空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:16 暗い部屋の中で、ごろんと寝返りを打つ。苦もなく寝返りを打てるベッドの上で、汐見は一人小さく息を吐き出した。
学校は冬季休暇、それに伴って寮も休暇開始の数日後には閉鎖すると寮から追い出された汐見は、数日前には学校からは特急で一本――高速鉄道の恩恵により車であれば五時間近い道のりを一時間程度にまで縮め、生まれ育った地元へと戻ってきていた。
最初の数日間は、前回は宇宙港に併設された空港から帰省したという空閑が汐見について特急へと乗り込み観光を兼ねて遊び歩いた。汐見もその間実家に寄ることもなく、空閑と同じホテルで眠っていた。普段寝ているものよりも広いベッドが一つあるダブルルームで、普段のようにぴったりとくっ付いて。
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