台の食べ物のにおいに混じり、プールのようなにおいがする。

    ・ステージ周辺
    白い帽子とスカーフを身に付けた女性がいる。
    「あ……ママ……」@デフォ
    「あら?公太。一体どこにいたの?」@デフォ
    「あなたたちは……もしかして、公太の面倒を見てくれていたのかしら?ご迷惑をお掛けしましたわ。ありがとう」@笑顔
    「ママ、まだお仕事沢山あるから、もう少し待っててちょうだい」@デフォ
    「……や、だ。ママ……」
    「公太、言うことを聞きなさい」@むっ
    公太はゆるゆると首を横に振りながら、震える手で村長のスカートの裾を摘んだ。それを見た村長の眉は吊り上がっていき、ヒステリックに叫び始める。
    「あのねえ!今は忙しいの!!わかるでしょ!!?」
    「どうせまた、この人たちに余計なことを言ったんでしょう!!私はトラブル処理をたくさんしなきゃいけないの!!忙しいの!!大人しくしてなさい!!」
    「マ、マ……」@気分悪
    「私の言うことが聞けないのっ!!!?」
    ふと公太の顔を見たあなたたちは、先程まで赤らんでいたはずの彼の顔が真っ青になっていることに気が付く。どうしたのか聞く間もなく、公太はその場にしゃがみ込み、その場に嘔吐した。
    「う、ぇ……げぽ……」
    「え、ちょっと、公太⁉︎」
    (目星)
    顔は真っ青で、虚ろな目をしている。レモネードの入ったカップは地面に落ち、土の上に染みを作っている。
    (レモネードのカップを調べるという宣言があれば聞き耳)
    レモネードのカップからアルコールの匂いがする。

    「ああもう……救護係のところに行くわよ!!」@やれやれ
    そう言って村長は、公太を乱暴に抱き抱えて去ってしまった。


    ・他の屋台
    屋台や人々の間を縫って、ひとりの青年が走り抜けていくのが見える。
    (目星)
    あなたは、その青年が寿であるとわかるだろう。
    しかし彼は後ろを振り返りながら、慌てた様子で走り去ってしまう。
    (追いかけようとしても、距離が離れているためすぐ見失ってしまう)

    ・自分たちの屋台
    相変わらず、他の屋台と比べてなかなかに繁盛しているのではないだろうかと思う。
    (目星)
    キショいぬいぐるみはまだ残っている。
    ふと、そのぬいぐるみと目が合った気がした。(SANc0/1)


    (16:30頃を想定)
    【出店番・テント崩壊イベント】
    コルクガンを子どもに手渡した○○は、頭上から響いた「ギィギィ」という音に顔を上げるだろう。
    途端、頭上のパイプを繋いでいたボルトが弾き出されるように地面に落ちる。あ、と声を上げた頃には、テントの前部を支えていたはずのパイプが外れていた。パイプは今しがたコルクガンを渡した少年の頭上に落ちていくことだろう。
    (落ちたパイプが子どもに当たりそうになる。子どもに銃を渡す係の人が幸運判定。幸運に失敗したら、パイプを支えるためのDEX×5判定。当たったら子どもが怪我をする。)
    成功→○○は慌てて身を乗り出し、パイプを確かに掴み取った。もう片腕は、子どもの頭部を庇う形で覆い込まれている。少年はきょとんとした顔で、○○の焦った表情を覗き込んでいた。
    失敗→ごつん、と鈍い音が響く。少年は不意の衝撃に尻もちをつく。一瞬の静寂の後、少年の泣き声が響いた。
    「う、ぐす、うわぁぁあん……!!」
    頭部を押さえて泣き叫ぶ我が子に、母親と見られる女性は○○に詰め寄った。
    「タッくん……!ちょっと、どういうこと!安全管理はどうなっているのかしら!?」
    「痛いね、痛いね……どうしましょう、ここ小さな診療所しかないのに……もし脳に影響があったら……それにもし目が見えなくなったら……あ、あなたたちのことは、後で実行委員に伝えておきますから!」

    (アイデア)
    普通、頭をぶつけた時に視力のことまで心配するだろうか?と思う。「目がちゃんと見えること」に何かこだわりがあるのだろうか?

