使徒は、愛する人に触れると、色が体に移る病。
通称「染色症」。
髪に指を通す、肌を撫でる…触れ合ったところから使徒の体は愛しい人の色に染まります。
しばらくすれば元に戻ります。
#推しがかかる奇病 #shindanmaker
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荘園主の悪戯かそれともミスかこの荘園ではたまにいつも以上に奇妙なことがおきる。たとえば、ハンターが縮んだり体液が酒になったり。それも大体数日から数週間でもとに戻る。今回もそんなところだろう。
そう気楽に考えていた。
彼の頭を撫でたところから手が白くなっていたのは流石に驚いた。
いつも以上に白くなった手のひらを見て思う。やはり彼は綺麗な人だ。私は満足だった。
でも、彼は違ったらしい。
「アンドルー、アンドルー、出てきてください...私なら平気ですから...」
白くなった私の手のひらを見た彼は、なにか恐ろしいものを見たような、とんでもないことをしてしまったような顔をして私の制止を振り払い、逃げてしまった。
サバイバーの皆さんに行方を聞き回って、なんとか彼の居場所を突き止めたは良いものの一向に出てきてくれないのだ。
「ほら、見てください。元に戻っていますよ」
その一言で彼がようやく扉を開ける。機を逃さず滑り込んだ愛猫が影に噛み付き、動きを止め、その隙に無理やり扉の隙間に体をねじ込んだ。
覆い被さるようにアンドルーに抱きつくと彼はひどく抵抗したが、アンの力が緩まないのがわかると次第に体の力を抜いた。
室内ランプの弱い光でもわかるくらい、アンの体は白く染まっている。
どうしようもなく愛しくなってアンドルーの頭に顔を寄せると見た目に反して高い体温ごが冷えた仮面を通して伝わってくる。
仮面を取ることができないのが残念だった。
アンドルーの体温がアンに移るくらい長い時間をかけてようやく彼がおずおずとアンの背中に手を回す。
「うふふ、見てください。貴方と同じ色ですよ」
「......良いのか?こんな...」
「良いにきまってます。だって...
貴方はとても綺麗なんですもの。貴方と同じになれるなんて本望です」
アンドルーがやっと伏せられた顔を上げ、ほんの少しだけ微笑んだ。
「そんなこと...言ってくれるの、貴女くらいだ」
そして、また顔を伏せてしまった。
パサついた髪を撫でる。綺麗なのに勿体ない。この色のせいで今までどれだけの人が彼を傷つけてきたのだろう。
貴方が私の奇異な目を好きだと言ってくれた様に、私も貴方の色を愛している。