駆け抜けて激情「あっ…ぁ……もう…出して…っ」
「月島ぁっ…いいのか?」
「んん…もぉっいい、ですからっ」
「…うん、うん、あいがと月島っ…」
一気に頂まで駆け抜けたせいで、2人して息が弾んでいる。鯉登は命の尽きた獣のようにどうっとベッドに倒れ込んだが、いつもなら軽くキスをしたり頭を抱き寄せてくれる月島はすぐに起き上がってサイドチェストの水に手を伸ばした。
その姿を見て、なぜだか少しひっかかりを覚える。
誕生日前夜だ、付き合っている2人の夜は当然のように熱く激しい。 ましてやこの音之進、まだまだ成人したばかりの若造である。 向上心と好奇心の塊のお年頃なものだから、恋人との一夜一夜が全力も全力、それはもう常に身も心も煮えたぎる情熱そのものでぶつかっている。
3642