    成功・失敗関わらず倒壊しかけたテントに(目星)
    成功→先ほど直してもらった箇所が外れている。ボルトが緩んでいたのかもしれないとわかる。


    あなたたちが話し込んでいると、東が小走りでテントに戻ってくる。彼は息を切らせ、ひどく焦ったような表情を浮かべていることがわかる。
    「……いない」@8
    「ずっと、寿と連絡がつかないんだ。伝えなきゃいけないことが……いや、無事ならすぐに合流したいんだけど……」@9
    東は真っ青な顔でスマホを握りしめて、何やらぶつぶつと呟いている。
    (聞き耳)
    東が呟いている内容が聞こえる。
    成功「まさかもう……いや、あの子に限って……くそ、勇作、なんで……」
    失敗→人々の声に紛れて、東の口から勇作、という名前が聞こえる。
    「えっ、と……」@10
    「……僕もほんとは口止めされてるから、あんまりよそで言わないでほしいんだけど……」
    「……後輩が……勇作が、殺されたんだ……」@17
    「着信があって、様子が変だったから……駆けつけた時には、もう────」
    「……なんか、お面の人が聞いて回ってるんだって。着ぐるみを着てた人はどこかって。僕、勇作、あと、寿……」
    「それで、勇作が殺されて、寿も連絡つかなくて……寿はすぐ返事返してくれるはずなんだ、こういう時は、いつも。あれで結構、マメな子だから……だから、もしかしたら……」@4
    「……あんな、あんな惨い殺され方、殺し方。まともな人があんなことするわけがない」
    「化け物の、所業だよ」@18
    口に出すうちに、凄惨な光景が思い出されたのだろうか。慕っている青年が「惨い殺され方」をしている情景を、未来に見たのだろうか。東はその場にしゃがみ込み、髪をぐしゃぐしゃと掻き乱し始めた。
    「……こと、ぶき……頼む、君があんな……そうなったら、おれは、…………」
    精神分析or落ち着かせるRPがあった。クリティカル・RPによって以下を開示していく。☆は必須。
    「……ごめ、ん。うずくまってる場合じゃない、よね」@10
    ☆「……実は、ちょっと心当たりがあって。お面の人がスプリンクラー用のタンクを交換しててね。ポンプのねじ、緩んでたから絞めようとしたら、いつの間にかそのお面の人が後ろに立ってて。慌てて更衣室戻ったんだ」
    ☆「……でも、なんで。タンクをいじったのがいけないのなら、僕を狙わないんだ……?」
    ☆「あのお面の人、スタッフのネームタグ下げてたんだ。関係者しか持ってないはずの。関係者なら、僕が藤色の着ぐるみだって、知ってるはずなのに……」
    「資料が関係者にあらかじめ配布されててね。データ配布だから、確認しようと思えばすぐできたはずだよ」
    【犯人はどんな見た目?】
    お面をつけていた。パーカーを着て、フードを被っていた。スタッフであることを示すネームタグを掛けていた。
    【笠寺はどんな死に方だった?】
    河原。目玉がなかった。後頭部は抉られたような形になっていた。
    【通報はしないのか?】
    「交番が近くにあったから、駐在さんにすぐ知らせたよ。すぐ応援呼んで、調べてくれた。……ただ、混乱は避けたいから内密にって」
    「……でも本当に、大丈夫なのかな?勇作のことも、ビニールシートに包んで、どこかに連れて行っちゃった。こういうのって普通、動かさずに調べるものじゃないのかな……」


    と、東の携帯からひと際大きな着信音が鳴る。東は慌てて画面を見ると、送られてきた内容を口にする。

    「『おめんのやつに気をつけて』『かくれるので』『スマホ電源きります』……」
    「……こうしちゃいられないな。僕はこっちを探してくる。寿を見つけないと……!」@8
    そう言って東はひとりで勝手に走り去ってしまうだろう。

    (この頃に17:00になるため、合流。以降全員での行動推奨。時間制限は設けない)


