姉夢「起きろ、朝だぞ」
柔らかい感触と聞き慣れた声に目を開けると姉がその豊満な体を押しつけるように覆い被さっていた。
「休みの日だからといって寝てばかりは体に良くない。朝ごはんを用意したから食べろ」
小さい子供を諭すような優しい声色に覚醒しきれていない頭と耳がくすぐられる。
そのままこの微睡に浸っていたかったがそこらへんの成人男性より背が高く、規格外に発育の良い姉の重さに体が悲鳴を上げ始めていた。
「分かった…起きるから、姉ちゃん退いて…」
「えらいぞ、流石お姉ちゃんの弟だ!」
退こうとしたその時、不意にバランスを崩した姉の膝が股間に直撃した。あまりの衝撃に意識は一気に現実に引っ張り出され、声が出ない程の痛みに悶絶し思い切り歯を食いしばる。息ができない。涙が止まらない。
「すまない!大丈夫か?!」
事態に気付いた姉が慌てて膝を退かす。
「あぁ痛かっただろう…あぁ本当にすまない…」
気の毒なほど申し訳そうな声を上げて狼狽えている。早く大丈夫だと伝えて姉を安心させてやりたいが痛みが治らずまだ話せそうになかった。
「救急車か?!いや、その前に患部を確認しないと…!」
気が動転し目を白黒させた姉が何を思ったか俺のパジャマのズボンに手をかけ、一気に下着ごとずり下ろした。
姉の目前に現れた張り裂けそうなほどの肉幹。一瞬の出来事に静止することさえできなかった。あまりにも酷い状況に頭がおかしくなりそうだ。
「かわいそうに…こんなに腫れて…ふぅふぅ、よしよし」
涙目の姉がおもむろに息を吹きかけながらそれを撫で始める。嘘だろやめてくれ。体を捩って対抗しようにも姉の重さで動けない。
「おかしいぞ、ますます腫れがひどくなっている…」
さすさす、ふぅふぅ
さすさす、ふぅふぅ
「うっ…!」
ビュクッビュルルルルッ!!
「うわっ!」
「死にたい…」
やっと出た言葉。
そんなこと言わないでくれ!と飛びついてきた姉の胸に顔を潰され、そのまま意識はフェードアウトした。