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    chiocioya18

    @chiocioya18

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    chiocioya18

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    北村ハッピーバースデー2023! あめそらです。
    誕生日にちょっとだけ欲張りする話。

    ##雨想
    #雨想
    fleetingThing

    誕生日なんて、歳を重ねる毎に何も感じなくなると思っていた。けれど、この事務所に入ってからは毎年盛大にお祝いされる。会う人みんなから「おめでとう」の言葉をかけられて、雨彦さんやクリスさん、それに九郎先生や一希先生、プロデューサーさんからはプレゼントまで貰ってしまって、何も感じないなんて到底無理な環境に置かれてしまった。もちろん、嬉しくて困ったなという意味でだ。

    貰い物でパンパンになった鞄を抱えて帰路につく。電車の中は暖房が効いていて、少し暑いくらいだ。それともお祝いされて舞い上がってる気持ちで体感気温があがっているのだろうか。スマホを見れば、兄さんからも誕生日を祝うメッセージが届いていた。ちょっとくすぐったい反面、わざわざ送ってくるということは、と察してしまう。案の定、続きの文面は今日も家には帰れないという旨で、了解とありがとうだけ返信して画面を閉じる。タイミングよく、車内アナウンスが最寄り駅を告げた。

    帰宅して、少し重たい荷物を下ろす。部屋の静けさにほうと息を吐いた。無人の部屋の空気は冷たく、フローリングが熱を奪っていく気がして急いで畳敷きの自室へ避難した。エアコンを付けてもすぐには暖まらない。身を縮ませるように膝を抱えてぼんやりしてしまう。

    兄さんが忙しいのはいつものことだ。昨日だって一昨日だって、部屋の静けさは変わらない。たまたま今日は事務所が賑やかだった分、無音が耳に染みるだけ。

    「…賑わいに慣れて、静寂かく苦き…。ひとりも気楽で好きだったはずなんだけどなー」

    自嘲するように呟いて、明日の予定を確認するためスマホを手に取る。並ぶアイコンの中、受話器のマークが目に止まった。
    指先が迷う。もう夜も遅い。迷惑かもしれない。用事らしい用事はなにもない。でも。でも。
    一瞬息を詰めて、連絡先をタップする。コール音が、1回、2回。

    『…北村か?』
    「雨彦さん」

    案外あっさりと電話は繋がった。『どうした?』と聞いてくる声に、どう返事をするか言い淀む。だけどとっさに言い訳なんて思いつかなくて、正直に白状するしかなかった。

    「……どうしても、雨彦さんの声が聞きたくなってさー…」

    事務所でも会ったのにおかしなことを言ってると思われるかな。ひとつ歳をとったばかりだと言うのに子供みたいな甘え方をして呆れられてしまうかもしれない。そんな不安をよそに、雨彦さんの声は柔らかく耳に届く。

    『光栄だな』
    「え?」
    『誕生日プレゼントに俺の声をご所望ってことだろ?』

    フ、って、噴き出した笑いが音に乗った。目の前にいたらきっと雨彦さんはウインクして言っているに違いない。そういうことにしておいてあげるよー、なんてしれっと返事をする。もうプレゼントは貰ったし、あんなに充実した誕生日を味わっておいて、もっと望むなんて贅沢過ぎると自分でもわかっているけれど。

    もう少し、せめて部屋が暖まるまで、雨彦さんの声で暖をとらせて。

    『誕生日おめでとう。北村』

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    chiocioya18

    DONEタケ漣冬の収穫祭!でネップリ公開していたバレンタイン話です。たい焼きデート。
    芸能界は常に行事を先取りしている。テレビやラジオは放送日の何ヶ月も前に録ることもざらにあるから、季節の巡りがカレンダーよりも先走っているように感じてしまう。
    バレンタインデーの特番収録をこなしたのが先月のこと。ファンのみんなからのチョコは連日事務所に届いていて、だから今日が二月十四日当日だということも、きっとコイツは忘れているに違いない。レッスンからの帰り道、来るかと訊けばのこのこと家へついてくるのもただの気まぐれなんだろう。
    コイツにとってバレンタインデーは特別な日ではない。それはわかっているけれど、それでも。カバンの中に忍ばせたチョコレートを、渡すタイミングを見計らっている。
    ちゃんと綺麗な箱に入った、コイツのために用意したチョコだ。小さくて量は大して入ってないから、果たしてコイツが喜ぶのかは想像できない。買った直後もここ数日間も、やっぱり渡すのはやめておこうかと何度も何度も思ったが、買う時にどれだけ恥ずかしかったかを振り返ると悔しくて、諦めきれずに持ってきてしまった。そのくせまだ渡せずに持ち歩いているのが情けない。
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    DOODLEアニバネロのカドストについて真剣に語る。(ブラネロの民である私による妄想込み)まず…
     先陣を切って怪我をしたシノにネロが重ねたのは「ブラッドリー」だよね。
     重なって、そして、その上で、そんな怪我をするような無茶を一人でしてしまうシノを心配して表情を曇らせたヒースに、自分自身を重ねたのかなと思う。

     もちろん、それに加えて一人で倒してやる、みたいなやり方への心配が年上の魔法使いとして加算されているのはあるだろう。

     些細なことだけど、このまま重ねていくと、いつかは……。
     思い起こされるのは、自分の中で積み重なり抱えきれなくなったあの頃の苦しみ。
     ああなってほしくない。仲良く寄り添う二人だから。
     自分は、きっと、離れて忘れようとして、「後悔」したから。
     そんな思いでつい、普段の自分なら思っていても口に出さないであろう余計なひと言をシノに投げてしまった。という感じではないだろうか?

     シノが花束を作って(ヒースと相談をしたんだろう)謝りに飛んできた時、ネロの脳裏によぎったんじゃないかな。
     ネロを怒らせたブラッドリーが、オリヴィア・レティシアを手土産に機嫌を取りに来たあの頃のことが。
     シノは、ブラッドリーよりもわかりやすくて素直だから、彼を通してブ 1421