    【ここでタンクを調べるという宣言があった場合】
    ・ステージ周辺
    ステージの周りには既に人だかりが出来ていた。あなたたちは人混みをかき分けながらも、なんとか全員でステージに近付くだろう。
    スプリンクラーのホースの先は、控室に繋がっている。タンクはその先に運び込まれているらしい。控室の前には「関係者以外立ち入り禁止」の札が掛かっている。入ろうとすると、近くにいた男性が話し掛けてきた。首からスタッフと書かれたネームタグをぶら下げている。
    「こら。ここはスタッフ以外立ち入っちゃいかんぞ」
    「ダメだと言ったらダメだ。勝手なことをしたら、俺たちが村長に大目玉を食らうんだ」
    「毒?誰がなんのために?バカを言うんじゃない」
    「タンク?たしかにテントに移動させたが。足を掛けそうで邪魔だったからな」
    「どのみちタンクの水は殺菌剤を入れてある。余程のことがない限り安全だ」
    「余所者は村長に逆らうとどうなるかも分からない。気楽なもんだ」
    長引きそうな場合(アイデア)
    成功→どれだけ頼み込んでも通してくれなさそうだと感じる。
    失敗→この人を口説き落とす術が何も見つからない。諦めた方が良さそうだ。
    (☆アイデア・対人技能でクリティカルを出した場合、調べておいてくれる。後半、探索者がスプリンクラーを止めなくてもエンド1・2に行ける)


    ・島田の屋台
    「準備中」の札がかかっている。
    (調べる)
    冷蔵庫の中身を見ると、紙パックのレモネードの素や炭酸水、透明な液体の入った瓶が入っている。
    (目星)
    瓶のラベルは剥がされているが、剥がし残りの部分が目に止まる。小さい文字で「CH3OH」と書かれているようだ。
    (知識)
    CH3OH……メタノールの化学式だ。
    (知識1/2or薬学)
    メタノールは別名メチルアルコール。飲用のエタノールとは違い、飲むと嘔吐や頭痛、失明のおそれがある。


    【川に行くという宣言】
    シークレットダイスで寿の「隠れる」。失敗でがさりと音を鳴らす。成功した場合、聞き耳。
    sCCB<=60 隠れる(寿)
    (聞き耳)
    川に向かうため木道を歩いていると、近くの茂みから人の気配がする。
    あなたは人の気配がする茂みを、恐る恐る掻き分ける。茂みの中にうずくまっていたのは……見知った茶髪の青年であった。
    「く、来るなっ!!」
    人に見つかったことを悟った寿は、どこか怯えた表情で、○○の顔も見ないまま拳を振り上げてくるであろう。寿こぶしロールに成功時、回避。
    成功
    ○○は寿の拳をなんとかかわす。もう一度拳を握り直した時、○○の顔にようやく気が付いたらしい。寿はしまった、というような顔で身体をこわばらせた。
    失敗
    ○○は寿の拳をかわしきれず、尻餅をつく。もう一度拳を握り直した時、○○の顔にようやく気が付いたらしい。寿はひどく慌てた顔をして、身体をこわばらせる。

    「あっ……!?うわ、す、すいません!!」
    「……ちょっとヤバそうな奴に追いかけ回されてて、パニくってました。ほんとにすいません……」
    「お面被ったやつに、デカい石……明らかに血がべったりついたの、持って追いかけ回されて。急いで逃げて隠れてました」
    「下手にみんなのとこ行って巻き込みたくないんで。携帯も鳴らないように電源切ってました」

    (ここで東に連絡しても、出ない。島田と揉めているため。)
    ここで18時になるため、テントに帰らせる(寿が帰ろうと言う)
    ・18時だが、東の姿がない。
    ☆寿と合流していなかった場合、東らのもと(18時以降の川)に行く途中で会わせる。

    ・木道
    攪乱用シークレットダイス。振ってから「あ~あ……」と微妙な反応・溜息をこぼして適宜不安を煽る。
    s1d100

    (聞き耳)
    成功→小川のせせらぎに混じって、誰かが言い争うような声が聞こえる。ひとりは東のようだ。
    失敗→誰かが言い争うような声が聞こえる。
    ややぬかるんだ道を踏みしめながら、あなたたちは草木を掻き分けていく。声の方へ向かうにつれて、言い争うような声は段々と大きく聞こえてくる。否、口論自体が加熱しているのだ。もうすぐで声の元に辿り着く、そう思っていた矢先、はたと声が止んだ。
    一際背の高い草を分けると、急に視界が開ける。釣り人の休憩場所にでも使われていたのだろうか。その周辺のみ草が生えておらず、やや湿った木製のベンチが鎮座している。
    (東KP差分)
    しかしあなたたちの目が捉えたのは、すっかり古びたベンチなどではなく。血塗れの石を握る島田と、その足元に転がっている般若のお面と、倒れ伏す東の姿であった。

    「おや。これまた大勢で」@真顔
    「着ぐるみ着てたから……かな。見られたからには、ね。邪魔されるわけにもいかないし」
    「君たちにわかるのかい?理不尽に光を奪われた僕の子が、どんなに辛い思いをしたか。この村に生まれただけで、僕の血を継いだだけで、僕の子は選ばれてしまった。それが原因で死んだ。嫁も後を追った」
    「もう今更、失うものもない。そもそも何が正しいのかさえ、この村じゃ分かりっこない。もう、それでいい。どうせこの世界が色づくことなんて、僕には二度とないんだから!」@荒れ
    「ハハ……アハハ!さあ、これからだ!待ちに待った祭りの時間だ!!」
    「愛する家族よ!あのガキを葬ったら、僕もすぐ、お前たちのところに行ってやる!勇作もあの世でもう一度、喧嘩し直そうじゃないか……!」
    島田はそう叫びながら、村の広場の方向へと駆け出して行った。

    (他CPによる返事が特になければ以下のように寿が返す。適宜変更。)
    「……う」@21
    島田の声によって意識を取り戻したらしい東が、立ち上がろうと身をよじる。が、すぐ地面に倒れ込んでしまった。側頭部を押さえており、その指の間からも血が流れていることがわかる。
    「先生っ!先生!」@6
    東は寿の呼び掛けに反応こそするものの、薄く開かれた目は虚ろである。地面にはかなりの量の血が流れている。殴られたショックとで意識が混濁しているのかもしれない。
    「……こと、ぶき、」@23
    「……よかった」@27
    「はなんも良くないでしょ!くそ、頭の止血ってどうやんだ、わかんねえ……」@10
    「あいつ、ガキ殺すみたいなこと言ってますよ。早く止めねえと……あいつ今何しに行ったかわかりますか、先生」@22
    「……止め、なくて、いい」@23
    「は?」@5
    東は焦点の合わない目で、うわ言のように呟き続ける。
    「あのひと……子ども、殺されたって。仕返しなんだって」
    「……うさばらし、なんだ」@20
    「な、何言ってんすか、このままじゃヤバいって……」
    「……自分の子が死んで、もしそれが誰かのせいだったら、誰かのせいにできるんだったら……」@25
    「!……」
    「あのひとは、復讐したほうが、きっと幸せ。悲しさは残っても、けじめはつけられるんだ」
    「……いい、なあ」
    「早くそれに気付いてたら……おれは、あの子を、殺さなかったのになあ」@20
    「ごめん、ごめんな、児玉くん、独人くん……」

    【島田を追うという宣言】
    先ほど、島田は木道を無視して林の中を駆け抜けていった。土地勘があるのだろう。探索者達は後を追おうとするも、彼の姿をすぐに見失ってしまった。
    (PLがスプリンクラーを止めるべきだと分かっていた場合、アイデア)
    成功→辺りは既に暗く、ここで島田を追うのはかえって時間がかかりそうだ。スプリンクラーさえどうにかすれば、惨事は防げるかもしれない。

    急いでスプリンクラーの電源コードやホースを切断するorタンクから取り外すorコンピュータ制御を解除する

    【タンクを確認するという宣言があった場合】
    関係者テントの前に、スタッフらしき人は誰もいない。あなたたちがそこに飛び込むと、2つのポリタンクとスプリンクラーが、ホースで接続されている。
    片方のタンクの蓋を開けると、強い刺激臭が鼻をついた。塩素のにおいだ。
    (薬学or知識/2)
    中身は原液に近い漂白剤であるとわかる。
    (アイデア)
    花火の打ち上げに使われるであろう筒は、ステージのすぐ傍に置いてある。花火はステージの真上に打ち上がるのだろう。それと同時にスプリンクラーが稼働したら、花火を見上げる子どもたちの顔に、タンクの中身が降り注ぐことになるであろう。
    (さらに知識/2or医学or薬学)
    漂白剤は目に入ったら失明のおそれがある。処置が遅れればその可能性は倍増するであろう。

    もう片方のタンクの蓋を開けると、特徴的なにおいが鼻をつく。ガソリンのにおいだ。
    (アイデア)
    子どもたちの頭上にガソリンを撒き、そのすぐ側で花火を打ち上げる。子どもたちに火の粉が少しでもかかれば────そこで起こるであろう惨状を想像した探索者達は、恐怖にごくりと喉を鳴らす。SANc1/1d3
    (☆希望があればちきさんだけSANc3/1d3 +3)

    (☆ホースを切断する・外すという宣言がない場合)
    「あれ?もしかして、これ、パソコンで制御されてる?タイマーみたいなのが……」
    寿が指差す先には、一台のノートパソコンと、その画面に表示された「照明オフ・紙吹雪オフ・スプリンクラーオン 18:00」の文字がある。
    (コンピュータ)
    成功→あなたはノートパソコンのキーに指を走らせ、タイマーを解除する。制御がリセットされたようで、表示されていた時刻や機材の名は綺麗さっぱり消え去った。


    (エンド1:スプリンクラー○・東の治療○)
    スプリンクラーとタンクの接続を解いたあなたたちは、仄かな不安を胸に抱きながら広場中央まで出てくることだろう。
    (シーン切り替え)
    ある者が隣の探索者の顔を覗き、ある者が他の探索者に声を掛けようとしたその時────ドン、という音が響いた。
    (シーン切り替え)
    空を見上げると、目の前で大輪の花火が咲いた。満点の星空をバックに咲き誇る花々は、視界の全てを覆い尽くす。あなたたちの目を奪う。花火の音が、子どもたちの歓声が、笑顔が、次々に花開いていく。

    額や肩に降り散る煤など気にならなかった。彩りに満ちたこの光景は、「子どもたちを救えたのだ」という安堵と誇らしさと共に、胸に染み入ってくる。様々な色に照らし出される人々の表情を見て、あなたちも思わず互いの顔を見合わせるだろう。
    (RP)

    (聞き耳)
    人混みの向こう側……林の方から微かに、男たちの騒ぐ声が聞こえる。
    「やめろっ、離せ!」
    「島田!お前、何を考えてる!」
    「僕は、僕はあのガキを……!」
    「公太くんにはなんの罪もないだろう!」
    「駐在連れてきたぞ!早く手錠を……」
    「もう大丈夫だからな、公太くん!」
    しばらく揉めるような声がした後、すぐ静かになる。その直後、島田の嗚咽が聞こえたような気がするが、花火の音にかき消されてしまった。

    (RP)

    ふと、寿の携帯が鳴る。
    「……あっ!先生からだ……!もしもし!俺です!」@5
    「もしもし?そっちは……大丈夫、そうだね。子どもの歓声、ちゃんと聞こえてるよ」
    「はい、なんとかなったみたいですけど……先生、頭大丈夫ですか?」@7
    「うん、うん?ちょっと語弊のある言い方だなあ……」
    「まあいいや。あの後、救護係の人呼んでしっかりめに処置してもらった。車出してくれるらしいし、病院もすぐ行くから、心配いらないよ」
    「そっか……良かったです」@14
    「花火、見えてるよ。きれいだね」
    「はい。めちゃめちゃきれいです」@1
    「……止めてくれて、ありがとう」
    「!」@2
    「皆にも、そう伝えておいて」
    「……はい!」@3

    (☆なんかそれっぽいRPがあった場合)
    「……寿」
    「ん、何すか?」@1
    「本当に、いい友だちを持ったね」
    「はは。何度目ですかそれ」@3
    「何度でも言うよ。大事なことだから」
    「……ですね。幸せもんですよ、俺は」@1
    「よかった。そう思えるなら、君は……」
    「いい友だちも、先生みたいな────父親、的な人も────俺にはいますからね」@1
    「…………ことぶ、」
    「あ〜、周り盛り上がってきちゃって、ちょっと聞こえづらいですね!一旦切ります!それじゃ!」@3
    「ちょ、ちょっと、待────」
    ↑↑

    あなたたちはどんな表情を見せ合っているだろうか。子どもを救えたという、誇らしげな顔?安堵に満ちた顔?達成感に溢れた顔?それとも、何が起こっているのか飲み込めていない、呆然とした顔?
    いずれにしても、今の自分たちは確かに同じ村で、同じ星の下で、同じ花火を見ているのだと改めて噛み締めることだろう。ここにいる誰か────少なくとも、この青年にとっては────これこそが想い望んでいた場面、なのかもしれない。

    さまざまな彩で飾られていく星空。それは光の灯る眼で、色のある世界を生きるあなたたちでなければ、見られない情景であろう。ここにいるあなたたちだからこそ見られる花火の彩りを、仲間たちの表情を、

    その双眸に、しかと焼き付けて。


    エンド1:双眸に焼き付く彩
    シナリオクリアです。お疲れ様でした!
    (想望食みし人と村居て)


    (エンド2:スプリンクラー○・東の治療×)
    「そうだ!先生!」@6
    子どもたちを救えたことを、彼に報告しなければならない。その一心で、あなたたちは東の元へと駆け戻った。
    木にもたれ掛かる形で座っている東に、寿はほっとしたような表情で語り掛けるだろう。
    「先生っ!やりましたよ!」@1
    「あいつのこと、止めら、れ────」@5
    かがんで東の顔を覗き込んだ寿の表情が、かちりと強張る。その語尾が川の流れる音に掻き消される。
    (東死亡KP)
    月明かりの下とはいえ、青白すぎる東の顔。
    そこに、生気はもう宿っていなかった。
    優しげな桜色だった東のパーカーは既に半分が赤黒い色に染まっており、その傷の深さを、放置してはいけなかった理由を物語っていた。変わり果てた彼の姿を見た探索者たちは、親しさに関わらずショックを受けることだろう。(SANc1/1d4)
    「せん、せい」@5
    寿はその顔にそっと指をやる。ひやりとした感覚に、その手を地面へと力無く落とした。
    「嘘でしょ、なあ、先生」@7
    「だって俺、まだ……教えてもらってないこと、あるのに。今度、生け花教えてくれるって言ったじゃないですか。約束破るんですか、先生」
    「俺のほんとの名前、聞きたくないんすか。ねえ、聞いたら笑っちゃいますから。だから、……」
    「起きて、起きて笑い飛ばしてください。先生」
    「……先生、なんで、そんな顔するんですか……」
    あなたたちは返事をしない恩師に語りかける青年を見て、何を思うだろうか。
    あなたたちの決断は間違っていなかった。彼を置いていく代わりに、子どもたちを救おうとしたのだ。救ったのだ。誰よりも子ども思いで、その生涯を子どもに捧げてきた彼のことである。彼もそれで死ねるなら本望だろう。
    その証拠に、血の気を失った彼の口角は僅かに上がっており、切なげな微笑を浮かべているのだから。@2

    エンド2:二度と開かぬ双眸
    双眸は御死人弔いて


    (エンド3:スプリンクラー×)
    ふと目線を上にやると、色とりどりの火花が花開いていた。その真下では子どもたちがきらきらと目を輝かせてそれを見ている。プシュー、と音を立てながら紙吹雪が舞う。スプリンクラーの水が噴き上げられる。紙と水が子どもたちを覆い囲んだ、その時だった。
    「痛い!」
    「なんか、目に入ったあ。おかあさん……!!」
    「やめて、押さないで、あっ……!」
    辺りを濃い塩素とガソリンの匂いが包み込んだと思えば、子どもたちの歓声が悲鳴に変わっていく。
    ある少女は、目を押さえてその場にうずくまる。
    ある少年は、目を押さえてばたばたと駆け回り、ぶつかった子どももろともステージから転落する。
    真っ赤な顔をした少年は、強い匂いで耐えきれなくなったのか、ステージの隅で嘔吐する。
    子どもたちの苦悶の表情は、残酷なほどに綺麗な花火に煌々と照らされている。あなたたちは呆然と立ち尽くして、その惨状を見ている他なかった。(SANc1d2/1d4)
    そして。
    ぱちり、とステージ上で火花が弾けた。
    (シーン切り替え)
    目の前に真っ赤な色が広がる。一際大きな悲鳴が上がる。

    炎だ。

    火だ。炎だ。子どもたちだ。火だるまだ。怒声だ。うつる。炎がうつっていく。狂気が。うつっていく。炎を纏って踊り狂う、火だるま。嗚咽。飛び込む大人。炎がうつる。悲鳴。怒声。ステージ上で伝播していく、狂気。悲鳴。火だるま。燃え広がる。炎。炎。悲鳴。炎。怒声。狂気。炎。炎、炎炎炎炎炎炎炎!

    言うまでもなく、地獄絵図だった。
    (SAN1d4/1d8)
    (☆希望があればちきさんだけSAN1d4+4/1d8+4)

    炎で赤く照らされた空。そこには綺麗な花火が、あなたたちの歪んだ表情を嘲るように咲き誇り続けていた。

    ☆東を手当てせず放置した場合
    ↓↓
    惨状を前に呆然としていたあなたたちは、ふと彼のことを思い出す。この光景を誰よりも嘆き悲しむであろう、東の存在を。
    「……先生に、伝えねえと」@12
    重い足取りで、あなたたちは林に戻ることだろう。彼になんと説明すればいいのか……言葉を選び迷っているうちに、木にもたれ掛かる形で座っている東の後ろ姿が見えてくる。
    寿は今にも泣き出してしまいそうな表情で、東に語り掛けるだろう。
    「先生……ごめんなさい」@7
    「あいつのこと、止めら、れ────」@5
    ゆっくりと東の顔を覗き込んだ寿の表情が、かちりと強張る。その語尾が川の流れる音に掻き消される。
    月明かりの下とはいえ、青白すぎる東の顔。
    そこに、生気はもう宿っていなかった。
    優しげな桜色だった東のパーカーは半分が赤黒い色に染まっており、その傷の深さを、放置してはいけなかった理由を物語っていた。変わり果てた彼の姿を見た探索者たちは、親しさに関わらずショックを受けることだろう。(SANc1/1d4)
    「せん、せい」
    寿はその顔にそっと指をやる。ひやりとした感覚に、その手と両膝を地面へと力無く落とした。
    「嘘でしょ、なあ、先生。なんで、先生まで、こんな……」@7
    「俺、まだ……教えてもらってないこと、あるのに。今度、生け花教えてくれるって言ったじゃないですか。約束破るんですか、先生」
    「俺のほんとの名前、聞きたくないんすか。ねえ、聞いたら笑っちゃいますから。だから、……」
    「起きて、起きて笑い飛ばしてください。先生」
    「そんな顔じゃなくて。違う、違うんです」
    「……笑えるわけ、ないですよね。……ごめんなさい、先生、ごめんなさい……」@13
    あなたたちは返事をしない恩師に語り続ける青年を見て、何を思うだろうか。
    あなたたちの決断は間違っていなかった。彼を置いていく代わりに、子どもたちを救おうとしたのだ。ただ、結果が伴わなかった。それだけのことである。
    東は自分で言ったのだ。早く行けと。子どもを救うためなら命をかなぐり捨てることすら厭わない彼のことである。あなたたちは正しかったと、彼もきっと信じたまま逝ったことだろう。
    その証拠に、血の気を失った彼の口角は僅かに上がっており、切なげな微笑を浮かべているのだから。
    ☆↑↑

    後日、あなたたちはネットニュースや新聞の一角等でふと、目童村という文字を見つけるであろう。そこには「スプリンクラーでガソリン噴霧・引火……子ども9人死亡・18人重軽傷」という見出しが載っている。
    なんでも、スプリンクラーに繋げるための水入りタンクが、農業機械用のガソリンタンクと取り違えられた……ということになっているらしい。また、村の子どもと大人がひとりずつ────公太と島田が────行方不明になっているといった内容も、ついでのように書き添えられている。(☆東や笠寺のことは、どこにも載っていなかった。)

    あなたたちはその記事を読んで何を感じるだろうか。悲しさ?悔しさ?やるせなさ?どれを味わっていようと、あなたの目にはありありと焼き付いているであろう。
    嘲るように花開く炎の下で、苦しみもがく子どもたちの表情が。

    エンド3:双眸に焼き付く惨
    シナリオクリアです。お疲れ様でした!
    双眸食みし人と村居て


    生還報酬SAN
    ・シナリオクリア
    1d5
    ・スプリンクラーを止めるor接続を断つ
    1d3
    ・テント倒壊イベントで子どもを助ける
    1d3
    ・東に応急処置を施す
    1d3

    希望者報酬(1人限定)
    ・キショいぬいぐるみ
    持ち歩くと他の人にセンスを疑われ、キショがられる。app-3。
    持ち歩かなければステータス変化は特になし。
    このぬいぐるみ関連でファンブルorクリティカル(SANチェック含む)を出すと絶対もらえる。もらえや。
    クリファンを出した人が2人以上いたらPLで殴り合いでもして決めてください。



    【祠を見に行くという宣言があった場合】
    すべての祠を見に行くには時間がかかりすぎる。だが、地図を見ると北の祠までなら10分ほどで行けることがわかるだろう。
    向かうと、小さな祠があることがわかる。
    古びた錠がある。叩けば壊せる。開けると、中にはホルマリン漬けになった目玉の瓶が一つ置いてある。やや濁った白に走る細い血管。瞳には幾重にもかかった茶色の層。レプリカなどではない。明らかに人間の目玉だ。SANc0/1d3。
    (目星)
    黄ばんだラベルが貼ってあることに気付く。ラベルをよく見ると、今から5年ほど前の日付が書かれていることがかろうじてわかる。

    【駐在所に行くという宣言があった場合】
    駐在所の場所は、地図アプリで調べればすぐにわかるだろう。あなたたちは広場からやや離れたところにある、小ぢんまりとした駐在所に辿り着く。
    扉には、巡回中と書かれた札が下げてある。扉は施錠されており、中には誰もいないようだ。
    (鍵を壊すor鍵開けで入るという宣言)
    寿がいた場合、止める。どうしてもというなら流される。
    「……いくら駐在所でも、やめといた方がいいすよ。なんつーか……エラい目に遭うんで」
    扉を開けると、一瞬生臭いにおいが鼻をついた。
    (聞き耳)
    血のにおいだ。においの元は、薄く開いた扉の向こうらしい。
    (行ってみるという宣言)
    休憩室だろうか。テーブルにパイプ椅子、ポットや冷蔵庫など、ごくありふれたものばかりである。
    床に転がっている、2m弱のビニールシートの包みを除いては。

    ビニールシートに手を掛け、思い切ってめくる。そこには、惨たらしく殺された男の遺体があった。
    一部だけ抉り取られたような形になった頭。そこから流れ出た血は、派手な柄のアロハシャツをさらに派手で、不気味な模様に変えていた。何よりあなたたちが驚愕したのは、その顔────そこにあるはずの目玉が、ない。彼の顔には、ただぽっかりと眼孔が開いていた。

    ビニールシートを剥がした際に、頭が傾いたのだろうか。眼孔からとろとろと漏れ出す液体は、赤黒い色から段々とねばつき濁った色の液体に変わっていき、ビニールシートを汚していく。
    狂気に満ちた、強い血のにおいと惨殺死体。それは探索者に底知れない恐怖を与えることであろう。(SANc1d3/1d6)


    【午前の探索で寿にステージ出演の話を持ちかけた場合】
    「着ぐるみのバイト経験あるって言ったら、こっちも手伝ってくれって。公演詳細、こういう感じで来てるんすよ」
    そう言って寿はスマホの画面を見せてくる。
    『12:30〜マスコットと撮影会
    ・着ぐるみは2体で行う。
    ・ステージ上で風船を渡し、渡した子どもから写真撮影を行う。スマートフォン等での撮影はスタッフが引き受ける。
    ・村のマスコットのデフォルトカラーはグレーのため、写真係はグレーの着ぐるみを着用。
    ※衛生上の観点から、着ぐるみの色は指定したものに入ること。
    グレー:寿敬一(ボランティア)
    藤色:東惣太郎(愛知さくらぎ児童相談所)

    13:30〜マスコットと踊ろう
    ・着ぐるみは1体で行う。
    ・すすきの小学校ダンスクラブ及び希望者と一緒に踊る。曲目・振り付けは別資料参照。
    桃色:笠寺勇作(笠寺米穀店)
    (ちきさんとスミちゃんが見ていればアイデア)
    東の勤め先が書いてあることがわかる。……確か東は、児童相談員であることは寿に伏せてほしいと、自分たちに頼んでいなかっただろうか?
    (指摘する場合)
    「え?あ〜……先生すげー隠そうとしてますけど、結構前から知ってますよ、俺。先生が児相勤めなの」
    「今回は俺にまでこの資料行くとは思ってなかった、ってとこですかね?この手のドジよく踏むんですよ、あの人」
    「まあ、俺まだガキだし……観察対象、なのかもな。ずっと。はは」
    「でもまあ……先生から職業教えてくれる時って多分、俺がもうガキじゃないって認めた時でしょ。それまでは黙ってますよ」
    「やー、知らないフリすんのも大変なんすけどね!こっちの身にもなってほしいですよ」


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